☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『羅生門 』(1950)

2016年05月18日 | 邦画(クラシック)
『羅生門 』(1950)

監督:黒澤明
出演者:三船敏郎、森雅之、京マチ子、
志村喬

【作品概要】
芥川龍之介の短編小説 『藪の中』と『羅生門』が原作。ある殺人事件の目撃者や関係者がそれぞれ食い違った証言をする姿をそれぞれの視点から描き、人間のエゴイズムを鋭く追及した。(Wikipediaより)

【感想レビュー】
観終えて、古典の奥深さに、もうただただ唸っております

登場人物達が代わる代わる事件の証言をするものの、それぞれ違う証言をするわ関わりたくないから嘘の証言をする者もいるわで、事件の全貌が見えてこない。それぞれがそれぞれの視点で物を言うので実際起きた事、思った事感じた事までが入り乱れて、もはや収集不可能なことに…。そんな中、エンドレス感たっぷりなボレロ似の音楽がシュールに響く。巫女のくだりとかも…これは…もはや喜劇だわ

人間って結局、自分に都合の良いように物事を見てしまうし見ているよなぁ…と思わず感じ入りました


そしてまた凄いのが、映画的な魅力たっぷりの画面

朽ちかけた羅生門の力強い佇まい。
そこに容赦なく降りしきる強い雨。

一転、藪の中の木漏れ日の輝き。
侍烏帽子の男に引かれた白っぽい馬に乗る市女笠の美しい女。その幻想的な雰囲気たりや…
モノクロのグラデーションの表現の多様さに圧倒されました。役者さん達がとってもとっても神秘的でした

寓話のような映画で、何度も観たくなりそうです