私たちは気がつかないうちに、誰かに動かされています。人が自然に持っている心理的な傾向を、ビジネスや公共分野に活かそうとする動きは、ますます活発になっています。認知バイアスを利用した『行動経済学』について理解を深めることは、様々なリスクから自分の身を守るためにも、うまく相手を動かして目的を達成するためにも、非常に重要だと考えます。
【写真:おカネがあると、ゆとりができます】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆お金がないと、人は近視眼的な行動をとる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お金がない人は、ときにおかしな行動をとりますね。
スクラッチくじや宝くじを買ったり、
貯金をしなかったり、大きな借金をしたり・・・。
残念ながら、それは習慣になり、結果としてさらにお金がなくなります。
貧しい人がこうした選択をしてしまうのは、
教育や社会環境のせいだけではなく、
生まれ持った性格のせいだ、と容易に考えてはいけません。
実は大きな誤解です。
貧困とは誤った選択の結果ではなく、
むしろ原因です。
多くの研究が、一時的な貧困が意思決定能力に、
影響を及ぼすことを明らかにしています。
ただし、その影響も一時的なものです。
貧しさは『現状偏重バイアス』を引き寄せる精神状態をつくり出します。
これは、収穫期が年2回(つまり収入も年に2回)の、
インドの農業従事者を対象にした数年前の実験がよく物語っています。
農業従事者のIQテストのスコアは、
収穫直後と比べて、
収穫期直前のほうがはるかに低かった・・・。
収入を得た直後の人は、
生活費のことで頭がいっぱいの人よりも、
賢明な判断を下せました。
思いがけずお金に困ると、
誰でも近視眼的な反応をするものです。
この心理状態は、お金と時間、
どちらが不足しても引き起こされます。
両者の影響が似ているためと考えられますね。
つまり、仕事の締め切りに追われるのは、
貧しい人が、支払いの締め切りに追われるのと、
同じように好ましくないことではないでしょうかね。
賢明な人も、おカネに困ると、考えられない行動を取るのです。
毎度おおきに。ほんじゃーね!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※記事は、表現と言論の自由に則ったエッセイで、
公人を除き、登場する個人・団体名は全て架空のものです。
※時事問題については、筆者個人の考えです。
※SNSなどの他サイトへリンクやリツイートはご遠慮ください。
※Twitter等、拡散性の高いSNSでのコメント合戦はお断りします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright:(C)2023 Ota-Tadashi All Rights Reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※下記の広告は本記事とは無関係です。