ＳＲＤ

北海道は今日も快晴で過ごしやすかったです。
久しぶりに茨戸に行きました。

　　　　　　
　　　　　　　　　　秋の茨戸

一年生エイトも出ていました。

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coxの和久田が元気でした。

帰艇してきたエイトを見ると、なんとＳＲＤがついていました！！

　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　ＳＲＤ

これはＯＢの広瀬さんが新人の時からこのストレッチャーで漕いだ方が良いとのことで、買っていただきました。
みなさんスラップスケートをご存じでしょうか？



オリンピックを見ると、スピードスケートの選手はみんな履いてますね。
このスラップスケートが世の中に出始めた時、これを使うか使わないかでスケート選手は悩んだらしいです。
しかし、スケートを始めた時からこのシューズを履いていた中学生が好記録を連続で叩き出してから、スケート界全体に広まったらしいです。
なんか似てますね、踵が外れるあたりも…。
今後ＳＲＤが淘汰される可能性もありますが、広瀬さんは俺の金が無駄になるだけだと言ってくれています。ごっつあんですね。

一年生にこれは広瀬さんに買ってもらったんだよと、言うとそのことを知りませんでした。
新人期間中に僕が言うのを忘れてしまったせいです。
申し訳ありません。
みんな大事に使ってください。

丁度いい機会なので、新人期間中に言おうと思って言えなかったことをここに書きます。
僕が原田先生の本を読んでいて一番感動した話です。

本気の教育でなければ子どもは変わらない (シリーズ教育を考える) 原田 隆史 旺文社 このアイテムの詳細を見る

この本より抜粋しようと思ったのですが、この本は現在、野村に貸しているため僕の覚えている言葉で書きます。内容は同じです。


長い不況が日本を覆っています。厳しい家庭環境に育った子は、高価なスパイクや道具はとても買えません。
そんな子には「これでがんばりや。」と言ってスパイクや道具を買い与えました。
中には新品は絶対受け取らない子もいました。
「情けはいらん。」と言うのです。そんな時はわざと箱から出して、汚してから渡したりもしました。

そんな中忘れられない子がいました。非常に優秀な走り高跳びの選手でした。
彼が出場した全国大会は台風により降り続いた雨でグラウンドのコンディションは最悪で、集中力を維持することさえ難しいような状況でした。
そんな中、いつもなら決められた３本を一番前に出てきて跳ぶ彼がパスを繰り返しているのです。「おかしいな、なんか考えているようやけど。」。
彼の番になり、助走をつけて跳ぼうとした瞬間、転倒しました。
近くに駆け寄っていくと、悔しさと痛みに耐えていました。骨折でした。全国大会で選手をリタイヤさせたのは、初めてでした。救急車に乗りこみお母さんに話を聞いて、原因がわかりました。
原因はスパイクでした。
彼の履いていたスパイクはボロボロでもう壊れかかっていました。お母さんがそのことについて聞くと、救急車の中で彼は語気を強めてこう言ったそうです。「これは原田先生に買ってもらったスパイクや。俺はこれがあったから、ここまでがんばって来れたんや。今度の試合もこれで跳びたいねん、いや跳ばなあかんねん。」

会場に戻って彼のスパイクを見るとソールがとれていました。使い古されてボロボロにはなっていましたが、非常に手入れが行き届いていました。
涙がでました。会場の審判員の方にも同じことを言われました。「よく手入れしてある、大切にしてたんでしょうね。」

彼が３本跳ばなかったのは、もうスパイクがもたないと判断したのでしょう。一発で決めてやると思っていたようです。しかし予想以上のグラウンドのコンディションの悪さに転倒してしまった、いつもここ一番に強い子でした。
彼は私がスパイクをあげたその日から、箱を壁に貼り付け「原田先生から買ってもらったスパイクや、宝物や。」と言って、大事にしていてくれたそうです。


僕は新トレをやっている時、こんな選手を育てたいと思いながらやっていました。ＳＲＤ、大切にしてください。３年後のインカレにその靴を履いて出られる様に。
他の艇やオールも大切にしてください。
特に艇庫は毎日使っているから、汚く使いがちですが自分の家でも何でもないんですよ。
毎日の掃除も手抜きせず、ごみが落ちてたら拾いましょう。
もっときれいに大切に使ってください。
新しくスカル用の艇庫ができますが、これもＯＢの人たちがものすごい苦労してやっと建ててくれたものです。
大切に使ってください。

みんながこれくらい感謝し道具を大切に使ってくれる選手になることを信じています。
これからも頑張ってください。