劉暁波氏の妻、ドイツに到着 中国が出国許可、イメージ悪化回避か
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【7月11日 AFP】昨年に死去した中国の民主活動家でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者、
劉暁波(Liu Xiaobo)氏の妻で詩人の劉霞(Liu Xia)氏(57)が10日、中国を離れドイツに到着した。
劉霞氏は過去数年間にわたり、事実上の自宅軟禁状態に置かれていた。
国家政権転覆罪で懲役11年を言い渡された劉暁波氏は2010年にノーベル賞を受賞。これに激怒した中国当局は以後、
何ら犯罪容疑がかけられていないにもかかわらず、妻の劉霞氏の移動を厳しく制限した。
同氏の境遇は世界的に耳目を集め、人権に対する中国の姿勢の試金石とみられてきた。
人権活動家や諸外国は中国に対し、劉霞氏の出国を認めるよう促していた。
肝臓がんで亡くなった夫の一周忌を数日後に控える中、北京を離れることが許された劉霞氏は、
空路でフィンランドのヘルシンキを経てドイツのベルリンに到着。友人らの話では、同氏は深刻なうつを患っており、
「心身共に不調」だという。中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は、劉霞氏の治療のためのドイツ行きは
「自らの自由意志」によるものだったと述べた。
劉霞氏の出国は、李克強(Li Keqiang)中国首相のベルリン訪問と重なった。
李首相は、かねて中国の人権侵害問題に繰り返し言及してきたアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相とも
会談したが、華報道官は「この事案と首相の訪独にはいかなる関係もつながりもない」と述べた。
ただ識者らは、出国が許された理由として、間もなく迎える夫の一周忌を挙げている。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)のエレイン・ピアソン(Elaine Pearson)氏は、
劉霞氏を自宅軟禁下に置き続けることで、「狭量で非情、執念深い」中国政府という好ましくないイメージを世界に
向け発信してしまうことに気づいたのだろうとの見解を示した。
乗り継ぎ先のフィンランド・ヘルシンキ空港に到着し笑顔を見せる劉霞氏(2018年7月10日撮影)
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ドイツ・ベルリンの空港で劉霞氏の到着を待つドイツ在住の反体制派の中国人作家、廖亦武氏(左)とドイツ人作家ヘルタ・ミュラー氏(2018年7月10日撮影)
ベルリンで開かれた自動運転車の発表会会場に到着したドイツのアンゲラ・メルケル首相(左)と中国の李克強首相(2018年7月10日撮影)