太陽LOG

「太陽にほえろ!」で育ち、卒業してから数十年…大人になった今、改めて向き合う「太陽」と昭和のドラマ

#422 令子、俺を思い出せ!

2017年10月22日 | 太陽にほえろ!
新婚ほやほやのロッキー(木之元亮)・令子(長谷直美)夫妻に訪れたピンチ。
ヘロイン中毒患者による銃の乱射事件や、患者のショック死などが相次ぐなか、
売人の高岡を警ら中に偶然見つけて追跡した令子が、高岡の反撃で車にはねられ記憶喪失に。


令子を囮にして高岡をおびきだそうとして危険な目に遭わせてしまい、
恐怖感からますます心を閉ざしてしまう令子に対し、必死に記憶を取り戻そうとするロッキー。



でも、自分のことも思い出せない状態で、ひげ面の大きな男が夫だと名乗り、
挙句に自分を囮に事件を解決しようとするって、令子にしてみたら恐怖以外のなにものでもないでしょう。

案の定、「出てって!!」と病室を追い出されてしまう。
廊下で待機していたドックとスニーカーも心配顔。

落ち込むロッキーを呼び止め、
「記憶なんて戻らなくてもいいじゃないか。もう一度二人で惚れ直せ!」と励ますドック。
いつもふざけてばかりのドックの、意外にシンプルで力強い言葉に、ロッキーだけでなく私も
(うん、そうだね)と妙に納得しました。

一方、スニーカーは、岩城夫妻が撮った結婚写真をわざわざ写真館に引き取りに行き、
交通課と一係の親善旅行(!)のアルバムといっしょに令子に見せます。

なんでそんなに一所懸命なのと問われ、
「先輩が好きだから、先輩が選んだ君も好きだから。一係の仲間もみんなそうだ」と
これまた直球。このひたむきさが令子に届き、彼女は記憶を取り戻すために事件現場に
連れて行ってほしいとロッキーに申し出ます。

「あなたが守ってくれるわ」
令子の言葉どおり、ロッキーと一係のメンバーがガードしてあの日の行動をなぞり、
事件現場で高岡の仲間に襲われながらも結局そこでは何も思い出せず。
しかし、事件後初めて帰ったアパートの食卓で、令子の記憶はよみがえるのでした。



スコッチが当たり前にいるのがうれしいし、ゴリさんの“こういう人職場にいそう感”がさすがだし、
なにより長さんがかわいい。

#421 ドックとスニーカー

2017年10月22日 | 太陽にほえろ!


非番の日、街を歩いていてふとしたことから医者と間違えられ、若い女にアパートに誘われるドック(神田正輝)とスニーカー(山下真司)。
逆ナンパにニヤニヤしている二人だが、そこには腹を怪我した男と、拳銃を持った男が待っていた。
管内で銀行を襲った際に拳銃が暴発して怪我をしたが、病院には行けず治療してくれる医者を探していたのだ。


8人体制の一係で、若手二人を同じ日に休ませてくれるというのはなかなか太っ腹なボス(石原裕次郎)ではないでしょうか。

非番でも呼び出しに備えてポケベルを持ち歩くスニーカーと、そんなもん持ってんのかと驚くドック。
ガールハント(死語)しようというドックを、刑事なのにと責めつつ、自分も眼医者だと偽って女の誘いに着いていくスニーカー。
わちゃわちゃとしたやりとりが、ふつうの20代男子です。

真面目なスニーカーは、ドックみたいなタイプに反発するかと思いきや、一係の中ではもっとも早くからドックのキャラクターを
受け入れていた気がします。まあ、タイプが違うからこそ仲良しというのはよくあることです。

ドックは実家の西條外科医院に忍び込んで薬や治療器具を失敬し、ついでに手がかりを残していくのですが、
ここで重箱の隅をつつくような疑問を…。

1. ドックのお父さんは勝さんのはずだが、病院の看板には「西條恒男」と。おじいちゃんか?
2. 西條外科医院はこのあとも、「父親」「ドック刑事のシアワセな日」等に出てくるが、
  毎回外観および診察室が違う。ドック本人はともかく、開業医の実家がそうそう引っ越さないと思うんだけど。


怪我人の治療と保護を最優先し、冷静に時機を待つドックと、そんな彼の態度に不信感を抱きつつも、
機転を利かせてボスに居場所の手がかりを伝え、犯人逮捕のタイミングをうかがうスニーカー。
ピンチを乗り越え、みごと犯人を逮捕した二人は、このあとさらに名コンビになっていきます。


おなじみの一係、ボスの机を囲んでの一コマ。

「ちょいと見直したね。手術をやりなおした執刀医が、『たいへん見事な処置だった』と感心しておりました」と、
嬉しそうにボスに報告するゴリさん(竜雷太)。ドックの調子の良さに辟易していたはずなのに、良いところはちゃんと認めて褒めてくれる。

「さすが、医学部」というロッキーに、「でも中退」とスニーカー。すかさずファイティングポーズをとるドック。
「実はですね、腹の傷だけにハラハラでした」というジョークで乾いた笑いを引き起こし、
「車に戻ってから二人で逮捕した方が確実だった」と疑問を投げかけるスニーカーに、「それじゃ俺が撃たれていたかもしれない」とドック。
二人の追いかけっこを、心底(うるっせーなー)という顔で見ているボス。

みんなの息の合った掛け合い、間合いが心地よく、自分もその場にいていっしょに笑っているような感じがします。