隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

えええー!から、やっぱりせつない~「昇れる太陽」 (エレファントカシマシ)

2009年05月20日 23時10分18秒 | VARIOUS SONGS
「昇れる太陽」 (エレファントカシマシ) 2009年4月29日リリース

【収録曲】
1.Sky is blue
2.新しい季節へキミと
3.絆(きづな)
4.ハナウタ~遠い昔からの物語~    
5.あの風のように
6.おかみさん
7.It’s my life
8.ジョニーの彷徨
9.ネヴァーエンディングストーリー
10.to you
11.桜の花、舞い上がる道を



 もうすぐエレファントカシマシのライブだというのに、ようやくニューアルバムを聴いた私。
 で、「えええー!」が第一声。コアなファンではないけど、でも私なりには長い歴史もある。なんとなくはじめての感覚もあるアルバムだった。
 私のまわりには、エレカシのデビューのころからのコアなコアな(コアの三乗くらいかも?)男性ファンが数人いる(宮本さんには迷惑なファンかもしれないけど)。彼らにこのアルバムの感想は聞いてないけど。どんなふうに聴いただろう。なかでもいちばん穏やかな(笑)若いファンは「ポップじゃん、今回のエレカシ」って。これは褒め言葉。「ポップ」かどうかはは彼の楽曲評価の基本尺度みたいなとこあるし。
 
★アレンジってすごいんだな…なんて今さら
 ホント、今さら何を?って言われちゃうけど。でもそれが大きな大きな感想。
 だって、メロディーラインの「あ、これ宮本さんだ」という感じや、「やっぱエレカシ、せつないよなあ」という感じがおかしいくらいにうれしいくらいにそこここに残っているのに、でも音がいつもより多めだったりキラキラしているところが、私の「えええー!」につながる。
 そうか、アレンジなんだ~って、改めて。もうド素人なもんで。
 亀田誠治プロデュースの「新しい季節へキミと」なんて、イントロを聴いただけではまったくエレカシが浮かばなかったくらい。ポップで軽やかに走っていくイメージが広がって…。ストリングスが美しすぎて。
 この前の「亀の恩返し」でスガシカオさんが「ロックな雰囲気がほしいときは亀田さんにプロデュースをお願いする」というようなことを語ってらしたけど、エレカシの場合はきっと「ポップな感じ」を前面に出したくて亀田Pということになったのかな。
 何人かのプロデューサー(YANAGIMANとか)が名前を連ねていて、そこにも今のエレカシ宮本さんの意思がこめられているんだろう。
 「ハナウタ~遠い昔からの物語~」ではキーボードの音も印象的で、「おかみさん」はバンドサウンドだけど、でもなんとなくいつもより音が多い感じ?


★ハモリも印象的
 今回のアルバムではなぜか宮本さんの「ハモリ」が耳に残ってしまった。
 今までのアルバムでは、そういうこと感じたことなかったんだよなあ。これはまったく自信がないんだけど、ハモッてたの? それとも私が気づかなかった?
 遠慮がちに上をなぞる宮本さんのハーモニーがかすかに耳に残る感じに、ちょっと感動してしまったのだ。
 今まで気づかなかったんだったら、私の不覚のいたすところ、ということで(笑)。

★宮本さんらしいけど、でも前向きな言葉の数々
 「It’s my life」の言葉選び、うまいよなあと脱帽。「おかみさん」は風刺をきかせつつ、破壊せずに柔らかくこの星をつつんでいく懐の深さ?
 人の暮らしや息遣いにさりげなく優しい視線を感じた。これはやっぱり40代の男の心意気なんでしょうか。
 いつも思うのは、宮本さんの描く「あなた」や「おまえ」には実体があるってこと。スピッツ草野の「キミ」には具体的な姿が浮かんでこないおもしろさがあり、ミスチル桜井の「君」には草野の「キミ」より実体はあるけど、でもいったん彼の中で整えられた女性像って感じがしちゃう。
 でも宮本さんが「おまえ」と歌うと、過去か現在かは不明だけど、その「おまえ」が実際に宮本さんの心を通り過ぎたりいすわっていたりする「せつなさ」が伝わってきちゃうんだよなあ。これってなんだろう。むき出しな雰囲気、無防備な感じなのかもしれない。
 このアルバムでも、宮本さんの何人かの「おまえ」に会えました(笑)。


★陳腐ですが、「歌、うまいなあ」
 テクのすぐれたシンガーにはあまり興味がないし、エモーショナルな歌唱のボーカルにもあまり感動しない私なんだけど、でもつくづく「宮本さん、うまいなあ」と。
 シャウトする感じとかすれる低音と、いやいや苦しそうな高音と、「無理でしょ」というファルセット(笑)。みんないい!
 そういえば、スピッツ草野はインタビューで「シャウトするボーカルが好き」と言って宮本さんやイギー・ポップの名前をあげていたっけ。憧れのボーカルって。
 (噂ではカラオケでルナシーの歌をシャウトしてたらしいし、ステージでもシャウトしちゃえばいいのに。…って冗談です。そんなこと期待してません。笑)
 どんなアレンジでも、きれいなストリングスがバックにきても、宮本さんの声は負けない。なんか闘っている感じが好きだ。うまく言えないけど。
 メロディーも強いなあと思う。あ、エレカシだ~というメロディーラインで、心がガシッとつかまれてしまう。心地よく囚われてしまう。
 だから、結局、「えええー!」と最初びっくりしても、やっぱりせつない思いやら突き放される感じやらで、エレカシ!だったのです、私にとっては。

 一曲一曲を語って長い時間を過ごしたいアルバムです。コアなファンの彼らと会えたら、いい時間が過ごせそう。


 【追記】
 宮本さんのインタビューがこんなところで読めます。すごく前向きにアグレッシブにレコーディングに臨んだんだなあ、ということが伝わってきます。

ぴあ

Walker plus ロングインタビュー(1)

Walker plus ロングインタビュー(2)

Walker plus ロングインタビュー(3)

Walker plus ロングインタビュー(4)

Walker plus ロングインタビュー(5)

Walker plus ロングインタビュー(6)

Walker plus ロングインタビュー(7)

Walker plus ロングインタビュー(8)

Walker plus ロングインタビュー(9)

Walker plus ロングインタビュー(10)


 これはかなり読みごたえあります。人間・宮本がちょっと垣間見られる?(そんな簡単なもんじゃないか)
 「Bridge」で対談したスピッツ草野が渋谷陽一氏に「最初に話したときの印象は?」ときかれて、「ああ、いい人だな、って。いろいろ噂をきくんで、嫌われたらイヤだなと思ってたから」と答えていたけど、それに対して渋谷氏が「あの噂、ホントだから。カメラマンとか殴ってたから」と答えていたっけ。
 このアルバムのプロモーション時にも、FM TOKYOの生番組で女性パーソナリティーにキレて暴言を吐いたとか、話題になっていたけど(ま、その是非はともかく)。ファンは「ああ、そんなもん」と別に驚きもしないけど、一般リスナーにはおおごとだったみたいだ。
 きっとそれなりにはみんな大人になっていき、発言だけではなくつくる曲も変わってきたりするかもしれないけれど、できればヤンチャな部分も残しつつ、男たちに「宮本っ!」とぶっとい掛け声をかけられるアーティストでいてください。
 
 ライブ、楽しみだ~♪

 最後の最後のひと言。
 「絆(きづな)」は、ストリングスなしでバンドのバックだけで宮本さんの歌、聴いてみたいです。
 それだけで、私は絶対に泣ける自信あります!(って力説してどうする)

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