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『スローカーブを、もう一球』 山際淳司

2019年09月05日 21時59分00秒 | ■読書
「山際淳司」の、スポーツノンフィクション作品集『スローカーブを、もう一球』を読みました。


「山際淳司」作品は、昨年12月に読んだみんな山が大好きだった以来ですね… スポーツ関係の作品が続いています。

-----story-------------
たったの一球が、一瞬が、人生を変えてしまうことはあるのだろうか。
一度だけ打ったホームラン、九回裏の封じ込め。
「ゲーム」―なんと面白い言葉だろう。
人生がゲームのようなものなのか、ゲームが人生の縮図なのか。
駆け引きと疲労の中、ドラマは突然始まり、時間は濃密に急回転する。勝つ者がいれば、負ける者がいる。
競技だけに邁進し、限界を超えようとするアスリートたちを活写した、不朽のスポーツ・ノンフィクション。
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野球(高校野球とプロ野球)、ボート、ボクシング、スカッシュ、棒高跳び… 多彩なスポーツノンフィクション作品6篇が収録されています

 ■八月のカクテル光線(原題:465球目の奇跡)
 ■江夏の21球
 ■たった一人のオリンピック
 ■背番号94
 ■ザ・シティ・ボクサー
 ■ジムナジウムのスーパーマン(原題:壁に向かって打て)
 ■スローカーブを、もう一球
 ■ポール・ヴォルター


スカッシュや棒高跳び等、普段、馴染みの薄い競技も含まれており興味深かったのですが、、、

たったひとつの落球… ホームランを打ったことのない選手が、延長戦までもつれた試合で放った一球… 1979年(昭和54年)夏の甲子園の3回戦、延長18回で決着した「箕島」「星陵」戦で両軍に訪れた勝機とピンチ… 人生を変えてしまった一球、一瞬を描いた『八月のカクテル光線』

日本シリーズ最終戦、日本一が決まる試合の9回裏… 「近鉄バファローズ」最後の攻撃で「広島カープ」の抑えの切り札「江夏豊」が投じた21球を描いた『江夏の21球』

「長嶋監督」が直々に高校を訪問して「読売ジャイアンツ」にスカウトした一人の少年… 投手としては大成することなく、バッテイングピッチャーとして過ごすことになった「黒田真治」の生き方を描いた『背番号94』

野球経験の乏しい監督のもと、熱心さに欠けるエースがスローカーブを武器に快進撃を続け、ついには春の甲子園の切符まで手にしてしまう… クレバーな「高崎高校(タカタカ)」のエース投手「川端俊介」の活躍を描く『スローカーブを、もう一球』

個人的に好きな競技だということもあり、野球を熱かった、この4篇が印象に残りましたね。

「広島カープ」ということもあり、『江夏の21球』は以前から大好きな作品なのですが、、、

面白かったのは表題作でもある『スローカーブを、もう一球』ですね… 予想外の連勝に、ミスまで作戦と思い込み、相手チームが慌てる様子がコミカルに描かれ、良い味を出していましたね。

何度でも読み返せる(実際に私も今回は20年振りくらいの再読です)、スポーツノンフィクションの名著… スポーツファンなら必見の書ですね。



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