グリーズマン選手、ファーウェイとの広告契約破棄 ウイグル人監視疑惑で
アントワーヌ・グリーズマン選手(左)と中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のロゴ(2020年12月10日)
【12月11日 AFP】サッカーのスペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)に所属する
アントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)選手(29)は10日、中国の通信機器大手
「華為技術(ファーウェイ、Huawei)」が中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous
Region)でウイグル人の監視に関与しているとの報告を受けて、同社との広告契約を打ち切ると発表した。
フランス代表としてW杯ロシア大会(2018 World Cup)を制したグリーズマン選手は、
「ファーウェイが顔認証ソフトウエアを通じて『ウイグル人アラート』の開発に加担した強い疑惑を
受けて、同社との契約を即座に打ち切る」とインスタグラム(Instagram)に投稿した。
グリーズマン選手はファーウェイに対し、「こうした疑惑をただ否定するのではなく、この大弾圧を
直ちに非難し、その影響力を行使して人権尊重に貢献するために具体的な行動を取る」よう求めた。
米国を拠点とする監視関連の調査会社IPVMは8日、ファーウェイが中国で、ウイグル人の顔を
認識すると警察に通知を送ることを可能にする顔認証ソフトウエアのテストに関与していると報じていた。
ファーウェイはこの報道を否定。「当社は民族を標的としたアルゴリズムも、顔認証アプリケーション
も、ソリューションも開発していない」とAFPに語った。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)によると、新疆ウイグル自治区では、
疑わしい行動を知らせるソフトウエアの通知を受けて、ウイグル人が拘束されているという。
中国北西部・新疆ウイグル自治区カシュガル北郊で、主にイスラム教徒であるウイグル人が収容されているとみられる「再教育施設」(2019年6月2日撮影)
中国政府は近年、新疆ウイグル自治区の監視に力を入れており、テロ防止の名目で顔認証、
虹彩認証、DNA採取、人工知能(AI)を使った監視システムを全域に展開している。