昔、砂漠の国に不思議なサーカスの一座がありました。旅から旅へ、いろいろな国に参ります。サーカスを率いる男は、うわさでは、2000年も生きているのだとか。さて、このサーカスの一番の出し物は、過去が見える水。お客にひとつのカップを選ばせて、その水を飲ますだけ。ジャスミンの香りのする水を飲むと、お客はすとんと夢の中。目が覚めると、男がにやっと笑っている。お客はたいてい青ざめて、なぜ、知っている!と叫 . . . 本文を読む
人は、心の奥の、本当のところは、言えないものかもしれない。あなたの秘密は、少なくとも、今はそのままに。心の中にきちんとしまって、毛ほども見せず、悟られず、毎日をいつも通りに過して。本当につらく、深く傷ついたから、この秘密は当然のことだと、私は思う。秘密以外の方法であれば良かったに、と思うこともある。けれども、この秘密は、あなたに、ひとときの逃げ場所をつくってくれた。そう、あなたを苦しみから救っ . . . 本文を読む
さすがの隠者も、春の香りにあっては、姿を現さずにはいられないらしい。ふらりと表に出て、夜明け前のピンク色の空を眺めている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
冬の間、枝だけの姿で寒さにさらされていた時、もうすでに芽の準備はなされていたんだな。見えないところで、うんと力を蓄えていたんだな。人には、それぞれ、物事に対するふさわしい時期がある。芽が出るように、花が咲くように、ご . . . 本文を読む
菜の花畠に入り日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし春風そよふく 空を見れば夕月かかりて におい淡し・・・朧月夜。昔を見ることはできないけれども、朧月夜の風景は、今も昔も同じ。宇宙の営みの中に、人の営みはある。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
成功や繁栄を表すペンタクルの10。けれども、ここがぎりぎりのところ。人は結局、宇宙の摂理から逃れることはできない。どうあっても、目に . . . 本文を読む
半月が浮かんでいる。今日は、温かい夜。桜は咲き始めたばかり。空気も静かだ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
半月はカップのクイーンを想像させる。全てのものを映し過ぎず、隠し過ぎない。満月ほどに、はっきりせず、だからこそ、深い優しさが漂う。静謐で安らかな時が流れる。今日は、自分のことも誰かのことも、半分だけ見て、半分は見ずに、あとは、静かな時にそっと流してみる。何かを . . . 本文を読む
これを読んでくれているあなた。今は、肩の力を抜くとき。力を抜いて、そして最も難しいことをしてほしいのです。それは、自分の価値を自分で知る、ということ。本当に自分を評価できるのは、自分だけ。どうですか?自分にうそをついても、意味はないでしょう。だから、あなたの真の価値を、ちゃんと見てほしいのです。真の価値とは、何か、特別なことができたり、人より優れているなどということではありません。比べることで . . . 本文を読む
山桜が咲いている。夜明け前、骨のような木々の間で、靄のように咲いている。少し寒そうで、朝日が待ち遠しい。光が射す前の、ほんの刹那、花びらは色を変える。気が立ちのぼる瞬間だ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふと、春だな、と思う。カードを引くと愚者。嬉しい。春だから、愚者だよな、なんて思う。ゼロを与えられた愚者は、あくまで軽やか。歌うように、踊るように呼吸する。今日、 . . . 本文を読む
カップの中には、形のないもの、目に見えないものが入っている。人も、体は見えるが、その中身、中の様子は外からは見えない。考えや想いなどに至っては、外からは、到底、うかがい知ることはできない。自分をカップに例えたら、中には何が入っている?形はないが、自分をつくり、自分たらしめているものたち。仕事、恋愛、思い出、秘密、傷、命、心・・・・などなど・・・でも、今日のカードが示すのは、今、思いつくような自 . . . 本文を読む
生命倫理学者・粟屋剛氏の講演を聞く。死ぬとはどういうことか、死の定義、死の原因、死の意味、死がもたらす生への影響、多岐にわたる観点から死について語られる。氏は、徹底的に死を分析し、客観視する。客観視することでしか、死の恐怖から逃れられないと、あまりにも死の恐怖が強いため、生を特別視することを避けているようにさえ感じられる。氏の考えを聞き、気持ちが少し楽になる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ . . . 本文を読む
桜の枝が色づいて、間もなく花が咲くことを知らせている。降り続く雨の中でも、確実につぼみをふくらませ、もう何度めぐったか分からない春を迎える。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
他愛もない出来事のように思えて、その中に、未来が潜んでいることがある。もし、未来にはっきりとした夢を持っているのなら、日々の、他愛ない出来事の中にしか、未来につながる道はないことを知らなければい . . . 本文を読む