数年前、懇意にさせていただいていたOMがSKになられた・・・の一報が入った。今でいう『家族葬』で、ご親族でお見送りされたとの『事後連絡』で、お焼香も叶わなかったのが、ちょっと寂しいなぁ・・・と思ったのだが。
【写真:ま、こんな感じでした・・・】
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◆亡くなりました、墓に埋めました・・・くらいの連絡でいい。
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四十九日が過ぎ、OMへの記憶も薄れた頃に一本の電話が入った。
『ちょっと、相談したいことがありまして』と、
ご親族(お嬢様)からの電話。
何事かなと思っていたら『無線関連機器の遺産相続ごまかし』の『案件』だ。
かいつまんで述べると『父の無線遺産を引き取ってくれないか?』という内容。
私は『せいぜい、無線機やベランダアンテナだろう』と思って、
タカをくくっていたら・・・
『別宅に無線専用の家(シャック)がある』と言い出した。
そんな話、OMからも一切聞いてなかったぞ!
場所を聞き、車を走らせること1時間半。
3エリア内ではあるが府県境をまたぐ『別宅シャック』。
現場を見たら『TVバラエティ番組』のような、
『こんなところに鉄塔が・・・』と、唖然とした。
こんな話、OMからも一切聞いてなかったぞ!
どうやら、定年退職の際に
早期退職で『退職金を割り増し』て、受け取ったとのこと。
その割り増し分で『無線機やkWリニアアンプ、鉄塔、アンテナ等を含めた無線設備』を購入。
さらに『退職金の10%』を『借地の契約時』に充当し、
余ったカネや『家族に内緒の企業年金』で『地代を払っていた』。
私は、OMのお嬢様に『どこまでを引き取れと言うのですか?』と聞いた。
すると『全部です』ときた。目が点になったのと同時に、
気を失いそうになった。
どうやら『この設備の有無が「相続」に影響する』とかいう。
他人様のご家庭の『相続問題』に『赤の他人』である私が、
なぜ『ケツ拭き』を、せにゃならんのだ!。
ここで無線遺産の処分に手を貸すと、
いろいろ厄介なことに巻き込まれるのは明白。
即座に『お断り』させていただいた。
・土地の引き継ぎ:地主と新たに契約(応談)
・地代:地主と新たに契約(借地面積が広大で、ワンルームマンション並みの賃料)
これだけで『大阪市内に会社が作れる』くらいのカネが必要だった。
・無線機、送信アンプ、鉄塔、アンテナ、周辺機器等々・・・
無線関係だけでも、まだ数年しか使っておられず、
一旦、購入時の全額をはじき出し、
そこから減価償却したと仮定した数字を出したが、
これまた『大阪市内に会社を作って、
中古の什器備品を揃えられるくらい』になった。
ざっと『現物出資』で『資本金』に充て、
『株式会社の法人登記ができるくらい』の金額である。
かといって『無線機の保証期間』は、とうに過ぎているのだ。
まぁ『老後の前?』に亡くなられたのは残念でお気の毒だが・・・
それでも『前期高齢者』にしては、
『新規にカネをかけ過ぎじゃないか』と感じた。
私のポリシーには合わない『kWerシャック』だったため、
この案件は、丁重にお断りさせていただいた。
OMが、そんな山の中に隠れ家を持っていたのも仰天だったし、
かといって、普段は『自宅』にいらっしゃったのだから、
おおかた『リモート運用』されていたのだ、ということがわかった。
設備は、多くのアマチュア無線家が『よだれ』が出そうな『別宅1kW』。
周囲の1級持ちにも相談してみたが、
全員が『そんなもの、いらない』と断ってきた。
懇意にしていたハムショップに話を持ち込むことも考えたが・・・。
こういった事案が『今後、必ず急増する』のは『火を見るより明らか』。
そのたびに、自分が振り回されるのも『厄介だ』と感じ、
キツイ印象を与えるが『親族で話し合ってください』と、
こういった事案には『一切関わらない』ことにした。
どうあれ『無線関係外の総額』も合算すると『確実に相続税対象』である。
相談先の候補だったハムショップのオーナーも一昨年に急逝された。
くだんのOMさんも『前期高齢者』ながら『35歳くらいの感覚』で、
私は『違和感』を感じ『距離を保ちつつ』の『お付き合い』だった。
よく『定年後は、のんびり趣味の無線をしたい』とか聞くが・・・。
それは健康寿命までの話であって『いつ、なんどき』を、
考えておく方が大事だろう。
ご自身の退職金を何に使おうが『その方の勝手』だが、
アマチュア無線をやっていない親族から見たら、
いざ!というとき『何をどう手をつけていいかわからない鉄くず』でしかない。
それを、私らに話を振られても『困る』のだ。
ホンネを言うと『亡くなりました、墓に埋めました』程度の連絡でいい。
毎度おおきに。ほんじゃーね!
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