タロット柊

考えること、感じることの記録

さくら

2021-09-30 22:30:12 | インナーガイド2021・9月
さくらの花びらが舞っている。 風に吹かれて、 いろいろなものから自由になって、 上に行ったり、波打ったり、 いつまでもいつまでも舞っている。   青空の中に飛んでいく。 小さな花びらたち。 「こうやって、いるの」と言う。 そばにいる、のとも少し違う。 いつもいる、のでもない。 でも、 目を閉じればそこにいる。 手を伸ばせば触れられるのではないかと思うくらい、 . . . 本文を読む

意味

2021-09-28 19:53:30 | 考えること
原因不明の病気になって、 日々の苦しみの中、 このことに、一体どんな意味があるのか、 という問いかけをどれほどしただろう。 思いつくもの全てに、どれほど問いかけただろう。 家族に、友人に、恩人に、医師に、神仏に、ご先祖様まで。   けれども、 どんな言葉を聞いても、絶望は消えなかった。   退院後、日常生活を送れるようになってからしばらくしてのこと。 毎日 . . . 本文を読む

いちご

2021-09-26 18:36:35 | インナーガイド2021・9月
いちごは待っていた。 いつものようにビニールハウスの中で。 その美しさ、おいしさに、誰もが顔を輝せ、その素晴らしさを讃えることを。 子供も大人も笑顔になる。幸せになる。 こんないい仕事があるだろうか。 ******************   いちご農家の若き3代目が、悩んでいる。 手塩にかけた自慢のいちご。 今年もいちご摘みを開くことができなかった。 期間限定のいち . . . 本文を読む

道祖神

2021-09-24 22:19:23 | インナーガイド2021・9月
ひょっこり現れた、 あれは・・・道祖神というものではないだろうか。 20センチぐらいの小さいおじいさん。 思わず笑ってしまう。   神さま、というのは、 ある役割をもったものだと思っている。 人が、生きていくため、納得するため、希望をもつため、 いろいろな理由のために、 目に見えるもの、見えないものに関わらず、 何らかの役割を持たせ、信仰の対象にしたものだと思っている . . . 本文を読む

寿命

2021-09-23 20:21:38 | インナーガイド2021・9月
病室のベッドに横たわっている。 目を開けると、 白い着物に黒い羽織をふんわりとまとった『寿命』が、 空から降りてきたように、宙に浮いている。 両手を広げながら、 こちらに向かってくる。 ちょっと笑ってしまうのが、 真っ白なお面の真ん中に 縦書きで『寿命』と書いてあるのだ。     ああ、と思う。 そうなのか、と思う。 『寿命』は、こんなにも優しいものな . . . 本文を読む

インナーガイド その後(2)

2021-09-22 21:54:16 | インナーガイドとは
一つの鍵で、一つの情報が開かれる。 いったい何を読んでいるのか、何を見ているのか、何を聞いているのか。   今の段階で(科学的にという意味だが)、はっきりと説明することはできないだろう。 でも、 ウイルスだって電子顕微鏡が登場して存在を確認できたわけだし、 人間の目には見えない紫外線や赤外線も、 今では機械を通して、こんなふうに見えますよ~と知ることができる。 病気になっ . . . 本文を読む

インナーガイド その後(1)

2021-09-21 22:18:39 | インナーガイドとは
退院してから、1年半が過ぎた。 この間、一度、症状の悪化により、 再び死と手を結ぶかに思えたけれど、 そうはならなかった。   ひとまず、インナーガイドと名付けた正体不明の光について、 ぼんやりと、言葉が見つかり始めたころだった。 ************************   退院後、仕事を再開した当初から、 光はその中身を開き始めた。 そこには恐 . . . 本文を読む

指先

2021-09-20 22:34:21 | 考えること
皮膚感覚は、とても繊細だ。 特に指先の鋭敏さには、心底驚かされる。 昨日と同じ水仕事をしていても、 気温や空気の乾燥度などの変化を感知し、脳へ伝えてくれる。   台風が通り過ぎた昨日、 急に空気が乾燥し始めた。 いつものように洗い物をしようと水に手をつけたが、 ふと、ゴム手袋をはこうと思い立つ。 その後、慌てるにまかせて2回目以降はゴム手袋をせずに。   . . . 本文を読む

考えること

2021-09-19 21:24:20 | 考えること
一つのことを、もうずっと考えている。 どれだけ考えても、答えが分からないので、 気が付くと10年も20年も考え続けている。 そういうものが幾つもある。   病気によって死を常に身近に感じるようになったことで、 それらの問いの幾つかには、 私なりの答えが、少しずつ姿を現した。 もちろん、この先、変わることもあるだろう。 それでいい。 その変化を常に携えながら、 どこま . . . 本文を読む