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『気どった死体』 サイモン・ブレット(著),嵯峨静江(翻訳)

2024年12月07日 19時48分28秒 | ■読書
イギリスの作家サイモン・ブレットの長篇ミステリ作品『気どった死体(原題:A Nice Class of Corpse)』を読みました。
サイモン・ブレットの作品は、2か月前に読んだ『ダイエット中の死体』以来ですね。

-----story-------------
あれはやっぱり事故じゃない。
殺人だったんだわ!
ホテルの階段から落ちて死んだ老女の宝石が盗まれたのを知ったとき、パージェター夫人の疑念は確信に変った…〈デヴェルー〉は上流階級の人々が老後を送る、長期滞在客専用の高級ホテル。
泊り客は貴族、退役軍人、元女優―誰もが申し分のない地位と富を持っている。
亡き夫の遺産で優雅な生活を楽しむパージェター夫人は、その新しい住人だった。老女の転落死が起ったのは、夫人がホテルに到着した日の夜のことだ。
老女は以前から目が悪く、事故であるのは明白に見えた。
だが、あれは宝石目当ての殺人だったのではないか?
だとしたらこのホテルに殺人者がいることになる…夫人は夫に伝授された特殊な“技術”を使って独自の調査を始めたが、まもなく第2の殺人が―陽気でリッチでちょっと謎めく、未亡人の素人探偵パージェター夫人登場。
鬼才ブレットの新シリーズ第1弾!
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1986年(昭和61年)に刊行された作品……メリタ・パージェター夫人シリーズの第1作です、、、

小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました。

イギリス南部の海岸沿いの保養地、選ばれた裕福で上品な高齢者限定の長期滞在客専用のザ・デヴェルー・ホテルで起きた不審死と宝石盗難事件に遭遇したホテルの新しい住人メリタ・パージェター未亡人は、亡き夫から伝授された”特殊技術”を使って探偵活動に乗り出すことに……パージェター夫人が登場する第1作で、俳優パリス・シリーズ同様に、シニカルな英国式ユーモアがちりばめられた作品でした、、、

殺人者の独白が所々で挿入されたり、終盤に真犯人と思しき人物が次々と変化するとてもスリリングな展開に翻弄されました……日記や宝石などの小道具をミスリードに使う手法が巧妙で愉しめましたね。

軽妙でテンポの良いストーリー進行や皮肉とユーモアに溢れた展開、そこに適度にミステリ要素が加わり、良いバランスになっている印象です……物語の雰囲気含め、個人的には好みのシリーズですね。

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