430MHz帯・FMで初交信の局から『AH-705なら1.9MHz対応なのに、どうしてAH-4だと3.5MHz以上の対応なの?』という質問を受けました。(心の中では『自分で調べろ』と思いましたがhihi)
【写真:ICOMのAH-4。1.8MHzの動作保証はしていないが、なぜか?】
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◆動作保証をしないには、理由がある。
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ATU(AH-4)内部で切り替えている、
固定コンデンサーの温度計数が問題。
パワーが小さいときは問題ないですが、powerが大きいと、熱を持ってずれてしまいます。
いわゆる『熱暴走』みたいな(hihi)現象が起きます。
AH-2、AH-3でも同じ現象は起きています。ということでICOM社はハイパワー機対応のATUから、1.9MHz帯を使用周波数から外した・・・ということです。
よく『ATUは魔法の箱』『ATUはANT性能を上げてくれるモノ』と解釈される方がいらっしゃいますが、
基本は『元のANTでSWRベタ落ち(同調を取る)』が原則だと思います。
IC-705(MAX10W)対応の『AH-705』に関しては、10W程度での使用で、コンデンサが熱暴走しない設計になっている、とうかがっています。
しかしながら、LW-ANTは『30m以上』とあり、我が家の住環境では『実現不能』なため、『TOY-ANT』と揶揄される(笑)、コメットのHFJ-350Mにオプションの1.8MHz用コイルを足して、使用しています。
説明書には『AVE50W』と書かれていますが、CWで50Wを突っ込むと、きっと運用中にコンデンサが飛んでしまうか、コイルが焼けてしまうのが『火を見るよりも明らか』と関係専門家は語っています。
私は、10W用に設計した、目立たない細い電線(コーナンで2~300円の10mコードに0.5m継ぎ足し)で、7MHz用LW-ANTを作ったことがありますが、ハイパワーを突っ込んで燃やした経験があります。(随分昔のコトです)
HFJ-350Mにオプションの1.8MHz用コイルを足して、FT8運用ではAVE25W程度で『国内向け』として運用しています。同調点はものすごく狭帯域です。ロッドANT10mmで7kHzも同調点がズレてしまいますので、調整はクリティカルです。
しかし、一度同調点を見つけたら、メモを取っておき、その都度『長さ調整』をしていますが、ほぼ一発でSWRベタ落ちを再現しています。
3.5MHz以下の水平系ANTの場合、地上高λ/8を確保しても10mは必要なので、狭小住宅で暮らす私は、電場が地面と平行にならない垂直バーチカル(モビホ)から試されることをオススメしています。
7MHz帯以上の場合、λ/8は5m程度で確保できますので、電場が地面と平行して多少の干渉を受けても『NVIS』のような効果(高打上角)が期待でき、DXには向きませんが、国内向けであれば『むしろ楽しめるANT』と感じます。
物好きで酔狂なANTマニアのボヤキですが、何かのご参考になれば幸いです。
下の写真は、1.8MHzでの運用ですが、TOY-ANTのHFJ-350M&オプションの1.8MHz用コイルを足して、25W程度でも『この程度は飛ぶ』ので、FT8に限らずCWでも多少は期待できますね。
CG3000は『動作保証している』ユニットなので、ハイパワー局にはオススメと感じます。
ICOMのAH-4に限らず、YAESU系でも1.9MHz動作保証していないATUでは『同様の現象』が発生します。
MTUに於いても、1.9MHz対応とされていてもLWの長さやRF-GNDによってはSWRが上昇したり、ふらついたりします。
私の自宅では、7MHz帯で『同軸中継コネクタ』のイタズラで、SWRが不安定になった経験があります。
以後、中継コネクタは『全ネジ』のタイプを使っています。写真の『L型のM-Jコネクタ』(IC-705にANTを直付けする方が多用されています)も、内部の接触不良によって、SWRが暴走することもありました。(ローカルが非破壊検査写真を入手してくれ、シャフトとスプリングで接触させている点がボケたらアウト・・・)
ネットで安ものをポチって『後悔先に立たず』は避けたいものですね。
いろんな考え方があると思いますが『全く出られずあきらめる』か『出られるだけマシ』と捉えるか・・・、でしょうか。
切れるパイを増やすのも、アマチュア無線の楽しみと、私は考えています。
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