2023.11.19
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM
11月も3週目・・・。
「運転中の方、お仕事中の方、暇こいている方、いろんなシチュエーションの方がいらっしゃると思いますが、ちょっとした息抜きにしていただけると幸いです」
今夜の特集は、ワンアーティスト特集、【ジャニス・ジョプリンで漫遊記】です。
60年代のロックを聴こうかな、というときに、ジミヘンやドアーズとともに、「避けては通れないレジェンド中のレジェンドなロックシンガー」。
「彼女のシャウトがその後のロックミュージックに与えた影響は非常に大きいと思います」と。
そして、「あくまで、草野が個人的に好きなナンバーで漫遊していきます」。
(とうとう?・・・やっと?・・・という感じで、うれしい)
セットリスト
01 雪風(スピッツ)
02 Down On Me(Live at The Grande Ballroom, Detroit, MI - March 1968)(Janis Joplin)
03 Nobody Knows You When You're Down and Out(Janis Joplin & Jorma Kaukonen)
04 Combination of the Two(Big Brother & The Holding Company)
05 Summertime(Big Brother & The Holding Company)
06 Maybe(Janis Joplin)
07 Move Over(Janis Joplin)
08 Standing On My Side(OCEANLANE)
漫遊前の1曲は、スピッツで「雪風」(2015年、40thシングル/2015年、15thアルバム『醒めない』)。
ちょっと前に収録しているので、「全国的にさすがに(そろそろ)冬の気配がきているのかなという読み」で、この曲です。
(きているみたいです。朝のニュースで、岐阜の積雪の風景にびっくりしました。岡田将生さんが雪道を歩いているずっと歩いていくMVを思い出した)
「優しいスピッツ」では半音上げて演奏しているので、「エモさが増していると思います」と。
最初の曲は、「1968年のライブ音源から」、Janis Joplinの「Down On Me(Live at The Grande Ballroom, Detroit, MI - March 1968)」(1972年、ライブアルバム『In Concert』/1967年、シングル)。
原曲を彼女自身が歌詞を書き換え、アレンジも変えた曲。
「オレ的には(Janis Joplinの)掴みはここかな。ジャニスさんのシャウトのカッコよさが堪能できる曲」と。
Janis Joplinは、「性別を越えて受け継がれている、ロックなシャウトのパイオニアなのではないか」。
「ジャニスさんの曲はライブ盤の音源のほうがよくて、この曲もアルバムで聴くとおとなしく感じちゃう」と。
(たいていのミュージシャンのライブ盤ファンなので、よくわかります)
草野くんがロックを聴き始めた中学生のころは、「若くして亡くなった三人のロックスター、ジミヘンさん、ジム・モリソンさん、ジャニス・ジョプリンさんを聴く、というのは通過儀礼のようだった」。が、最近の若い人で聴いたことのない人には、「ぜひ聴いてほしいな、と思います」。
「ちなみに、この三人はみなさん、27歳で亡くなっています」
(その後、「27歳」ということが異常に取り上げられた風潮、時期があったなあ)
Janis Joplinさんのプロフィール。
1943年、アメリカ、テキサス州ポートアーサーで生まれる。
「幼いころからどこかほかの子どもと違っていた」という彼女を気遣い、両親は教会の活動などで協調性を身につけさせようと試みるが、それは功を奏さず、ティーンエイジャーになると周囲からは仲間外れになることも多くなった。
「クラスで浮いちゃってる子という感じだったんですね」と。
そんな彼女を満たしてくれたのが、ベッシー・スミスらのブルースのレコード。「ちょっと古めのブルースのシンガーの曲を聴くことで、自分の中のフラストレーションをおさめていたのか」
高校に入り、ブルースを聴くだけではなく歌い始めた。
19歳でテキサス大学を中退し、友人とヒッチハイクで西海岸に向かう。そして、そこで知り合ったのが、Jefferson Airplaneのギタリスト、ヨーマ・カウコネン。
彼とのセッション「1964年の伝説のセッション」が昨年リリースされている。「このころのジャニスさんはまだシャウトしていなくて、ブルースを歌っており、声も若くてかわいい」と。
次は、そのセッション、Janis Joplin & Jorma Kaukonenで「Nobody Knows You When You're Down and Out」(The Legendary Typewriter Tape: 6/25/64 Jorma’s House/原曲は、1929年のベッシー・スミスの有名なスタンダードナンバー)。
(ジャニス・ジョプリンじゃないみたいで新鮮。ギタープレイもなんて心地よい。ずっと聴いていたい。ジャケットのジャニス・ジョプリンがかわいい)
長い間、「コレクター界隈では有名な音源」だった。
ホームレコーディングなので、「いろんな意味でレア」。バックできこえるカタカタという音は、ヨーマ・カウコネンさんの妻が打っているタイプライターの音だそうで、「この生々しさがいいね~。リポートワークで、画面の後ろに家族が映り込んじゃう感じ?」と。
そして、次の曲は、Big Brother & The Holding Companyの「Combination of the Two」(1968年、2ndアルバム『Cheap Thrills』)。
草野くんは、「ジャニスさんのアルバムでは、この『Cheap Thrills』をいちばん聴きましたね」。
まず、「レコジャケが大好き」。これがプリントされたTシャツも持っていたそうです。
アメリカのアンダーグラウンド・コミックスの代表的な漫画家、ロバート・クラムさんの作品。
(私の大事なモノラルレコード)
この曲「Combination of the Two」は、「ジャニスさんと男性ボーカルとの掛け合いがカッコいいんですよね」。
次は、Big Brother & The Holding Companyの「Summertime」(1968年、2ndアルバム『Cheap Thrills』)。
以前に、ココでかけたことがある。
草野くん自身は、これはビリー・ホリデイの「Summertime」のカバーであることをかなりあとになって知ったそうで、「だって、メロディーが全然違うんだよね」。(たしかに)
でも「カバーって、自分の解釈でいろいろ変えていくという手法もあるんだなと、とても勉強になった曲です」。
「ジャニスさんのシャウトも、鳥肌がたつほどエモーショナルな一曲です」と。
(ひさびさに聴き入って、当時のへぼくて暗めな時代を思い出す)
「Summertime」はジョージ・ガーシュインの作品で、最初のヒットは1936年のビリー・ホリデイ。
メッセージコーナー。
「審査員として、何かを審査したことがありますか」というリスナーさんからの問いかけ。
この方は毎年、子どもの作品を審査する経験をされているそうだ。
審査に私情を挟むまいとすることの難しさ・・・。「マサムネさんなら?」と。
草野くん自身は審査員は経験ないが、かつてCDジャケットのモデルを選ぶときに、数人のモデルさんと面接したことがある。
当然、落選する人も出るわけで、「お会いしたのに、ちょっと違います、と言うのも苦痛」で、『醒めない』からは「面接はするけど、最初から一人の人にしぼって」という方法をとっているそうだ。
なので、モデルではなく、CMやドラマに出ている役者から選ぶようになった。「いろんな表情があらかじめチャックできる」
なので、「ごめんなさい、アドバイスできないですね、ごめんなさい」。
リスナーさんは「胃が痛くなることもある」ということなので、「(審査員は)向いていないんじゃないか、と思うんですよね。ならば、いったんやめてみるとか・・・。ちょっとアドバイスとしてどうなのかなと思うんですけどね。でも体にために・・・」と。
(アドバイスになってないかもしれないけど、優しいなあ)
次は、Janis Joplinの「Maybe」(1969年、ソロ1stアルバム『 I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!』/原曲は、1957年、ガールズグループ、The Shantelsのヒットナンバー)。
それまで、アレサ・フランクリンとかティナ・ターナーとか、パワフルな女性シンガーはソウルミュージックの世界にはいたが、ジャニスは「ロックのフィールドで最初にスターになったパワフルな女性シンガー」という草野くんの認識。
その後は、性別をこえて、スージー・クワトロ、Guns N' Rosesのアクセル・ローズなどにも受け継がれたのでは?
草野くんは最初にガンズを聴いたとき、「ボーカル、ジャニスじゃん」と思ったという。
この曲は、ホーンセクションが入って、バックはゴージャスなアレンジだが、そんな中でも「ジャニスさんのエモーショナルな歌唱が非常に際立つ曲」。
草野くんはツェッペリンを聴いている錯覚に陥るそうで、「IやIIのころのロバート・プラントさんに通じるものもある」。二人がお互いに影響をし合っていたかはわからないけど、「近いところはあると思う」。
(ロバート・プラントのハイトーンを思い起こす。それにしても、深く深く心に刺さる。かつて何度繰り返し聴いたことか)
最後は、「今日セレクトした曲の中ではいちばん有名な曲かなあ」、Janis Joplinの「Move Over ジャニスの祈り」(1971年、ソロ2ndアルバム『Pearl』)。
その後に語り継がれる情報によると、「スターであるがゆえに、ずっと孤独の中にあった」。
それゆえに「破天荒な生き方が命を縮めてしまった」と言われているが、「実際のところは、ご本人にしかわからない」。
「ただ、若くしてお亡くなりになったのは、本当に惜しいなあと思います」と。
妹のローラ・ジョプリンさんによると(『ジャニス・ジョプリンからの手紙』)、実像は「知的でシャイな人だった」ということなので、周りから「ロックスター!」と祭り上げられて、「違和感もあったのかな」。
(ジャニスファンでなくても、この曲を知っている人は、当時も多かったと思う)
この曲は彼女の作詞作曲で、代表曲と言われており、多くの人にカバーされている。「最近では、GLIM SPANKYもカバーしていて、それもカッコいいので、ぜひ聴いてください」。
GLIM SPANKY - 「MOVE OVER」Music Video
特集の最後に。
今日は完全に、「自分が好きなジャニスさんの曲」ということで選曲。
ほかにも、「Cry Baby」「piece of my heart 心のかけら」(好きだー!)など、いい曲がたくさんあるので、「ぜひ聴いてみてください」。
Janis Joplin - Piece of My Heart (live Gröna Lund 1969)
(あの頃つるんで遊んでいた、いろんな人を思い出した。もう会えない人もいる)
そして、今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、OCEANLANEの「Standing On My Side」(2009年、4thアルバム『Crossroad』)
(イントロは、縮めてるけど、「ありがとさん」?)
草野くんが最近サブスクで知ったOCEANLANE。
「すごくいいっすね。なんでリアルタイムで聴かなかったのか、と後悔してしまうようなバンド」と。もう12年前に解散しているそうだ。
それを知ったときの何とも言えない寂しさを、「大正時代の女優さんに恋しちゃったような感じ。もういらっしゃらないのか~」とたとえる草野くん。
声もバンドサウンドもとっても気持ちよく、「ヘビロテしたくなる」。歌詞は英語だけれど、日本のバンドだそうです。
OCEANLANE「Shine On Me」
来週の特集は、「洋楽ロックの日本語カバーで漫遊記」です。
前にビートルズのカバー曲を特集(ココ)したが、と言いつつ、東京ビートルズの「キャント・バイ・ミー・ラブ」を歌ってくれたけど、「あんな感じ」で特集だそうです。
(楽しそう!)
「草野さん、最近編み物にはまってます」
(えっ・・・)