撤退を余儀なくされた鉄道博物館初日攻略失敗にもめげず、4日後の10月18日に再挑戦。少し早起きして午前中を狙い、10時開園に遅れること15分、鉄道博物館(大成)駅に到着。平日木曜日なのに大勢の人の波に多少焦ったものの、渋滞もなくそのまま入館成功。午後の会議に遅れないように駆け足で館内巡回開始。
入場はSuicaでピッ、のはずだったが、まず最初のトラップ。実は、手持ちのSuicaでそのまま入館ゲートが通過できるわけではなく、入館前に専用端末で「購入手続き」をしなければならない。Suicaグリーン券のように、その購入属性がSuicaに書き込まれるようだ。購入手続きの後、入場ゲートではお約束どおりタッチ&ゴー。後日、履歴印字をしたところ、素っ気なく「物販」、残念。この仕組みを使えば、イベントの入場前売り券など、新しいSuica利用方法が広がりそうだ。カード表面へのリライタブル機能と併用すれば、指定券などのペーパーレス化も実現可能かも。
なにはともあれ、まずは「ハニフ1」のもとへ。いましたいました^^)。3月21日に松電新村駅で見送って以来、7ヶ月ぶりの再会。デ968(デ963形式)への復元話もあったようだが、松本電鉄で保存されていた状態のままで展示されていて一安心。ただ、手の届く位置におかれているのがちょっと心配。ヒストリーゾーン入り口付近の一等地に展示されてはいるものの、昭和戦後世代に比べ、明治世代の仲間たちの人気は今ひとつの感否めず。
懐かしい車両たちが目白押しで、1,2時間で回るのはとても厳しいが、とにかく駆け足で一回り。渋いところでDD13を発見。中学生の頃に、HOゲージのDD13を買ってもらった、これも思い出の車両。塗色は当時とは違うものの、実車をみるのは初めて。
ターンテーブルの横に並んだ往年の名車たちのうちの1両、181系電車。上越線「とき」のヘッドマーク装換。中央線「あずさ」として闊歩していた時代が懐かしい。気動車181系「しなの」といい、HO手塗りではとても再現できなかった、この先頭ウイング塗装はいまでも魅力的。
おっと^^)、今朝お世話になったばかりのE257あずさがこんな所に!。クモハE257-2007、「鉄ハク」所属。自分で運転できるミニトレインシリーズ。外観ディテールなど、なかなか秀逸な仕上がり。この他、253系成田エクスプレスなど、4形式が、ATS-PS(?)完備の専用線を運転中。入館ゲートを入ってすぐ右側の端末で、当日事前予約が必要だが、平日ならそんなに待ち時間無く乗れそう。SLシミュレータも結構な人気を呈していたが週末は激混みだろう。
屋外(屋根付き)には、きれいに化粧直しされた「キハ11 25」が動態保存されている。エンジンはかかっていなかったが、併走する大宮総合車両センターの試運転線とポイントでつながっており、いつでも出張運転ができそうだ。ヒストリーゾーン含め、施設内の主だった展示線路は、すべて大宮総車セの試運転線につながっている。それにしても懐かしい塗色。HO(エンドウ)の「キハ17」、当家でもまだ動態保存中。そういえば、糸魚川では10月23日に、あの煉瓦造りの車庫に、黒い三連星(?)こと、キハ52塗色3兄弟がそろい踏みするとか。火曜日か。。
挙げ始めればきりがないほど見所はたくさんあったが、最後に紹介するのは、「MARS1号機」。抗生物質が効かないウイルスのことではなく、「マルス」こと指定席予約システム(Multi Access seat Reservation System)。おそらく、日本で初めての、本格的実用コンピュータネットワークシステムであろう。マルスが開発されたのは、昭和35年(1960年)。世界初といわれるCPU(インテル4004)が開発されたのは1971年。トランジスタ(1948年発明)こそ、すでに世の中にあったとはいえ、CPUが開発される10年以上前に造られたコンピュータシステムである。装置の中には、カードエッジ基板にディスクリート部品がびっしりと実装され、それが何十枚も装着されている。思えば、月着陸したアポロ11号やボーイング747がデビューしたのは1969年。つまりCPUは搭載されていない。今の時代、マイコンチップ無しで設計できる機器がどれほどあろうか。ソフトウエアに偏傾した設計を少し反省せねば。先輩諸氏の機器設計能力とその努力には脱帽である。余談だが、東海道新幹線、インテルCPUともに、開発功労者が、いずれも「島(嶋)」さんであることは奇遇である。
新生鉄道博物館、初日1万人近くを集客したそうだ。お祭り騒ぎも結構だが、先人たちが築いてきた鉄道の歴史、あらためて感じてみてはいかがだろうか。今も昔も、鉄道は最先端技術の宝庫、とても奥が深い。
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by taniyan
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