プーチンという人についてある程度理解はしていたつもりでした。
しかし,ボクがこれまで文献等で知りえていたことをはるかに上回る悪辣な人物だという印象を持ちました。
記載されたことがすべて真実とは限らないけど,多くの史実が克明に記載されています。
オリガルヒもプーチンと同罪ではあるけど,そうしたことを国民はどのように思っているのだろうか。
なかなか本音が伝わってきませんね。
著者は,ロイター通信の調査特派員であり,2007年から2013年まではフィナンシャルタイムズ紙のモスクワ特派員として,そして2016年には新聞社の法律特派員として活躍し,現在はロンドン在住です。
ブックカバーの折り返しには以下の概要が記載されています。
「資本主義を取り込んだKGBの復活,オリガルヒの没落,あくなきプーチン勢力の富と権力の奪取,ロシアのブラックマネーの席巻。本書は,プーチン勢力がいかにロシアを変質させ,食い物にし,世界を混乱させてきたのかを,元FT記者が冷静なタッチで明らかにするかつてないドキュメント。主要な関係者との独占インタビューを通じて,プーチンの周囲が民間企業を容赦なく押収し,経済を乗っ取り,数十億ドルの資産を洗浄し,組織犯罪/政治権力の境界をあいまいにし,司法を駆使して敵を弾圧し,西側に影響力を拡大していく様を解明する。上巻では,プーチンがサンクトペテルブルグ時代に組織犯罪集団と結び,富の収奪を行い,大統領に上り詰め,最強のオリガルヒであるホドルコフスキーを逮捕するまでを描く。」
とあります。
終わりの見えないロシアの侵略ですが,西側諸国も武器の供与ではない解決を考えてほしいけど。
そんなことは誰しもが思っているけど,手詰まりなんだよね。
ボクはね,ロシアはかつての日本と重ねて考えてしまうことがあります。
日本も「アジアの国々を救う」という建前の下でフィリピン,シンガポールに進出しました。
そして資源を求めて無理を重ねた挙句,アメリカから無理難題を突き付けられて,戦争に突入しました。
ロシアだってここまで追い詰められたら何をするかわかりません。
どこかで逃げ道を作る必要があるでしょ。
その仕事は日本とインドが担うことができるように思います。
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