いよいよ3歳牡馬クラシックの最後の一戦が近づいてきました。近年は3歳でも天皇賞・秋に向かう馬がいるので、必ずしも菊花賞が3歳世代の最強馬を決めるレースではなくなっていますが、ここを勝って、JCや有馬記念、さらには翌年の天皇賞・春に進み、世代の代表格になっていく馬が現れるかどうか、過去10年の3着以内馬の傾向を見ながら考えてみたいと思います。
1)前走(ステップ) ※( )内は今回該当する馬で、〇数字は単勝人気順
〇神戸新聞杯 13頭(メイショウタバル②1着 ショウナンラプンタ④3着
メリオーレム①5着 ビザンチンドリーム⑨6着
ミスタージーティー⑧10着 ウエストナウ⑤11着)
〇セントライト記念 8頭(アーバンシック②1着 コスモキュランダ①2着
エコロヴァルツ③3着)
〇阿賀野川特別 2頭(ピースワンデュック②1着)
王道は東西のトライアル戦から臨むことです。本番が京都なだけに、東のセントライトよりも西の神戸新聞杯組の方が優勢です。穴は条件戦(特に2勝クラス)を勝ち上がってきた馬で、今回は3勝クラスを勝ってきたシュバルツクーゲルやヘデントールのほか、アスクカムオンモア、アドマイヤテラ、ピースワンデュックなどがいます。
2)血統
これは先週半ば、待ちきれずにブログに載せましたが、そのとき触れたように、父ディープインパクトの優勢は文句ないのですが、その孫となると、たとえば キズナ産駒は2022年以降の京都芝3000で、0・0・0・4とサンプルが少ないながらも意外にふるいませんし、他のアルアインとグレーターロンドンの産駒の出走歴はなしなので、信頼のおけるデータがありません。ここは発想を換えて、父キングカメハメハ系で母父サンデーサイレンス系という、かつてのキセキやユーキャンスマイルの血統パターンでピックアップしてみようと思います。該当するのは、父母逆パターンも加えて計3頭となります。
※サンデー系= 、ノーザンダンサー系= 、ミスプロ系= 、
ナスルーラ系= 、ロベルト系=
・アドマイヤテラ :父レイデオロ(キングカメハメハ)/母父ハーツクライ(サンデーサイレンス)
・ヘデントール :父ルーラーシップ(キングカメハメハ)/母父ステイゴールド(サンデーサイレンス)
・エコロヴァルツ :父ブラックタイド(サンデーサイレンス)/母父キングカメハメハ(Kingmambo)3)JRAホームページのデータ分析
JRAのホームページのデータ分析で強調されている点は以下のとおりです。
① 前走3着以内:4着以下の複勝率は3.9%
② 軸は前走トライアル組:神戸・セントライト組の複勝率70%
③ キャリア5~8戦の馬が中心
④ 近年の “菊男” はルメール騎手
⑤ 2走続けて上位人気:過去8年の優勝馬は前走③人気以内
条件的に浮上する一番手は、ルメール騎乗予定のアーバンシックで、エコロヴァルツとメイショウタバルがこれに続くといったところです。
4)宮田式バイオリズム◎
・アスクカムオンモア 3・1・1・2
・ウエストナウ 1・1・0・1
・エコロヴァルツ 2・1・1・3 ・ショウナンラプンタ 2・1・1・3
・ダノンデサイル 3・0・0・2 ・ノーブルスカイ 2・0・4・3
・ビザンチンドリーム 2・0・0・3 ・メリオーレム 3・2・2・1
5)結 論
ルメールの騎乗予定もあってアーバンシックが人気を集めそうですが、皐月賞やダービーの走りなどを見ると、人気ほどには走らないというか、格下には強くても上位陣には勝ちきれないところがあって、そこを鞍上で補えるかどうかだと思います。三連で勝負するのであれば、むしろ、ここはひと叩きしたエコロヴァルツの方に魅力を感じます。近走は先行して粘れない競馬が続いていますが、朝日杯FSで後方から一気差しで2着した末脚にこそ、この馬の持ち味があると思います。鞍上の岩田がどちらを選択するかわかりませんが、願わくば2週目の坂の頂上を過ぎてからまくっていって、直線勝負に持ち込めば、先に抜けた馬に届かないまでも2・3着はある気がしています。強敵はもちろんダービー馬のダノンデサイルですが、コスモキュランダ、メイショウタバル、ヘデントールあたりも、それほど差はない感じです。穴は、アドマイヤテラでしょう。若葉Sと京都新聞杯で連続4着したように、あと「一息」の脚が、距離が延びて逆に粘り強さに転化するかもしれません。あとは、念のためピースワンデュックまででしょうか。父グレーターロンドンが、去年のナイトインロンドンを連想させて、嫌な感じは残りますが……。
ということで、三連馬券の主軸という意味合いながら、
◎エコロヴァルツ 〇ヘデントール ▲アドマイヤテラ △ダノンデサイル……
でまとめてみます。もし、アーバンシックが4着ならば、馬券的妙味が出てくるレースだと思います。
ということで、本日もお読みいただきありがとうございました。もう週の折り返しになりますが、週末までがんばっていきましょう。