ひまわり畑を走っている。
背の高いひまわりの間を、
汗を光らせながら、
どんどん走っている。
一体どこに向かっているのか、
少女は、白い光に向かって、
どんどん進む。
突然、強く後ろから引っ張られて、
体が宙に浮く。
うわっ!と声を上げて、思わず振り返る。
後ろにも、どこまでもひまわりが広がっているけれど、
その向こうから、
まっすぐに、太い綱が腰に巻き付け . . . 本文を読む
たくさんの靴が、
無造作に脱がれていて、ちょっと困った風な雰囲気でそこにあった。
よく見ると、
みんな片方ずつだ。
そりゃ、困るよな、と思わず声が出る。
ふと、
靴問題なんだな、と思う。
家族問題なんだな、と思う。
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「よく分かりませんが、靴問題のような気がします」
「あ・・・分かります」
「分かりますか! . . . 本文を読む