コメットの『HFJ350M』を用い3.5MHz試験運用の記事を書いたが、今回はオプションの1.8MHz用コイルを用いた試験運用の様子を書いてみたい。
【写真:コイルのお化けみたいなANTだが、ちゃんと飛んでいるには仰天】
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◆ポータブル機に付けるANTのキモは・・・。
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IC-705やFT-818を買ったはいいものの、
動画の見過ぎで『いざ、運用』したが、
なかなか交信できず、アマチュア無線から離れる人が後を絶たない。
あるいは、アンテナ調整が不要の144MHz帯や430MHz帯にしか出られない、
そう思っている方が、非常に多いのは残念である。
IC-705やFT-818ユーザーの多くはRIG直付けでANTを使おうとしている。
きちんと高周波アース(以下、RF-GND)が効いていて、
さらに、微妙な同調点をきちんと探れれば『飛ぶANT』なのだが、
その『微妙な同調点』が探り切れず、途中で投げ出してしまうらしい。
あのー、超短縮ANTの同調点って『ミリ単位』で変わるのですよ。
ということは、逆に『同調点って、ほんの数kHzだけ』なの。
オプションの1.8MHzコイルを付けてみて、
取説のとおりにロッドアンテナの寸法を計って、
鋼鈑製の物置小屋に設置してあるANT基台に取り付けてみたのだが、
予想どおり『バンド内での同調点が見つからなかった』のである。
普通なら、アンテナアナライザーの出番ですけど。
まぁ、一応アナライザーで計測してみたら、
取説の寸法より40kHzほど低い周波数に同調点があったので、
取説のとおりに『10mmで7kHz変化する』と仮定して、
40kHz÷7kHz=5.7mm≒6.0mm前後短く調整したら、
SWRが許容範囲の2.0辺りまで下がってくれた。
あとは、通過型SWR計で、ピンポイントの同調点を探って微調整。
私の場合、FT8のピンポイント周波数さえ出られればOK。
和文CW(144MHz帯)のロールコールをワッチしながら、
チェックインのタイミングを見極めつつ、
1.8MHzの調整と試験電波を発射しただけだが、
写真のとおり、夜間の中波放送のサービスエリア程度は飛んでいる。
ロールコールのチェックインを頼まれていたので、
1.8MHzの運用は試験送信でストップしたが、
このくらい飛んでくれるのならば、
お正月休みに、楽しめそうな実感を得た。
いささか、自慢話になってしまったが。
要はRF-GNDが効いているかどうかがキモである。
1.8MHzのポータブル機向け分割式アンテナは、
ロッドアンテナ部など『ほとんど、調整ヒゲみたいなもん』である。
・アンテナ基台から、きちんとRF-GNDが効いているか?
・出たい周波数で、ピンポイントで同調(SWR:1:1.0に近い)か?
キモは、この2つと言っても過言ではない。
ポータブル機の場合、動画などで紹介されているような、
市民無線機のようなアンテナ設置をしたい気持ちはわからなくないが、
申し訳程度のカウンターポイズ数本と、
RIG直付けで、どうやって低いバンドの同調点を探るのだろうか。
SWRが下がっていない状態でRIG直付けなどやったら、
最悪の場合『終段(ファイナル)が飛ぶ(壊れる)』のですよ。
電波が飛ばず、ファイナルが飛ぶなんて笑うに笑えないでしょ。
YAESU機を毛嫌いしているつもりはないけれど、
FT-818、FT-817系は『静電気が悪さをしてファイナルが飛ぶ』ことも。
それくらい『デリケート』なのだ。
きちんとRF-GNDが効いている状態を作るべし。
アースマット1枚程度でRF-GNDが効いている状態を作れたら苦労しない。
アンテナを伸ばし、スイッチを入れて、マイクを握ったら交信できる・・・。
そんな運用がしたい(それしかできない)のならば、
ライセンスフリー無線や、ハンディ機で144MHz帯や430MHz帯に限定すればいい。
コンビニエンスな時代だが、まだまだ無線界は遅れているのだ。
・ハムショップも、わかっていないし、物売りで精いっぱい
・資格こそ、講習会で4・3・2級まで『買える時代』だが
・結局は、実践が伴っていないから、まともに使えない
ニューカマーにもきちんと指南できる『プロショップ』もない。
こんな状態で、アマチュア無線がどうやって発展するだろうか。
やはり『オワコン』と言われても仕方がない。
それでも、苦労して勉強して取得したアマチュア無線の免許。
投げ出さず、地道に『自分なりの遊び方』を見つけてほしい。
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