海珠堂のジュエリー製造工程を紹介させて頂きます。
今回は写真の銀の猫の指輪の鋳造です。
大部分の銀製品はこの鋳造という方法で作られています。
ジュエリーの鋳造は一般的にキャストと呼ばれています。
鋳造しないジュエリーの製造方法は、別に紹介させて頂きます。
鋳造しないジュエリーの作り方
こっちはプラチナの指輪です。
写真はそのコピーの元になるオリジナルで、原型といいます。
立体的なデザインの貴金属製品は裏側が空洞になっている場合がほとんどです。
これは軽くするため・・・でもあるのですが、実はうまく鋳造のためっていうのが一番の理由です。
溶けた金属が固まるときに収縮します。
あまりに厚みのあるものを鋳造すると、縮んで形が歪みます。
場合によっては、穴や空洞ができて製品に仕上げられないことになります。これを防ぐため、裏側を抜いて一定の薄さにしておきます。
まず原型をシリコンゴムで型取りします。
普通はここでホットプレス機という機械を使います。
・・・ホットプレスを持って無いので、海珠堂では手軽に型取りできる液状のシリコンゴムを使っています。
指輪を立ててその周りに枠をつけ、その中に液状のシリコンゴムを流し込みます。
12時間で硬化します。
シリコンゴムが固まったら2つに切り開き中の指輪を取り出します。
これでシリコンゴムの中に原型の指輪と全く同じ形の空洞ができます。
このシリコンゴムはゴム型と呼ばれています。
写真の青い機械はワックスポットです。
ポットの中でワックスを温めて溶かし、射出口から溶けたワックスが飛び出すようになっています。
ゴム型の中にワックスを流し込むと、原型の指輪が入っていた空洞部分に溶けたワックスが入って行き、原型と同じ形になり固まります。
写真右下が室温で固まったワックスです。
ワックスの猫の指輪2本をY字に立てます。
指輪を立てている棒はこのあと熔けた金属の流れる道になります。
サイズ調整もここでやっておきます。
ステンレスの枠をかぶせて、その中に水と石膏を混ぜたものを流し込みます。
このあとすぐに真空脱泡機で石膏の中の気泡を抜きます。
石膏が固まったらステンレスの枠ごと電気炉にいれて焼成します。
このステンレスの枠と固まった石膏を鋳型と呼びます。
電気炉で焼かれることによって石膏の中にあったワックスが溶け出して無くなります。
ワックスが無くなるので、固まった石膏の中には猫の指輪2本と全く同じ形をした空洞が出来ます。
ワックスが消えて無くなる・・・ってことでロストワックス鋳造法と呼ばれています。
鋳型が十分に焼けたらやっと鋳造に入ります。
写真は鋳造機です。
海珠堂で使っているのは非常にシンプルな遠心鋳造機です。
るつぼに銀を置きその後ろに焼けた鋳型を置いたら準備OKです。
ちなみに海珠堂の鋳造機は台湾製。
中国語の名前を直訳すると“バネ式遠心鋳造機”・・・・・。
非常に味気ない名前なので海珠堂で新しい名前をつけました。
鋳造機「キャス太郎!」
鋳型をセットしてバーナーでるつぼの中の銀を溶かしています。
銀が溶けたら鋳造機を回転させます。
その回転の遠心力で、るつぼの後ろの穴から鋳型のほうへ熔けた銀を押し込みます。
写真はちょうどキャス太郎が回転しているところです。
ストッパーをはずすとものすごい勢いでブンブン回ります。
この回転の遠心力で鋳型の空洞の隅々まで熔けた金属を流し込みます。
・・・まぁ、ただバネで回るだけの単純な機械なんですが・・・。
ちなみに立派な工房や鋳造を専門に請け負う業者さんでは、高周波で金属を熔かす,デジタルで温度制御,真空中で鋳造・・・という高性能な鋳造機を使います。
鋳型を鋳造機からはずして熱いうちに水に入れます。
急冷され石膏がゴボゴボと音をたてながら崩れていき、中から鋳造された指輪が見えてきます。
目的が違うので全く同じではありませんが、金,銀製のジュエリーの鋳造は歯科技工士さんの銀歯の制作と基本的に同じです。
鋳造後(写真左)銀の表面が黒い被膜に覆われているので黒猫です。
水色のワックスの指輪2本をY字に立てたものと全く同じ形です。
これを薬品で処理すると白猫になります。
さらにワイヤーブラシで磨いて表面の被膜を落とすと、やっと銀猫です。
ここで鋳造は完了。この先は仕上げの作業になります。
普段はまとめて鋳造します。
写真下の猫達は仕上げの工程も終え製品として完成したものです。
仕上げの工程は別の機会に紹介させて頂きたいと思います。
最後まで見て頂きありがとうございます!
指輪は↓こちらで販売してます。
Creema 海珠堂ショップページ
今回は写真の銀の猫の指輪の鋳造です。
大部分の銀製品はこの鋳造という方法で作られています。
ジュエリーの鋳造は一般的にキャストと呼ばれています。
鋳造しないジュエリーの製造方法は、別に紹介させて頂きます。
鋳造しないジュエリーの作り方
こっちはプラチナの指輪です。
写真はそのコピーの元になるオリジナルで、原型といいます。
立体的なデザインの貴金属製品は裏側が空洞になっている場合がほとんどです。
これは軽くするため・・・でもあるのですが、実はうまく鋳造のためっていうのが一番の理由です。
溶けた金属が固まるときに収縮します。
あまりに厚みのあるものを鋳造すると、縮んで形が歪みます。
場合によっては、穴や空洞ができて製品に仕上げられないことになります。これを防ぐため、裏側を抜いて一定の薄さにしておきます。
まず原型をシリコンゴムで型取りします。
普通はここでホットプレス機という機械を使います。
・・・ホットプレスを持って無いので、海珠堂では手軽に型取りできる液状のシリコンゴムを使っています。
指輪を立ててその周りに枠をつけ、その中に液状のシリコンゴムを流し込みます。
12時間で硬化します。
シリコンゴムが固まったら2つに切り開き中の指輪を取り出します。
これでシリコンゴムの中に原型の指輪と全く同じ形の空洞ができます。
このシリコンゴムはゴム型と呼ばれています。
写真の青い機械はワックスポットです。
ポットの中でワックスを温めて溶かし、射出口から溶けたワックスが飛び出すようになっています。
ゴム型の中にワックスを流し込むと、原型の指輪が入っていた空洞部分に溶けたワックスが入って行き、原型と同じ形になり固まります。
写真右下が室温で固まったワックスです。
ワックスの猫の指輪2本をY字に立てます。
指輪を立てている棒はこのあと熔けた金属の流れる道になります。
サイズ調整もここでやっておきます。
ステンレスの枠をかぶせて、その中に水と石膏を混ぜたものを流し込みます。
このあとすぐに真空脱泡機で石膏の中の気泡を抜きます。
石膏が固まったらステンレスの枠ごと電気炉にいれて焼成します。
このステンレスの枠と固まった石膏を鋳型と呼びます。
電気炉で焼かれることによって石膏の中にあったワックスが溶け出して無くなります。
ワックスが無くなるので、固まった石膏の中には猫の指輪2本と全く同じ形をした空洞が出来ます。
ワックスが消えて無くなる・・・ってことでロストワックス鋳造法と呼ばれています。
鋳型が十分に焼けたらやっと鋳造に入ります。
写真は鋳造機です。
海珠堂で使っているのは非常にシンプルな遠心鋳造機です。
るつぼに銀を置きその後ろに焼けた鋳型を置いたら準備OKです。
ちなみに海珠堂の鋳造機は台湾製。
中国語の名前を直訳すると“バネ式遠心鋳造機”・・・・・。
非常に味気ない名前なので海珠堂で新しい名前をつけました。
鋳造機「キャス太郎!」
鋳型をセットしてバーナーでるつぼの中の銀を溶かしています。
銀が溶けたら鋳造機を回転させます。
その回転の遠心力で、るつぼの後ろの穴から鋳型のほうへ熔けた銀を押し込みます。
写真はちょうどキャス太郎が回転しているところです。
ストッパーをはずすとものすごい勢いでブンブン回ります。
この回転の遠心力で鋳型の空洞の隅々まで熔けた金属を流し込みます。
・・・まぁ、ただバネで回るだけの単純な機械なんですが・・・。
ちなみに立派な工房や鋳造を専門に請け負う業者さんでは、高周波で金属を熔かす,デジタルで温度制御,真空中で鋳造・・・という高性能な鋳造機を使います。
鋳型を鋳造機からはずして熱いうちに水に入れます。
急冷され石膏がゴボゴボと音をたてながら崩れていき、中から鋳造された指輪が見えてきます。
目的が違うので全く同じではありませんが、金,銀製のジュエリーの鋳造は歯科技工士さんの銀歯の制作と基本的に同じです。
鋳造後(写真左)銀の表面が黒い被膜に覆われているので黒猫です。
水色のワックスの指輪2本をY字に立てたものと全く同じ形です。
これを薬品で処理すると白猫になります。
さらにワイヤーブラシで磨いて表面の被膜を落とすと、やっと銀猫です。
ここで鋳造は完了。この先は仕上げの作業になります。
普段はまとめて鋳造します。
写真下の猫達は仕上げの工程も終え製品として完成したものです。
仕上げの工程は別の機会に紹介させて頂きたいと思います。
最後まで見て頂きありがとうございます!
指輪は↓こちらで販売してます。
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