たくさんの靴が、
無造作に脱がれていて、ちょっと困った風な雰囲気でそこにあった。
よく見ると、
みんな片方ずつだ。
そりゃ、困るよな、と思わず声が出る。
ふと、
靴問題なんだな、と思う。
家族問題なんだな、と思う。
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「よく分かりませんが、靴問題のような気がします」
「あ・・・分かります」
「分かりますか!!」
「はい」
「取り組まれますか?」
「取り組みます」
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靴は、二つで一つだ。
当たり前だが、その意味は奥深い。
だから靴に言う。
「ここに置くから。二つで一つだよね」
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二つで一つ。
受精卵からしてそうだ。
私たちは、二つで一つになり、
私という目的として生まれてきた。
そしてまた、
二つが一つになり、融合によって命をつなぐ。
確かに、右と左は違う。
個性があり、主張もするだろう。
それでも、人生の目的地へと向かうため、
協調する。
幸せへと進むため、同じ方向を向く。
二つで一つなんだと、
幸せという方向に一緒に向くことなんだと、
そうやって、
丁寧に靴をそろえること。
靴問題に取り組むとは、そういうことの、
ささやかな繰り返しだ。
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