2021.11.28
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
11月も最終週、もうすぐ12月。そしてラーメンとかがおいしい季節、と。
先日、20年ぶりくらいに入ったラーメン屋さん、「相変わらずおいしかった」そうで。
前はなかった、紙のエプロンが置いてあって、白いシャツだったのでつけてみたら、「ラーメンの汁って結構飛んでんだね。いままで無頓着だったけど、結構な飛沫を経験できた」そうだ。
で、「トイレでは男性も座って用をたしたほうがいいのかなと思った・・・というオチでして」。
(え~、そのオチ??)
そして今回は、【ウェールズ語のナンバーで漫遊記】。
ウェールズ語は今もイギリス国内で多くの人が日常的に使っている言語。
「UKロックでも英語とは全然違う言語で歌われている世界」というのが草野くんにとっても驚きで、「掘っていくと、いいバンドが多くて、もうちょっと知られてもいいのでは?」ということで、今回の特集になったそうだ。
オンエア曲
01 幻のドラゴン(スピッツ)
02 Dyma Ni(Fleur De Lys)
03 Hogia Ynys Môn(Endaf Emlyn)
04 Doli Glwt(Sidan)
05 Y Ffordd(Yr Alarm)
06 Gyda Gwen(CATATONIA)
07 Dal i ddysgu(Y Bandanar)
08 Geni Yn Y Nos(Yws Gwynedd)
09 i don't know me,(みつき)
10 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツの「幻のドラゴン」(2010年、13thアルバム『とげまる』/ブリジストンのCM)。
ウェールズのフラッグの中央に龍が描かれていることから、この曲。
(ギターのリフもおもしろいし、歌詞も前向きでかわいい。「君に夢中で泣きたい ザクザク坂も登る♪」・・・)
(この歌のスピッツらしい疾走感が冬景色の中のタイヤのCMにぴったりでした!)
https://www.nicovideo.jp/watch/sm12823999
リクエスト紹介終わりに、「おもしろいラジオネームが多くて、ちょっと動揺してしまいました」って。
最初の曲は、「ワタクシがウェールズ語の曲に興味をもつきっかけになったバンド」、Fleur De Lysの「Dyma Ni」(2019年、アルバム『O Mi Awn Ni Am Dro』)。
Dyma Niは「オレたちはここにいるよ」というような意味。
草野くんがウェールズ語の曲になぜ興味をもったのか?
去年の夏ごろ、60年代のバンド、The Fleur de Lysの曲をサブスクで聴こうと思って検索していたら、たまたま同じ名前のこのバンドに遭遇。 「これがなかなかよかった」。
YouTubeやサブスクでは、こういう出会いがある、と。
でもネット上にはあまり情報もなく、それでも調べて、これがどうもウェールズ語らしい、と判明。そして、ウェールズ語のロックというのも「意外と大きなカテゴリー」だということもわかってきたが、日本ではあまり紹介されていない。
スコットランドやアイルランドにあるケルトの伝統音楽に根ざしているような音楽ではなく、「あくまで普通のロックをウェールズ語でやっている人が多い」。もちろんトラッドな音楽を志向しているミュージシャンもいるけれど、と。
そして、ウェールズ語について。
ヨーロッパ最古の言語で、現地では「カムリ語」という。現在、この言語を使っている人は50万人ほど。
巻き舌を使ったり、空気の出し方が独特だったり。「ちょっとマネできないんですけどね」
ローマ人やアングロサクソン人がブリテン島に迫ってくる中で、「独自の言語を保っていたというのはすごいことだなと思います」。
もちろん「たいへんな苦労もあり」、19世紀には、英語を使用しないと職につけなかったり、学校教育でも英語を強制されたりしたそうだ。
草野「こういう少数言語に対する弾圧は、日本を含め、古今東西どこでもあったことだと思います」
イギリスって言えば英語でしょ!と思っていたから、「U.K.の中にここまでしっかりと英語ではない文化圏が存在していることが驚きでした」。
次に紹介するのは、「70年代のシンガーソングライター」、Endaf Emlynの「Hogia Ynys Môn」(1973年、アルバム『Hiraeth』)。
70年代の古い音源から。(英語ではないけれど、あの頃の懐かしい風を感じてしまう)
エレキギターの弾き語りだそうだ。
「Hiraeth」は、「望郷」とか「憧れ」という意味。
(アルバム『Hiraeth』、通して、心の奥に響くサウンド。昨日からこれを聴きながら仕事している。)
次は、「主に70年代に活躍したフォーク寄りのバンド」、Sidanの「Doli Glwt(「布の人形」という意味)」(1975年、1stアルバム『Teulu Yncl Sam』)。
ウェールズのローカルではそれなりに知られていたバンドで、YouTubeにも動画があがっている。メンバーだったキャリル・パリー・ジョーンズさんはのちにウェールズで、ソロシンガー、TVのMCなどマルチな活動をしているそうだ。
今回、探っていて草野くんがいちばんはまったバンドで、「めちゃめちゃ癒される。チープなシンセの音がかわいい曲を」と。
Sidan - 1973
(きれいな声。この方がキャリル・パリー・ジョーンズさんのようです)
次の曲は、「80年代の」Yr Alarmnの「Y Ffordd」(1991年、ウェールズ語名義の1stアルバム、バンドとしては6thアルバム『Tan(「火」という意味)』)。
Yr Alarmnは、U2のツアーに同行したり、わりと人気のあるバンドだったそうだ。この番組のディレクターもアメリカでライブを見たことがあった、と。
(シンプルなサウンドが気持ちいい楽曲。)
ここで、Yr AlarmnのYrについて。ウェールズ語でyは冠詞で、母音で始まる名詞の前ではyrとなるそうだ。
旅にはラジオ持参で、「現地のラジオ局を聴くのが好き」。
海外に行くときも同様で、以前に撮影でスコットランドを訪れた際、ラジオから聞き慣れない言語が流れてきた。
コーディネーターの方に尋ねたら、スコットランドのゲール語だった、と。
英語とゲール語はまったく別の言語にきこえるし、単語なども異なる。日本で言う「方言」などではなく、「まったく違う言語と考えてよさそうです」。
ゲール語もウェールズ語もケルト語系に属するわけで、「ケルト語はなかなか奥が深い」。
次は、「90年代に世界的に人気のあったバンド」、CATATONIAの「Gyda Gwen(「グエンと一緒に」という意味)」(2009年、コンピレーションアルバムより)。
ウェールズの中心カーディフで結成され、先ほどのYr Alarmnと同様、基本的には英語の曲だが、ウェールズ語のナンバーもあるという。
草野「エンヤをもっと素朴にした感じかな」
(最初、スウェーデンのヘビメタバンド、Katatoniaと勘違いして、あれ、曲調が・・・と慌ててしまった)
この曲は、初期のレコーディングセッションの傑作と言われる。
Catatonia - Strange Glue (Glastonbury)
(これは英語の曲のパフォーマンスですね)
次は、Y Bandanarの「Dal i ddysgu「学ぶ意味」という意味」(2016年、3rdアルバム『Fel Tôn Gron』)
Y Bandanarは、2007年、オーウェンス兄弟とそのいとこを中心に結成され、2016年にすでに解散。
この曲などを聴いて、草野くんが改めて思うのは、「英語の響きとはまったく違う。巻き舌などのせいか、むしろイタリア語のほうに近いかな?」
ウェールズ語にはいくつもの方言があるが、彼らの出身地カーナーヴォンはとくにディープなウェールズ語を人が多いそうだ。
(たしかに巻き舌多し。フランス語の「r」の発音に似た音も聞こえてくる)
(このアルバムのジャケットかも。)
最後は、「今世紀に入って活動を始めたバンド」、Yws Gwyneddの「Geni Yn Y Nos(「夜に生まれる」という意味)」(2017年、2ndアルバム『Anrheoli』)。
このバンド名にもあるが、ウェールズ語では「dd」を「ズ」と発音するらしい。
このバンドは、Ywain Gwyneddを中心にノースウェールズで結成されたバンド。
草野「曲がよくて、なんか、いいの見つけちゃった、という感じで、うれしくなりました。見た目もカッコいいし、個人的に今年の大当たりアーティスト! 今後に期待したい」
Yws Gwynedd - Sebona Fi (Fideo)
特集の最後に。
今日の内容は、すべてインターネットで手に入れた情報なので、「間違いがあるかも」。ウェールズに詳しい方がいらしたら、間違いの指摘とともに「いろいろ教えていただきたい」。
(いろいろなタイプの楽曲をセレクトしてくれたし、どれもポップな感じで、大人になって新しい音楽に触れる楽しみをいただきました。)
そして、200回を迎えた番組へのお祝いメッセージがたくさんあったそうで、「ほんとうにありがとうございます」。
草野くんの「ありがとう」メッセージもHPにアップされていますね。
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
曲は、みつきの「i don't know me,」(2008年、デビューアルバム『COLOR』)。
みつきさんとは・・・、「今では日本を代表する女優さんの高畑充希さんのこと」。
朝ドラの『ごちそうさん』で、くら~い少女が市場で歌い出したらそれがあまりにうまくてあたりが騒然とするという場面があり、「すごいインパクトだった」。
すでにミュージカルなどで知られていたが、草野くんにとっては「初 高畑充希」だったそうで、衝撃度がハンパなかったようだ。
女優としてブレークする前にリリースしたアルバムから「ロックっぽい曲を」と。
矢井田瞳さんの作品だそうです。
(力を抜いて軽く歌っていても伝わるエナジー)
そして来週は、【デジロック的なナンバーで漫遊記】。
90年代にあった、エレクトロミュージックとロックの融合。そのなかで、ロック寄りなアーティストを「デジロック」などと呼んでいた。
この前の「ヘアメタル」のように曖昧な概念なので、「あくまでも『デジロック的な』ということで」だそうだ。
そして、「草野さん、イチゴ用のスプーンって使わなくなりましたよね」
(たしかに。実家を整理して持ち帰った中に何本かあって、捨てられずに引き出しにある・・・。最近のイチゴはみんな甘くて、コンデンスミルクかけて潰して食べたりしないもんなあ)
・・・ということで、今夜は『CDTV』の録画を確認しよう。
みなさんからの情報では、無事に「歌いだしアクシデント」もなく、ライブに行きたくなるような、かっこいいパフォーマンスだったようですね。
楽しみだ!
気になるニュースが次から次へ・・・。