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Blog☆HiloⅡ

ウクライナ動乱:松里 公孝 (著) 


昨年の2月24日に始まったロシアによるウクライナへの侵略。
ロシアの行為を非難する声がどんどん高まりましたが,ロシアとウクライナについて日本国民はどの程度理解しているのでしょうか。
ボクはウクライナという国について,知っているのは名前だけでした。
キーウという地名で思い出したのが,かつて原発事故があったところだということ。
それでロシアとの位置関係がよくわかったのですが,侵略が続く中でいろんな疑問がわいてきました。
なぜロシアはそんな非人道的なことを行ったのか。
文献で両国の成り立ちや関係を勉強しているうちに出会ったのがこの本です。

タイトルの副題を「ソ連解体から露ウ戦争まで」として,ブックカバーには以下の記載があります。
「ソ連継承国の多くは、一九九〇年の経済水準を回復していない。……貧困の問題が直視されない代わりに、親露派対親欧米派という二項対立が、現地について何も知らなくても現地情勢を説明できてしまう魔法の杖のように振られる。これは、現地に対するバイアスである」
さらに「クリミア,ドンバスも含む現地調査・インタビューに基づき,革命と戦争を内側から徹底解明」
と続きます。
これは読んでみる価値がありそうだと思って早速読んでみました。
読み進むうちにたくさんのことが見えてきました。
ウクライナで長く続いてきた内戦。
これは日本人にとってはなかなか理解できない地政学的な事象ですね。
そしてロシアとの間だけにとどまらない問題でもあります。
表面的に見ただけでも以下のことが言えます。
1991年に旧ソ連邦が崩壊して,ウクライナも独立しましたが,政府と人民共和国の対立は長い間続いてきました。
東部,南部に住む親ロシアの人々との内戦ですね。
そして,人民共和国はロシアとの決別を選択したのですが,NATO,EUへの加盟を求める人々と親ロシアの人々との溝は深まり,そこにロシア(プーチン)が乗り込んだというのが現在の状況です。
しかし,この本によればウクライナ自体もいろいろと問題をはらんでいる国だということがわかります。
汚職がはびこり,経済状況も安定せず,とてもEUへの加盟などできる状況ではなかったのです。
そして,ロシアの侵略後には,西側諸国と中国,イラン,北朝鮮までもが入り込んで,今や収拾がつかない状況になっています。
ロシアとウクライナではGDPに大きな差があります。
豊かな国に魅力を感じるのは当然のこと。
そうした声が伝わってこないことも不思議ですね。
悪者はロシアでウクライナは被害者だと短絡的に決めつけるのは理解不足だとするのが著者である松里公孝氏の考えであると思うし,ボクもその通りだと思います。
そのうえで和平交渉をどのように始めればよいのか。
日本はアメリカの陰に隠れないで,今こそ中立的な立場で仲介ができないものだろうか。
ウクライナのためではなく世界平和のために。

なぜならボクはゼレンスキー大統領は信頼できない人だと思っているから。
アメリカ議会で彼がこんなことを述べたことをご存知ですか?
以前書いたボクの記事です。ココ
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