隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

呪いの噂を跳ね返すエバーグリーンな楽曲たち~バッドフィンガーで漫遊記

2024年08月13日 13時45分06秒 | スピッツ

2024.08.11
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM




 「8月2週目!」は「丁寧な言葉遣いのお話」から。
 例として、居酒屋での「こちら、揚げ出し豆腐になりま~す」「ドリンク1杯、サービスさせていただきまーす」などなど。
 それぞれ、「こちら、揚げ出し豆腐でございます」「ドリンク1杯、サービスいたします」でいいような気がする。むしろ「個人的には、このようなスマートできれいだなと思う」。
 (そうだ、そうだ)
 なんでこうなるんだろう・・・。
 少し前にある芸人さんがテレビで、「コロナにかからせていただいて」と言っていた。そのときはさすがにほかの出演者が「おかしいよ」とツッコんでいたが、それを聞いて「今の世の中、過剰に丁寧にしなくちゃいけないと、みなさん、思っているのかな」と。
 「階段でつまずかせていただいて、こけさせていただいた」なんてなっちゃうの??
 また「ございます」「いたします」などのいい方は、「言い回しが古くなってきて、丁寧レベルを低く感じている人が多くなっているのかもしれないね」。
 (深く冷静に考えている草野くん。見事だなあ。私なんか、そんな言い回し、おかしいでしょっ!って言って終わりだよ)
 「言葉って常に時代によって変化するものらしいので、どうなんだろうね」からの、「そんなことを考えつつ、今日もみなさんと楽しく漫遊“させていただきます”」ってさ。


 そして今日は、ワンアーティスト特集、【バッドフィンガーで漫遊記】

 このバンドについて、「ビートルズのジェネリック的バンド、悲劇のバンドというイメージをもたれている方も多いと思います」が、「そんなイメージにしばられて聴くのはもったいない偉大なバンド。元祖ブリティッシュパワーポップのいい曲がホントに多いです」。
 (大好きです!)


 オンエア
 01 海を見に行こう(スピッツ)
 02 Without You(Badfinger)
 03 Come and Get It(Badfinger)
 04 Baby Blue(Badfinger)
 05 Name of the Game(Badfinger)
 06 Know One Knows(Badfinger)
 07 I Miss You(Badfinger)
 08 ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ(鹿取洋子)


 漫遊前の1曲は、スピッツで「海を見に行こう」(2002年、10thアルバム『三日月ロック』/JR東日本「みんなの駅プロジェクト)。
 この夏、「メチャメチャ暑いか、激しく雨が降っているか」の二択のような毎日、「いつも海に行きたいなあ、と思っちゃいます」。
 「砂浜で水に触れるだけでいいから、クラゲが出る前に海に行きたいなあ」からのこの曲です。
 (海に行きたくなる・・・この曲)

 最初の曲は、Badfingerの「Without You」(1970年、2ndアルバム『No Dice』)。
 マライア・キャリーらのカバーで、今では世界的なヒット曲になっている。
 (個人的には、彼らのオリジナルがいちばん好きかなあ)
 (以下は、マライア・キャリー)
without you - mariah carey cover (HIGHER KEY)
 この曲は、リリース当時はシングルカットもされずにアルバムの中の1曲にすぎなかったが、翌年にハリー・ニルソンがカバーして全英全米1位の大ヒット!
 「Badfingerではいちばん有名な曲」ということで、1曲目に選択。


 Badfingerについて。
 1961年、イギリス・ウェールズの南部の街スウォンジで、トム・エヴァンスを中心に結成されたThe Panthers。
 このバンドが何度か名前を変えて、1964年、The Iveysというバンド名になり、ウェールズにやってくる、フー、ヤードバーズ、スペンサー・デイヴィス・グループなどの売れているバンドの前座をへて、メンバーチェンジを繰り返してバンドとして実績をつけていく。
 1968年、ビートルズのローディーだったマル・エヴァンスがロンドンで彼らのパフォーマンスを見て、「このバンド、すごいかも」ということでビートルズの4人にプッシュ。
 4人の承認を得て、アップル社と契約してデビュー。
 最初はなかなかうまくいかなく、1969年にバンド名をBadfingerに変えてリスタート。ポールの曲で再デビューし、大ヒット。Badfingerという名前が世界中で知られることになる。


 次の曲は、その再デビューの曲、「Come and Get It」(1969年、デビューシングル/作詞作曲、プロデュース:Paul McCartney)。

 「この曲だけ聴くと、ビートルズの弟分のような、ジェネリック的な感じはしますけどね」


 草野くんにとってのBadfinger。
 ココで特集したジュディ・シルとBadfingerは、「思春期にもっとちゃんと出会いたかったアーティストの筆頭」。ちゃんと聴いたのは、大人になってから・・・。
 実は学生の頃ジャケ買いで2ndアルバムの『No Dice』を買ってしまった。
  
 すごくインパクトのある有名なレコジャケ。
 このアルバムもいいアルバムではあるが、「ポップで聴きやすいけど、ま、こんなもんかな」ということで、「ほかのアルバムには進まなかった。これが間違いだった」。
 3rdアルバムの『Straight Up』から聴くべきだったな、と思う草野くん。「この3rdアルバムがすごいいいんですよね。傑作で、メチャメチャ好みのタイプのアルバム。レコジャケは地味なアー写なんですけど」。
 「1曲1曲、メロディーの展開がツボで、サウンドもシンプルでいいんですよね。これ、思春期に聴いてたら影響されてたと思います」

 次は、「そんな3rdアルバムから、オレの大好きな」、「Baby Blue」(1971年、3rdアルバム『Straight Up』)。
Badfinger - Baby Blue - Live (1972) HQ

 そして次も3rdアルバムから、「Name of the Game」(1971年、3rdアルバム『Straight Up』)。
 前に美メロ特集(ココ)でかけた楽曲。
 「ホントにきれいなメロディーで、ポールさんの曲の感じをさらに繊細にしたような」曲、そして「お風呂上がりにラムネを飲みながらマッサージチェアに座ってのんびり聴きたいな」と。


 メッセージコーナー。
 鳥恐怖症のリスナーさんから。この先も克服できそうにないけれど、「マサムネさんは子どものころから克服できていないものってありますか」。
 草野くんが「人より怖いなあ」と思うものは・・・、「駅のホームで電車が入ってくるのがすごい怖いんですよ」。
 だから「いつも後ろのほうに並んでいます。早く乗りたいから前のほうに並ぶっていうのはできない」。
 ホームドアが設置されている駅はすごく助かるそうです。
 (人それぞれ、いろいろあるもんですね)
 鳥が怖い!という人は草野くんの周囲にも結構いるそうです。
 そういう恐怖について、「幼少期のトラウマ」と解説する人がいるが、恐怖症は先天的なものも多いらしく、「そう考えると、恐怖症って無理に克服する必要はないのでは?」と。
 そして、「ちゃんと怖がって、周りの人にも怖いのだということを真面目に説明しておくといい。そうすれば、あっちに鳥がいるから気をつけたほうがいいとアドバイスしてくれる人も出てくるかもしれない」。
 それでもからかってくる人がいたら、「そういう思いやりのない人とは距離を置くことですかね」。
 (なんだか、優しいなあ)

 高校生のお母さんのリスナーさんから。
 「声変わりしてから、太り声をきかれるのが嫌なのか、ささやき声でしか話してくれない。声変わりって恥ずかしいものなのですか?」
 「声変わりにまだ慣れなくて、戸惑いが続いているのかな。だから周りはそっとしてあげたほうがいいと思いますよ。そのうち絶対に慣れてきて、普通に話すと思うので」と。
 「無神経な親戚のおじちゃんおばちゃんが『声変わりしたんだね~』とか言うんだよね。あんまり言われたくないんだよね。だからそっとしてあげてほしいな。よろしくお願いしたします」
 (草野くんはどうだったんだろうね)

 デイヴィッド・カヴァデールの特集を楽しみにしているリスナーさんから。(予定している、と予測してましたよね)
 「できれば、ホワイトスネイクのジョン・サイクス在籍時の曲を!」と。
 (リクエストの仕方がお見事だなあ)
 草野くん自身は、「ホワイトスネイクね! そう、個人的には、ホワイトスネイク初期のバーニー・マースデン、ミッキー・ムーディ在籍時の音が好きなんですが、今サブスクで聴けない曲も多くて、ぜひ特集したいと思っています。ジョン・サイクスさんもいいっすよね。とくにロックギタリスト!っていう見た目が好きですね~」
 特集は必ずやってくれるそうです!


 Badfingerのその後。
 最高傑作の3rdアルバムをリリース後、シングルもヒットし、「Without You」のカバーも大・大・大ヒット。サクセスをつかんだかのように見えた。
 しかし、バンドはいろいろなトラブルに悩まされていた。
 4枚目以降のアルバムは、リリースが中止になったり、リリースされても大してプロモーションしてもらえなかったり・・・。
 草野くんの資料によれば、当時のマネジャーがバンドの勢いに乗じて、さらに条件のいいレーベルに売り込んで大手のワーナーと「裏で」契約を交わしてしまったり。「この『裏で』っていうのがヤバかったのかな」と。
 こんなこんなで所属のアップルとの関係が悪化。そのマネもお金を持って逃げてしまった・・・。

 契約を巡って裁判沙汰にもなり、こういうことがメンバー間の対立のもとにもなってしまった。
 売れているバンドなのに、メンバーは極貧生活だった。
 こういうトラブルはかつてのバンドではよくある話だったらしいが、その中でも「とくにBadfingerは悲惨なパターンでしょうね」。
 「でもそういう時期の曲もいいんですよ、悲しいけど。ピート・ハムさん、すごいソングライターだと思います」


 次は、そんな時期の「Know One Knows 誰も知らない」(2000年、6thアルバム『Wish You Were Here』)。
 「これも軽快な、だけどメロディーもきれいなロックナンバー」
 (胸に迫る優しいメロディー)
 途中で日本語のセリフが出てくるが、「なんと、サディスティック・ミカ・バンドのミカさんの声です」。

 漫遊最後は、「I Miss You 涙の旅路」という「きれいなバラード」(1974年、5thアルバム『Badfinger』)。
 このアルバムのリリースの翌年、1975年、バンドの中心メンバーだったピート・ハムさんが「27歳の若さで自ら命を絶たれまして、Badfingerの歴史は一旦終わります」。
 そういう悲しいストーリーを知ったうえで聴くと、「やるせない気持ちになってしまいますが、ほんとに美しいナンバーです」。
 (リアルタイムでBadfingerを聴いていたファンも、このあたりの情報はあとになって知る、ということになる)
 本国イギリスではシングルカットもされず、「マジか・・・、こんないい曲なのに」。


 評価が上がるBadfinger

 バックにBadfingerのラストシングル、軽快な「Because I Love You」(1981年)が流れるなかで。
 ピート・ハムさんの死後、バンドは再開されるがゴタゴタは続き、当時のマネジャーが警官に射殺されたり、もう一人の中心人物、トム・エヴァンスさんが36歳で亡くなったり・・・。
 こういう経緯から、「悲劇のバンド」「呪われたバンド」などと語られることも多いようだが、「今世紀に入ってブリティッシュパワーポップの元祖としての評価はむしろ上がっている気がしますね」。
 アメリカの人気TVドラマ『Breaking Bad』で「Baby Blue」が使われたときもリバイバルヒットして、「呪いの噂を跳ね返すようなエバーグリーンな楽曲の強さが証明されていると思います」。
 (うーん、納得の締めです!)


 特集の終わりに。
 「Badfingerのメンバーが音楽以外のことで悩まなくてもよかった世界、音楽にだけ集中できた世界・・・、そんなパラレルワールドがあったら、行ってみたいなと思いますね」
 そんな世界で、「ピート・ハムさんの30代以降の作品を聴いてみたかったな」。
 現実には中心メンバーは若くして亡くなっているが、それでも「残された作品はどれもすばらしいし、引き継がれていくはずです。わたくしも聴き続けていこうと思います」。


 今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、鹿取洋子さんの「ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ」(1980年、デビューシングル/オリジナルは、1980年、Dieselの1stアルバム『Watts in a Tank』)。
 (イントロは、「サンシャイン」)
 この曲、「たまに気がつくと鼻歌で歌ってる、かなり印象的なサビのメロディー」。さっそくZO-3で「にゃにゃ にゃにゃにゃ~♪」って。
 草野くんは「てっきり筒美京平さんあたりの作曲かと思っていた」けれど、オランダのDieselというロックバンドの曲だった。
 このバンドを知らなかったがサブスクで聴いたら、「この曲以外もいい曲がそろっていて、なかなかご機嫌なバンドでした。いい発見させていただきました」。
 当時のディスコブームに乗って、「『ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ』はディスコビートの曲になっています」。


 そして来週は、「メロハーで漫遊記 Part 2」。
 以前にも、一緒に歌いたくなる「メロハー特集」(ココ)をやったが、メロハーとは「メロディアス・ハードロック」のこと。
 前の特集のときは、「たまたまアメリカとイギリスのバンドが1つもなかった」けれど、今回は「英米のわりとメジャーなバンドも交えて、草野のプレイリストから」。


 「草野さん、いつも無意識に何か食べてます」


 いい時間でした!

 Badfinnger、さっそく聴いています!


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