2019.11.10 21:00~
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
at TOKYO FM
プロ野球のシーズンも終わった秋の夜長、漫画を読んでいることも多いらしい。
スピッツのアナログ盤には特典マンガが必ず封入されている。いつも「気になっている漫画家」「好きな漫画家」にオファーしているという。
前回『醒めない』では、『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリの作品(﨑ちゃんが古代ローマに浴場に!)。
今回は草野くんが以前から好きだったホラー漫画の人気漫画家・伊藤潤二さん(ホラー好きのわが息子が好きで、何冊か読まされた・・・。私はホラーは好きではない)に、ダメもとでお願いしたら、OK!
草野「メチャメチャうれしくて、家宝にしようか・・・」
「スピッツメンバー、かっこよく美化して描かれていますが(ホント・・・)、機会があればぜひ」と。
今夜は、「The Muffsで漫遊記」。
先日、56歳で亡くなった、ギターでボーカルのキム・シャタックさん。
「ミュージシャンとしてもソングライターとしてもすごい人」と。
(The Muffsはデビューアルバムだけもっていて、よく聴いていたけど、それ以降は知らないので楽しみ)
オンエア曲
01 ヤマブキ(スピッツ)
02 Saying Goodbye(The Muffs)
03 Everywhere I Go(The Muffs)
04 Baby Go Round(The Muffs)
05 Oh Nina(The Muffs)
06 Sad Tomorrow(The Muffs)
07 Honeymoon(The Muffs)
08 Guilty(The Muffs)
09 To That Funny Place(The Muffs)
10 Allegro Cantabile(SUEMITSU & THE SUEMITH)
漫遊前の一曲は、スピッツで「ヤマブキ」(2019年、ニューアルバム『見っけ』)。
草野「The Muffsの世界に近いかも、ということで選んでみました」
ニューアルバム、今はどの曲も繰り返し聴いて、もう優劣つけがたく「好き!」という段階で、この「ヤマブキ」も、歩いているとときどきメロディーをくちずさんでいて、「あれ、これ、なんだっけ?」となったり。
歌詞も、こちらがついていけるレベルの前向き感。これがなんともいえない。
最初の曲は、「Saying Goodbye」(1993年、デビューアルバム『The Muffs』)。
うーん、気持ちのいいノリと、ステキな嗄れ声!
The Muffsは1991年、アメリカ、サウスカロライナで結成(スピッツと同期!)
最初は女性2人、男声2人の編成。
これが1stアルバムのジャケット。
「60年代のロックと70年代末のパンクのエッセンスを90年代的に消化させたサウンドが売り」と。
ああ、だから、どこか懐かしいんだな、と個人的に納得。
インディー時代に彼女の才能が発揮され、93年にワーナーからデビュー。
草野くんはこのアルバムをCD屋さんの試聴コーナーで聴いて、「ポップだけどアグレッシブでいいじゃん」と思って、速攻レジへ。
草野「当時はニルヴァーナやグリーンデイと近いタイミングでのデビューだったんじゃないかな?」
当時のアメリカのロックは、「Aメロからすぐにサビ」とか「リフにのって1つのメロディーで展開」というようなのが多かった中で、このThe Muffsは「Aメロ→Bメロ→サビ」というような歌謡曲的な構成で、「当時ちゃんと宣伝していたら、日本でさらに売れたんじゃないかな」と分析。
次は、「Everywhere I Go」(1993年、デビューアルバム『The Muffs』)。
その「Aメロ→Bメロ→サビ」の構成の曲。
メッセージで、「歴史に残る女性ロックシンガー」と。
草野「オレもホントにそう思う。もっと知名度が高くてもいいけどね」
草野くんが90年代によく聴いていたアルバムと言えば、Weezerの『Pinkerton』か、Rage Against the Machineの『Evil Empire』か、このThe Muffsのデビューアルバムだったそうだ。
そして、次もこのアルバムから、「Baby Go Round」。
草野「メロディーがとても切なくて、ステキな曲です」
チャーミングなボーカルだ!と何度も(これは私)。
このアルバムリリースのあとドラムス脱退。ツアーのあとにはキムさんの盟友メラニーさんもバンドを去る・・・。
1994年、スリーピースになって、これが不動のメンバー。
翌年にリリースしたアルバムは「音がパキッとしていて、スピッツのレコーディングでも影響を受けた」と。
そのアルバムから、「Oh Nina」(1995年、2ndアルバム『Blonder and Blonder』)。
このアルバムからは、「3連ロッカバラードで漫遊記」(ココ)で「Funny Face」をかけたけれど、今回は、「シャウター キム・シャタック!」のすごい歌声が聴ける、この曲をセレクトしたそうだ。
次の曲も、アルバム『Blonder Blonder』(1995年)から、「Sad Tomorrow」。
楽器屋さんで撮影されたPVが「かわいくて」、間奏の部分でいろいろな楽器をシャタックさんが「いろんなギターを見せびらかすっつーか、ギターコレクションを公開するような映像」になっていて、そこをスローモーションで見ていたそうだ。「いろんなかわいいギターがつるつるつる~っと出てくる」と。
このPV、ココでも勝手に貼っていましたね。
The Muffs - Sad Tomorrow (Video)
メッセージコーナーはギターについて。
「ありがとさん」のMVで、マサムネくんが弾いているのはグレッチ、田村くんのベースはスタインバーガー。「最近あんまり見ないけど、80年代にはよく使われていた」と。
初心者向けのギターって?という質問に、エレキなら「ダブルカッタウェイ」が弾きやすい。
上の部分が2つに割れている。
あと、「ギブソンのSGは軽くて薄くて、弾きやすい」と。
プリンセスプリンセスの中川さんやフラカンの竹安さんが使っている、と。でも、
草野「でも、形も色も見た目で入ったほうが、気持ちも盛り上がるし、長続きするとは思いますよ。頑張ってください」
次は、「Honeymoon」(1997年、3rdアルバム『Happy Birthday to Me』)。
このアルバムにはキャッチーな曲が多くて、その中でも「耳に残るメロディ―」の楽曲。
この頃からコアなファン以外の人にも注目されるようになった。
草野「ちゃんと展開があるのに尺が1分55秒しかない、という、ポップソングのお手本のような曲でした」
アルバム全曲、3分以内の曲で構成したい・・・、いつか言ってましたよね。
次は時代をさかのぼって、メジャーデビュー前の音源から、「Guilty」(1991年)。
メジャーデビュー前に3枚の7インチEPをリリースしていたそうで、その中の1曲だそうだ。
草野「メジャーデビュー前から、Aメロ→Bメロ→サビの展開を取り入れていた」
ただし、この名称は日本独自のもので、「外国人に、『Aメロディ~』と言っても通じない」(笑)。
洋楽では、Aメロをverse、Bメロをbridge、サビをchorusというそうです。最近はそういう展開の曲が洋楽では少なくて、「そういう展開の曲だと懐メロっぽく聴こえちゃうかもしれないね」。
そして、「ロビンソン」で説明してくれる。軽く歌ってくれるヒット曲には、いつもにはない魅力があったりしますね。
The Muffsはそんなポップソングの王道ともいえる展開をデビュー前から貫いてきた、と。
それにしても、キムさん、いい声だなあ・・・。
最後は、「To That Funny Place」(2019年、7thアルバム『No Holiday』)。
The Muffsは2004年に5thアルバムリリース後に事実上の解散。
キム・シャタックさんは、2013年のピクシーズのヨーロッパツアーにベーシストとして参加(ピクシーズには、ベーシストが女性、というしばりがある)。その頃に、The Muffs再結成の動きがあって、2014年に6thアルバムを発表。
しかし、彼女は2年間のALS(筋萎縮性側索硬化症)の闘病後、今年の10月2日、亡くなりました。
ところが、「The Muffsの歴史はここで終わらず」、闘病中の彼女自身のディレクションで、ニューアルバムがリリースされた。それが『No Holiday』。
「奇跡のような展開。すごい人ですね」と。
草野「この曲も、ひねくれたメロディーだけどキャッチーで、攻めてるな、という感じですね。オレはこれからもマフスの作品をことあるごとに引っ張り出して聴き続けるんだろうなと思います」
特集の最後に。
草野「この番組を始めたときから、いつかThe Muffsの特集をしたいと思っていた。まさか訃報の知らせを受けてからの特集になってしまうとは」
いつかやろう、いつかやろう、と思っていることは、すぐにやったほうがいいんだな、と。
私も、『The Muffs』以外に、まずは『Blonder and Blonder』と『No Holiday』を聴いてみよう。
最後は、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
その前に、メッセージからスタートです。
72歳のスピッツファンさんは、お孫さんからの情報でこのラジオ番組を知り、9月29日放送(ココ)で、40年ぶりに「ケンとメリー~愛と風のように~」を聴いたんだそうです。
当時、TOYOTAの1400CCに乗っていた彼は、友人が購入したケンメリのスカGをときどき借りていたそうで、「曲を聴いて泣きそうになった」と。美瑛のあの木も、その後見に行ったとか。
こうやって古い曲に反応してくれる方がいるのなら、「今はこのコーナーは古い日本のロックから選んでいるけど、ネタ切れになったら、懐メロコーナーにしてもいいかな」と。
番組のタイトル上、「ロック以外の曲をかけるのもどうかな」と思いつつ、「オレ、ロックに負けないくらい日本の懐メロも好きだったりするんですよね~」。
いろいろ考えつつ、おもしろい番組を目指してくれる、という力強い言葉。長寿番組になってほしいなあ。
そして、「子グマ!子グマ!」?のイントロから、コーナースタート!
今日は、SUEMITSU & THE SUEMITHの「Allegro Cantabile」(2007年、4thシングル)。
広島出身のアーティスト末光 篤のソロプロジェクト。
当時車に乗っていたときにラジオから流れてきて、路肩にとめて思わず聴き入ってしまったそうです。
「スゴイ人が出てきたな」
「もっとドカーンとヒットするかもしれないと思ったけど」、今思うと時代を先取りしすぎていた?
「知らない人がいるというのはもったいない」ということで、紹介してくれるそうだ。
そうかもしれない、この疾走感とサウンドの前乗り気味のノリ、盛り込まれた言葉の豊富さは、今のほうが受け入れられたかもしれない。
声もいいですね~。
彼のオフィシャルサイトはコチラです。
http://suemitsu-atsushi.com/
来週は、「好きな洋楽の歌詞で漫遊記」。
たくさんのリクエストやおもしろいメッセージが寄せられたそうで、期待できそうです!
この番組について触れています。
https://pikao.hatenablog.com/
そして、キム・シャタックさんの記事と、The Muffsとしての最後のパフォーマンスが見られるのはこちら。
https://nme-jp.com/news/79583/
◆「ベースの日」に、石田ショーキチさんがこんなことを。
https://twitter.com/ishidalf/status/1193920211205808129?s=11
◆ SEさんからの情報です
ハライチの岩井勇気さんが、自身のラジオ番組で、『ロック大陸漫遊記』で草野マサムネさんが自分の著書に触れてくれたこと(ココです)を話していたとか。
「本を出してよかった。マサムネさんが本を宣伝してくれたんだけど、そのことで、この世にいるとは思えない、夢みたいな存在の草野さんと自分の世界がつながった」
というようなことを話していたそうです。
SEさん、ありがとう!
折りじわの入った古い日の丸が1本だけはためいていたりするのを見ると、悪くないなあと思うくらいには大人になったけれど、異様な数の日の丸の小旗が揺れている光景には、ちょっとひく。
それから、万歳ってしたことないんだけれど、どういう気分のときにやれるものなのか、いまだにわからない。
「桜を見る会」は、もう論外。首相の後援会云々以前に、こういう時代に年々派手になっていくことにまず疑問。
桜を見る余裕もなく必死な人も多くいるのだから、招待なんか受けずに、一人で桜を見ろ、とか思ってしまう。
首相の周囲ではしゃいで写真撮影している芸能人をテレビ画面で見ながら、あの人たちのファンでなくてよかったなあ、とそんなことを思う私も、大したことないな。