アメリカの作家レイモンド・チャンドラーのハードボイルド短編作品集『トライ・ザ・ガール―チャンドラー短篇全集〈2〉(原題:Try the Girl and Other Stories)』を読みました。
ミステリ小説は、ロス・マクドナルドの『動く標的 【新訳版】』に続き、ハードボイルド小説でアメリカの作家の作品です……レイモンド・チャンドラーの作品は、7年ちょっと前に読んだ『ロング・グッドバイ』以来なので久し振りですね。
-----story-------------
すべて当代一流の翻訳者による新訳で、チャンドラーの全中短篇を発表年代順に収録する画期的全集の第2巻。
本書には1936年から37年にかけて発表された7篇を収録する。
『さらば愛しき女よ』の原型となった表題作と「犬が好きだった男」、『大いなる眠り』に組み入れられた「カーテン」を長篇版と比較するのも一興だろう。
また、のちに主人公がフィリップ・マーロウに変更された「金魚」も見逃せない。
巻末エッセイ/馬場康夫
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レイモンド・チャンドラーの中篇、短篇のうち、1936年(昭和11年)から1937年(昭和12年)に発表された7篇を収録した作品、、、
『犬が好きだった男』は、以前読了した『チャンドラー短編全集3 待っている』に収録されていたので再読でした。
■シラノの拳銃(原題:Gun at Cyrano's )1936 小林宏明
■犬が好きだった男(原題:The Man Who Liked Dogs)1936 田村義進
■ヌーン街で拾ったもの(原題:Pick-up on Noon Street )1936 三川基好
■金魚(原題:Goidfish)1936 木村二郎
■カーテン(原題:The Curtain)1936 加賀山卓朗
■トライ・ザ・ガール(原題:Try the Girl )1937 真崎義博
■翡翠(原題:Mandarin's Jade )1937 佐藤耕士
■作品解題 木村二郎
■エッセイ「1970年代のマーロウ役者」 馬場康夫
ハードボイルド小説の魅力に引き込まれましたねー アメリカ社会の風俗や心理が織り込まれているところや簡潔でリズミカルな文章も魅力的……作品の中で描かれているロサンゼルスの街は、ネオンの光と影に満ちており、犯罪や腐敗の温床となっていますが、その中にも人間の温かさや正義感を感じることができるところも印象的ですね、、、
そんな中で特に印象に残ったのは、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする長編シリーズの第2作『さらば愛しき女よ』の骨子となった作品で、私立探偵カーマディが愛犬フォスとともに行方不明となった女性イザベル・スネアの捜索を同居する大伯母から依頼される物語『犬が好きだった男』かな……カーマディが麻薬を注射されて病院に監禁されたり、その病院と賭博船モンテシート号での二度に渡る派手で激しい銃撃戦等、ハードな内容が目立つ作品で、銀行荒らしのジェリー・セイントとその妹ダイアナ、元警官で船乗りレッドといった特徴的なキャラクターが印象的でしたね。
次に印象の残ったのは、20年前に盗まれたまま行方不明になっている時価20万ドルの大粒の真珠を巡る物語『金魚』かな……マーロウは、断片的な手がかりから、真珠を隠し持っているサイプが潜んでいる北部の町へ向かい、悪徳弁護士マダーとその情婦キャロルとの争いを経てサイプが隠していた真珠を手にすることになりますが、クライマックスでのミセズ・サイプとの駆け引きが絶妙で印象的でした。
ハードボイルド小説の世界にどっぷり浸かって、酔わせてもらっている感じ……ハードボイルド小説の世界に惹き込まれていますねー 次もレイモンド・チャンドラー関連の作品を読もうと思います。
ミステリ小説は、ロス・マクドナルドの『動く標的 【新訳版】』に続き、ハードボイルド小説でアメリカの作家の作品です……レイモンド・チャンドラーの作品は、7年ちょっと前に読んだ『ロング・グッドバイ』以来なので久し振りですね。
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すべて当代一流の翻訳者による新訳で、チャンドラーの全中短篇を発表年代順に収録する画期的全集の第2巻。
本書には1936年から37年にかけて発表された7篇を収録する。
『さらば愛しき女よ』の原型となった表題作と「犬が好きだった男」、『大いなる眠り』に組み入れられた「カーテン」を長篇版と比較するのも一興だろう。
また、のちに主人公がフィリップ・マーロウに変更された「金魚」も見逃せない。
巻末エッセイ/馬場康夫
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レイモンド・チャンドラーの中篇、短篇のうち、1936年(昭和11年)から1937年(昭和12年)に発表された7篇を収録した作品、、、
『犬が好きだった男』は、以前読了した『チャンドラー短編全集3 待っている』に収録されていたので再読でした。
■シラノの拳銃(原題:Gun at Cyrano's )1936 小林宏明
■犬が好きだった男(原題:The Man Who Liked Dogs)1936 田村義進
■ヌーン街で拾ったもの(原題:Pick-up on Noon Street )1936 三川基好
■金魚(原題:Goidfish)1936 木村二郎
■カーテン(原題:The Curtain)1936 加賀山卓朗
■トライ・ザ・ガール(原題:Try the Girl )1937 真崎義博
■翡翠(原題:Mandarin's Jade )1937 佐藤耕士
■作品解題 木村二郎
■エッセイ「1970年代のマーロウ役者」 馬場康夫
ハードボイルド小説の魅力に引き込まれましたねー アメリカ社会の風俗や心理が織り込まれているところや簡潔でリズミカルな文章も魅力的……作品の中で描かれているロサンゼルスの街は、ネオンの光と影に満ちており、犯罪や腐敗の温床となっていますが、その中にも人間の温かさや正義感を感じることができるところも印象的ですね、、、
そんな中で特に印象に残ったのは、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする長編シリーズの第2作『さらば愛しき女よ』の骨子となった作品で、私立探偵カーマディが愛犬フォスとともに行方不明となった女性イザベル・スネアの捜索を同居する大伯母から依頼される物語『犬が好きだった男』かな……カーマディが麻薬を注射されて病院に監禁されたり、その病院と賭博船モンテシート号での二度に渡る派手で激しい銃撃戦等、ハードな内容が目立つ作品で、銀行荒らしのジェリー・セイントとその妹ダイアナ、元警官で船乗りレッドといった特徴的なキャラクターが印象的でしたね。
次に印象の残ったのは、20年前に盗まれたまま行方不明になっている時価20万ドルの大粒の真珠を巡る物語『金魚』かな……マーロウは、断片的な手がかりから、真珠を隠し持っているサイプが潜んでいる北部の町へ向かい、悪徳弁護士マダーとその情婦キャロルとの争いを経てサイプが隠していた真珠を手にすることになりますが、クライマックスでのミセズ・サイプとの駆け引きが絶妙で印象的でした。
ハードボイルド小説の世界にどっぷり浸かって、酔わせてもらっている感じ……ハードボイルド小説の世界に惹き込まれていますねー 次もレイモンド・チャンドラー関連の作品を読もうと思います。
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