『仁光の受難』(2016)
【作品詳細】
日本 / 2016 / 70分 / 監督:庭月野議啓(NIWATSUKINO Norihiro)
主人公は謹厳実直な修行僧、仁光。仁光の悩みは、若い娘から老女まで、なぜか女たちに異常に好かれることだった。絶え間ない誘惑に気が触れそうになった仁光は、自分を見つめ直す旅に出る。旅の途中で出会った勘蔵という名の浪人とともに寂れた村にたどり着いた仁光は、村長から男の精気を吸い取る「山女」という妖怪の討伐を頼まれる。かくして仁光と勘蔵は山へと向かう……。奇想天外な妖怪譚を巧みな編集を駆使して描いた作品。時折挿入されるアニメーションやVFXも絶大な効果を上げている。様々なジャンルの作品を発表してきた映像作家・庭月野議啓が4年をかけて製作した長編デビュー作。
【感想レビュー】@東京フィルメックス
11/23(水・祝)に『私たち』に続いて観たコンペティション部門の2本目。
これは…!!!!
フィルメックスの上映作品か!?!?!?!?
…と、あの場に居た多くの方が思ったかと思う。。
なんせ、おっぱいがいっぱいですからね
でもこれが面白かったんです
上映後のQ&Aで、監督が『お金(製作費)が無いから時間をかけた』と仰っていたのですが、なんだか胸が熱くなりました。
以前、監督とお仕事された方が質問されていて、製作費はいくらか?という凄ーい生々しい質問に1,000万円と迷いなくお答えになった庭月野監督。
(この美しい苗字は本名だと仰っていました)
映画はというと、修行僧の仁光が、凄まじい煩悩の渦に飲み込まれていく様が強烈でした。
その表現にアニメーションやVFXが時折り挿入されるのも面白かったです
また、ラヴェルのボレロで踊るダンサーの振付けと仁光の煩悩を払う身体の動きがマッチしていって、世界観がぴったりハマった時の昂りといったら…!!
もうブラボーなわけなのでした
フィルメックスの上映作品で、おっぱいがいっぱいなことのじわじわくる面白さは、最近よく云われる反知性主義をここに感じたことです。
つまり、Q&Aで林ディレクターが仰っていましたが、『仁光の受難』は本気の1本だと言うこと。
みなさん、フィルメックスは貧困に喘ぐ人々を捉えた映画のセレクトが多いとお思いかもしれませんが、そんなことはない、と。多少言い回しが違うと思いますが、そのような事を仰り、また会場から笑いが起きました。
みんな、少なからずそう感じていたという証拠ですよね、ふむ。
貧困に喘ぐ人々、同性愛、宗教、少数民族、など多くのマイノリティーの視点に立った映画に対して、おっぱいがいっぱいで照れ隠ししつつ、この本気の映画を撮るには、相当な知性の蓄積を要するという、この逆説的な面白さも加わり、なんだか痛快でさえありました
監督は、多くの構図を、もう最初から決めていたとのこと。
Q&Aは、上映前の舞台挨拶とは打って変わって温かく面白い空気感だったと思います
人間の煩悩との闘い、面白かったです
配給がつきますように…。
【作品詳細】
日本 / 2016 / 70分 / 監督:庭月野議啓(NIWATSUKINO Norihiro)
主人公は謹厳実直な修行僧、仁光。仁光の悩みは、若い娘から老女まで、なぜか女たちに異常に好かれることだった。絶え間ない誘惑に気が触れそうになった仁光は、自分を見つめ直す旅に出る。旅の途中で出会った勘蔵という名の浪人とともに寂れた村にたどり着いた仁光は、村長から男の精気を吸い取る「山女」という妖怪の討伐を頼まれる。かくして仁光と勘蔵は山へと向かう……。奇想天外な妖怪譚を巧みな編集を駆使して描いた作品。時折挿入されるアニメーションやVFXも絶大な効果を上げている。様々なジャンルの作品を発表してきた映像作家・庭月野議啓が4年をかけて製作した長編デビュー作。
【感想レビュー】@東京フィルメックス
11/23(水・祝)に『私たち』に続いて観たコンペティション部門の2本目。
これは…!!!!
フィルメックスの上映作品か!?!?!?!?
…と、あの場に居た多くの方が思ったかと思う。。
なんせ、おっぱいがいっぱいですからね
でもこれが面白かったんです
上映後のQ&Aで、監督が『お金(製作費)が無いから時間をかけた』と仰っていたのですが、なんだか胸が熱くなりました。
以前、監督とお仕事された方が質問されていて、製作費はいくらか?という凄ーい生々しい質問に1,000万円と迷いなくお答えになった庭月野監督。
(この美しい苗字は本名だと仰っていました)
映画はというと、修行僧の仁光が、凄まじい煩悩の渦に飲み込まれていく様が強烈でした。
その表現にアニメーションやVFXが時折り挿入されるのも面白かったです
また、ラヴェルのボレロで踊るダンサーの振付けと仁光の煩悩を払う身体の動きがマッチしていって、世界観がぴったりハマった時の昂りといったら…!!
もうブラボーなわけなのでした
フィルメックスの上映作品で、おっぱいがいっぱいなことのじわじわくる面白さは、最近よく云われる反知性主義をここに感じたことです。
つまり、Q&Aで林ディレクターが仰っていましたが、『仁光の受難』は本気の1本だと言うこと。
みなさん、フィルメックスは貧困に喘ぐ人々を捉えた映画のセレクトが多いとお思いかもしれませんが、そんなことはない、と。多少言い回しが違うと思いますが、そのような事を仰り、また会場から笑いが起きました。
みんな、少なからずそう感じていたという証拠ですよね、ふむ。
貧困に喘ぐ人々、同性愛、宗教、少数民族、など多くのマイノリティーの視点に立った映画に対して、おっぱいがいっぱいで照れ隠ししつつ、この本気の映画を撮るには、相当な知性の蓄積を要するという、この逆説的な面白さも加わり、なんだか痛快でさえありました
監督は、多くの構図を、もう最初から決めていたとのこと。
Q&Aは、上映前の舞台挨拶とは打って変わって温かく面白い空気感だったと思います
人間の煩悩との闘い、面白かったです
配給がつきますように…。