隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

踊らされないぞ、ワタシたち~『朝日新聞』「分裂にっぽん」より~

2006年09月22日 20時28分22秒 | プチエッセイ
 総裁選で浮かれてた?自民党はこれからどんなふうに迷走を続けていくのだろうか(迷走って決めつけちゃう)。
 総裁選前日のニュースでは、派閥に所属していない小泉チルドレンたちが生き残りをかけて、それぞれの候補者にいかにすり寄っているかを醜く報道してたなあ。片山さつき議員なんか(なんかって。笑)、「(安倍の)政治姿勢に憧れますぅ~」とか言って、著書にサインをもらってたぞ。いいのか?(別にいいんだけど)。
 そんなときに『朝日新聞』の「分裂にっぽん」の記事(9月19日)を読んで、生意気を承知で、この国はどこへ行こうとしているのかなあ、と思ってしまった私です。

★誰のための福祉なのかなあ
 4月の介護保険見直しで、介護認定の程度が「要介護Ⅰ」から「要支援」になり、今まで1割負担で借りられたレンタルベッドが全額負担になってしまった71歳の方の例があげられていた。脚の痛みで一人では外出できないのに、ヘルパーさんに通院の付き添いや掃除以外に買い物を頼もうとすると月2回がせいぜいとか。結局冷蔵庫がからっぽもなっても我慢しなくてはならない状況という。
 こういう一人暮らしの高齢者はこれからもきっと増える一方だと思う。もちろん地域の人たちでお互いに支え合うことは大事だけれど、それもなかなか難しい事情もある。みんなが「いい人」かどうかが不鮮明な時代だし。助け合える社会を作っていくことは大事だけど、でもそれと福祉の制度や介護保険の問題は別の土壌で考えうべきのような気もするし。
 私の友人が勤務している特養老人ホームでも財政難の危機から、職員やパートの人数を減らさなくてはいけない状況になっているらしい。腰痛を抱えて過酷な勤務に耐えているのに、これ以上人を減らしたら入居者の方たちに満足してもらえるお世話なんてできない、と話してくれた。存続の危機さえ話題に出るとか。誰もが有料の豪華な老人ホームにはいれるわけではないし、これからはこういう特養老人ホームの需要がますます高まるはずなのに、今でさえ深刻な「空き待ち」状態が今後どうなっていくんだろう。在宅介護に重点をおくといっても、それで解決する問題とは思えない。
 社会保障審議会の介護保険部会の委員だった小川泰子さんの発言が印象的だったな。「軽い介護でいいのに施設で悠々暮らしている」「事業者の儲け主義で不要なサービスが行われている」などという負の例ばかりが強調されて、給付をいかに抑えるかの手法ばかりが話題にのぼっていたという。本当に介護を必要としている高齢者、そして自分の体を顧みずに介護の仕事に携わっている人たちのことなど、政治家の頭にも役人の頭にもないのだろうか。
 
★多少の犠牲はしょうがないじゃん、ってこと?
 極めつけは、小泉の発言。「総工費約700億円の新官邸内の会議室で」という言外の皮肉を匂わせつつ(言外ではないね)、「増税してもいいから施策をやってくれという状況になるまで徹底的にカットしなければならない」。これってホントですか? そういう発言をしているんですか? この前後には何か「いやいや、それもしかたないかな」と私たちを納得させるようなことを言っているんですか、言ってないんですか? もう、やってられないなあ。
 景気を上向きにさせ、国の仕組みを将来に向けて整えていくには、末端の人の犠牲はやむを得ない、ちょっとの辛抱だから待ってなさい、ってこと?
 その一方で、不必要に豪華で安価な公務員宿舎の存在、空き部屋の問題、それでもまだ建築をやめない状況…。どこかでは裏金を焼いたりしてる。会議とか視察とかの名目で「遊興費?」としか言いようがないような税金の使い方をしているどこかの区議会議員の問題も浮上している。あれは氷山の一角でしょ? そんなことはもう国民はだれでも知っていますよ。
 そういうことが次から次へと明らかになってきて、それで介護の見直しを言われてもねえ、納得できない。それが普通の神経じゃないかなあ。

★せめて踊らされないワタシたちでいよう
 それでも、一応はわかっているつもりです。こうやって文句を連ねても、ちっともインパクトがないってことは。だって、「じゃ、お前はどうすればいいと思うんだ?」と問いつめられても(まあね、こんな私のマジで問いつめる人はいないでしょうが)、かっこよく持論を展開させるだけの能力も熱意もないわけだし。怒ってばかりで物事が解決するなら、こんなに簡単なことはないんですよね。
 だから、せめて、せめてです。政治家の選挙演説のときだけ(!)の甘い熱っぽい言葉にも、メディアの浮かれ騒ぎにも踊らされない冷静さはもっていたいなと思うわけです。
 覚えていますか? 小泉が首相になったとき、あの人の短いだけの発言を「率直だ」という理由でもちあげたワイドショーのキャスター(レポーターか?)の発言を。あれからほどなくして、単にボキャブラリー不足の男だったということが判明してきたわけで。私の好きだった知的な(はずだった)女性キャスターは外国遊説の小泉に向かって、「小泉さ~ん!!」と連呼してたなあ(鬱)。
 安倍がいくら若くても毛並みがよくても、地元で「長州(笑)は多くの首相を輩出しているわけで」なんて古くさいことを古くさい歴代の首相と同じように言って地元民の士気を高めているつもりになってる? そういうお祭りをちょっと斜に構えて見ていたいなと思うわけで。
 踊らされずに、そして長所はちゃんと認めつつ(これが私には案外難しい)…ですね。
 この国を嫌いなわけではない。きっと私もそう。でも国歌や国旗を強要されて育てる愛国心は、きっと中が空洞です。そういうむなしいものは育てても意味がないし、きっといつまでたっても熱く国を語れない。そしてこの国が地球という惑星の一要素だということを実感できないまま、取り残されていくんだろうなあ。

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