1月31日(火)
仕事で、ある人の取材をした。
最近大学を卒業したばかりの彼は、40代、妻あり、子どもあり。
父親の仕事を継いで、鶏肉屋の二代目。大山の地鶏を毎日仕入れ、地元でも有名な「美味しい鶏肉屋」さん。
大学には行きたかったけれど若いときはそれどころじゃなく、今になって…というとすごい「意志の人」という印象をもつかもしれないけど、そういう人ではない。
相変わらず、作業着で鶏と格闘しているし、商店街の活動ではいつも裏方。人柄がいいので重宝されている。家族から見たら、情けないオヤジかもしれない。だけど私のような第三者には輝いて見えるから不思議だ。決してかっこいい人じゃないのに、かなわないな、別世界の人だな、と思ってしまう。
額に汗して…、そういう言葉が取り上げられることが最近多いけれど、そんなことをことさら口にすること自体に、彼は違和感を抱いているだろう。そういう姿をかっこ悪いと思う人に対しても、反対に賞賛する人に対しても。
きっとこういう人の働く姿がごく普通に見える世界がいいんだろう。とくにすばらしいわけでもなく、礼賛されることもなく、「そういうおじさん、うちの近くにもいるよ」みたいな感じで。