太陽LOG

「太陽にほえろ!」で育ち、卒業してから数十年…大人になった今、改めて向き合う「太陽」と昭和のドラマ

#415 ドクター刑事登場!

2017年10月09日 | 太陽にほえろ!

殿下が不慮の死を遂げた翌週、新しい刑事が七曲署にやってきました。
その一週間は殿下が死んじゃったという衝撃で、次の刑事がどんな人かは気にしていなかったです。

ただ、オープニングで西條昭という刑事が出てきたときに、
「今までと違う」という予感がしてわくわくしたのを覚えています。

その春に転校したばかりの私は、あたらしい環境でなるべく目立たないように 静かに存在することを心がけていましたが、
同じ夏に新しく七曲署に入ったこの人は、 ずいぶんと図々しく、しかし軽々と明るくみんなの輪に溶け込み、
いつのまにか 輪の中心に収まっていて、「ああ、いいな」と思いました。

それ以来、実際に出会った人以外では、たぶん一番ドックの影響を受けて育ったような気がします。
神田さんのこともドックで初めて知ったので、私の中ではイコールでした。
のちに、「ゆうひが丘の総理大臣」等過去の作品を観て、ずいぶん真面目な役をやってるなーと笑ってましたが、
世間的には真面目なイメージが先だったんですね。

開業医の長男なのに医学部中退、はずみで警察官になり、発砲件数が多いからと本庁捜査一課から七曲署志願。
履歴書の写真は笑ってるし、ピーナッツをもぐもぐしてるし、みんなのあだ名は正確に覚えないし、
かわいい(?)拳銃を持ってるし… 変な奴と思いながらも、いつのまにかすごく気になる存在でした。

ドックの登場を機に、“家族で観ているドラマ”から“私が観たいドラマ”になり、
数十年の時を経て、ふたたび太陽熱がぶり返したのも「ドクター刑事登場」がきっかけとなりました。

DVDのコメンタリーで、神田さんが「笑ってればいいこと起こるしね」と言っていて、
やっぱりドックだなあとうれしかったです。
同じくコメンタリーでロッキー木之元さんが言っていたように、このころから一係に弾むようなリズムが出てきたと思います。

その後、新入りの刑事としては異例の長生きをするドックですが、同年代のロッキー、スニーカーとの友情を育み、
一係激動の数年を経て、いつのまにか兄貴分に押し上げられ、それはそれで新しい魅力がありましたが、
振り返って登場編からラガー登場までのエピソードを観ると、マイペースで、無理はしないけどけっこう無茶はして、
いい加減だけれど案外情に厚かったりするドックの個性は、この時期に最も発揮されていたと思います。

太陽にほえろ!と再会

2017年10月09日 | 太陽にほえろ!
物心ついた時には、「太陽にほえろ!」を毎週金曜日に家族でそろって観ていました。
マカロニやジーパンのころは、幼なくて正直記憶もほとんどなく、再放送で見たものをうっすらと覚えているというかんじです。
テキサス・ボンは「好きだった」という記憶はあるものの、たぶんそれも後付けの記憶のような気がします。
殿下が何度も命の危機にさらされ、ついに事故死という衝撃の最期を茫然と見送った翌週、
ドックが登場したのを境に、私の中で新しい「太陽」が始まり、ここからの記憶は驚くほど鮮明です。
金曜日が私の生活の起点でした。

やがて番組も終わりの時を迎え、私自身も高校卒業と同時に「太陽」を卒業しました。
あれほど生活の中心だった番組ですが、終わったと同時期に自分も実生活に変化が多く、
いつしか「太陽」も、なつかしい子供のころの思い出になっていました。

そんな2017年・今年の夏、ボス・石原裕次郎さんが亡くなって30周年の節目に、
「太陽にほえろ!」新人刑事登場編特集なるものが某チャンネルで放送されました。
タイミングよく観ることができたのは、マカロニ、ボン、ドック登場編だけだったのですが、
これを機に、すっかり思い出になっていたはずの太陽が、またまた熱く照りだしました。

子どものころを懐かしむのなんて、もっと年をとってからだと思っていたのに、
案外あっさりとその時は来てしまいました。

でも、ここで再会したのも何かの縁。
もう一度「太陽にほえろ!」を観直し、その魅力を再発見したいと思います。