隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

「オレはどっちも食いたいっ!」~「産業ロックで漫遊記」

2018年05月29日 17時20分23秒 | スピッツ

2018.05.27 21:00~
『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
 TOKYO FM


 http://www.tfm.co.jp/manyuki/


 2018年初夏になって、なぜか「アナ雪ブーム」だというDJの草野くんです。相変わらずヘンな人だ。
 動画サイトにアップされている25か国語で2小節ずつ流れる例の歌。英語とかフランス語とかドイツ語とか中国語とか?
 サビ前のおいしいところで松たか子さんの歌声が流れると、「松たか子、すげ~!!」(「あえて呼び捨てで」とか断るところが・・・らしい)となって気持ちが高ぶり、その夜はなかなか寝つかなかった・・・とか。その動画サイト知らないんで、よくわからん。

 今夜のテーマは「産業ロックで漫遊記」。
 80年代に売れ線を狙ったバンドの一群を表した「否定的な」括り方。
 草野くん曰く、「当時は『好きだ』と言いにくかった」とか。だけど年月を経てそれなりに経験や実績も積んで、あえて「光をあてちゃおう」とか? 
 このあたりの曲にはリクエストも多いそうで、「今ではエバーグリーンとも言えるのでは?」と。


 オンエア曲
 01 正しい街(the ウラシマ’S)
 02 Any Way You Want It(Journey)
 03 Heat Of The Moment(Asia)
 04 Working For The Wwwkend(それ行け!ウイークエンド)(Loverboy)
 05 In Your Letter(涙のレター)(Reo Speedwagon)
 06 People of The South Wind(Kansas)
 07 99(TOTO)
 08 Y・M・J・S(Sepa)


 漫遊前の1曲は、なんと椎名林檎トリビュートからの「正しい街」(the ウラシマ’S)。リクエスト、多かったんだろうなあ。
 ドラムJEN(Mr.Children)、ギター喜多建介(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、ベース是永亮祐(雨のパレード)、そしてアコギとボーカルが草野マサムネ(スピッツ)。これだけでなんとも心躍る。
 いつもとは異なるメンバーとのレコーディングは「せ~の」の一発どりで行い、最初、個性がぶつかり合ってそれがいい方向じゃないほうに行きかけたけれど、2テイクめですでに独特のグルーブの中、「ああ、バンドになった!」という感覚を得られた、という。
 明らかにスピッツじゃないサウンドの上に乗っかるボーカル草野マサムネの声とその揺れ方は、いつもの何倍も不安定でどこかに振れきっていて、なんとも魅力的だ。地声とファルセットの瞬間切り換え?がセクシー。

 1曲目は、草野 said「産業ロックの代表曲」、1980年の大ヒット曲、Journeyの「Any Way You Want It」。邦題は「お気に召すまま」。スゴイ! 懐かしい。ノリの良さと洗練されたきれいすぎるサウンド。でもやっぱりいいなあ。
 草野氏の説明、「1973年、サンフランシスコで結成された、超有名バンド。ヒット曲多し! 今も活動中で、現在のボーカルは、フィリピンでのストリートチルドレンからJourneyのボーカリストへ、というサクセスストーリーで有名」。

 ここで「産業ロック」の解説を。
 「1979年に某音楽評論家、もう渋谷陽一さんって言っちゃいますけど、ご自身のラジオ番組で使ったのが・・・」
 売れることを目標に曲をつくって「商業主義に走った」=産業ロック。
 草野「そういう方たちから見たら、『ポップなロックもどき』に思えたのかな」
 元来ロックとは「革新、反体制、前衛的であるべき」だとされていたのに、「ヒットの法則にしたがった日和ったダサい音楽」を産業ロックと定義したのだろう(草野)。
 当時中学生だったロックおたくの草野少年は、例えばJourneyの曲を聴いて「いい曲だな」と思っても、仲間のロック友達にはその感想は言えなかったそうだ。「ダサい」って言われちゃう?って。
 最近になって、「いい曲じゃん」と言えるようになったんだそうです。
 その当時、産業ロックの対極にいたのは、草野氏の見解では、「New Order(イギリス)、Public Image Ltd(イギリス)、Sonic Youth(アメリカ)」あたりではないか、と。Public Image Ltdはセックス・ピストルズをやめたジョン・ライデンがザ・クラッシュのギタリストなんかと始めたバンドだよ。

 次は、Asiaの「Heat Of The Moment」(1982年、1st『Heat Of The Moment』)。
 リアルタイムでは「ダサい」と思って聴いていなかったけれど、「ジジイになってから、いいじゃん!いいじゃん!と認められるようになった」と。
 作曲家草野正宗にとっては「大事な曲でありバンド」。産業ロック!といえば、Asiaが浮かぶそうだ。
 彼自身は放っておくと「らくがき天国」や「どんどどん」のようなロックテイストな曲ばかりつくってしまうけれど、ポップな曲をつくるときに「ポップなモード」にしてくれるという意味で、「大事なバンド」。
 例えば「魔法のことば」などはまさに、Asiaのおかげでできた楽曲だと。そうか、この曲は映画『ハチミツとクローバー』の主題歌として創作したんだものね。ロックモードからの脱却が必要不可欠だったわけね。
 ちなみにAsiaは、ジョン・ウェットン(キング・クリムゾン)、スティーブ・ハウ(イエス)、カール・パーマー(ELP)、ジェフ・ダウンズ(バグルズ)という、(  )内の元バンド名だけでびっくりしちゃうような前衛的な面々が集まって
作ったバンドで、このメンバーで「売れ線曲」を作ったらどうなる!といって大ヒットしちゃった「ある意味痛快な」ストーリーだ、と。

 次はカナダのバンド、Loverboyの「Working For The Weekend(邦題「それ行け!ウイークエンド」)。
 「サウンドは80年代のポップなロックナンバー」。当時の日本の歌謡曲の中に、この曲から拝借したのではないかと思われるフレーズがちょこちょこ見受けられるそうだ。

 ドラマのCMなどで多用される静止画面のMVが当時は「ダサい」と思っていたけれど、最近はそれを見たさにLoverboyのMVを見てしまうこともあるらしい。
 Working for the Weekend by Loverboy

 曲終わりで、「この曲は好きなフレーズ満載」ということで、実演あり。
 
 
 そしてメッセージコーナー。
 90年代の相撲雑誌が100冊以上、実家に置いたままになっているという方(お! 私はもうちょっと前だけど
、同じようなシチュエーションだぞ! びっくり)。
 お母さんにどうにかするように言われて処分しようと思ったけれど、前回の「『ミュージック・ライフ』で漫遊記」を聴いて、「古い雑誌を捨てちゃだめだ!」と思いなおしたそうだ。
 草野「いいのかな。お母さん、怒ってるんじゃない?」
 ほどほどに・・・とか日和ったこと言ってたけど(笑)。
 私の知り合いのマンガ編集者はコレクションの漫画の量が大変なことになって、せっせと福岡の実家に送っていたけれど、さすがに老いた親からのクレームに抗しきれずに、とある漫画資料館に「贈呈」して感謝されたそうですよ。


 「産業ロック」は皮肉も入ってて、失礼なネーミングだから、自分なりに名づけるとしたら、「機能性ロック」と言ってます。旨味がたっぷりで即効性のある曲たち。
 最近の若いオルタナ系のミュージシャンの中には、JourneyやBostonからの影響を語っている人もいるそうだ。
 草野「音楽的に重要なジャンルだったと思います!」ときっぱり。

 次は、REO Speedwagonの「In Your Letter」(邦題「涙のレター」)(1980年、9th『Hi, Infidelity』)。
 このアルバムタイトル、記憶にあるなあと思ったら、ジョン・レノンの遺作『Double Fantasy』にかわってビルボード1位の座についたアルバムだったんだ。
 メロディーは50年代?のアメリカのポップスに近い雰囲気、それに新風のアレンジがされてる感じ・・・と思ったら、曲終わりで「オールディーズな雰囲気」と的確な表現をしてくれました。
 草野「これまで紹介した曲よりさらにソフトな感じで、天気予報のバックに流れたこともある」そうだ。

 そして、Kansasで「People of The South Wind」(1979年、6th『Monolith』)。
 アメリカン・プログレ・ハードと産業ロックとはかぶることも多いそうで、草野氏はKansasやBostonを産業ロックのカテゴリーには入れずに聴いていたらしい。(確かに、KansasとかBostonはメロディーはすごく耳に馴染みやすい印象はあるけれど、売れ線とかってわからないな)
 草野「ということは、オレは産業ロックの大ファンだったわけで」
 Kansasの中でもこの曲は大好き!と。
 この曲は「イカシタしたイントロで漫遊記」で流したかったので、「ここで流せてよかった」と。

 さてさて、最後はTOTOで、「99」(1979年、2nd『HYDRA』)。
 草野「TOTOはかなりのテクニシャンが集まったバンド。ハードロック、プログレ、ジャズ、フュージョンなど、いろいろな要素が注ぎ込まれたサウンド」
 「99」は中でも、おしゃれなサウンド。
 「99」は、人の名前を番号で呼ぶようになる未来のラブソング、と言われているそうだ。
 当時中学生だった草野少年、運動会で1学年上の女子に一目惚れ。妄想真っ盛りだった彼は、名前はわからないのでゼッケンの「16」番から、心の中で「16番ちゃん」と呼んでいた、とか。うんうん、ちょっとわかるね。
 きれいなメロディー、流れる要素、いろいろ想像をかきたてられる楽曲ですね~。


 アメリカのバンド、Styx、Foreigner、Survivorなども産業ロックにふくまれるそうだ。
 そして、今日のまとめ。
 「ラジカルなロックが、オーガニック素材を使った新しいアイデア料理だとしたら、産業ロックは、既成の調味料もバンバン使って塩分糖分脂肪分たっぷりだけど美味しい料理」・・・ふんふん、なるほど。あなたの解説はいつもステキでおもしろい・・・。
 そして、極めつけは、「オレはどっちも食いたいっ!」。


 そして今夜も「ちょっぴりタイムマシーン」!
 紹介されたのは、Sepaの「Y・M・J・S」(2001年)。
 インディーズで知られていたBLUE BOYSのメンバーも参加していたとか?
 「呑み屋で何度か会ったこともあって、アルバムを聴いたけど、全曲勢いがあってキャッチー。もっと注目されてもよかったのでは?」と。
 2007年に解散、となっている。


 来週は、いよいよ「コレクターズで漫遊記」。
 ユーライア・ヒープに続いての特集。月一でこういう企画をもってきたいということです。
 THE COLLECTERS、楽しみ。草野氏のマニアックなコレクターズ愛が聞かれるかも。

 今日の漫遊記にはリクエストがすごく多かったんだろうな。
 世代的に、あの時代に洋楽聴いていたスピッツファン多し、恐るべし!という感じです。


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