☆映画の旅の途中☆

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『幽閉者 テロリスト』(2006)

2014年11月16日 | 邦画(1990年以降)
『幽閉者 テロリスト』(2006)

監督:足立正生
出演:田口トモロヲ、PANTA、大久保鷹、梶原譲二

【作品概要】
’74年のパレスチナ革命にも参加した足立正生の監督作。リッダ空港事件の主犯格、岡本公三をモデルに、獄中での幽閉生活の中で自分自身と向き合う人間の姿を通して現代の闘争を提示した作品。音楽を国内外で活躍する大友良英が担当し、世界的アーティストPANTAとジム・オルークが、演奏だけでなく出演も果たしている。

【感想レビュー】
久しぶりに映画。借りてたDVDを早く消化しなくては!これがまた片手間になど観賞出来ない作品なのですが…
…観終わって今、凄まじく疲弊しております。

低予算映画という事もあって、舞台劇のようなセット。ユダヤ人などを始めとする外国人も、日本人が演じている事もしばしばあります。でも、舞台劇として観ていれば、そこまで違和感もありません。不思議なのですが。
出演者には、あれ!?若松孝二さん!?比嘉愛未さん!?柄本時生!?…のようなサプライズもあってびっくりしました。田口トモロヲさんは鬼気迫る様が凄くて…。

そして、当時の彼らの闘争精神のエネルギーと頭でっかちな論理展開の様子が分かりやすく描かれていました。
不快な周波数の電子音と摩擦音はキリキリと神経を逆撫でしてくるし、主人公の精神がとことん追い込まれていく様子からは、もう目が離せません。
精神の崩壊と自由。

主人公が牢で、光を感じて薄目を開けるシーン。ぼんやりと見えてきた格子が、一瞬、障子に見えた。どこに居るのか分からなくなる瞬間です。格子越しに見る異国の青空。虚を突かれます。

2時間の作品はほとんどがずっと牢屋の中にも関わらず、驚くほどの精神活動を強いてくる。

そしてこの作品でもやはり、ここではない何処かは無かった…。

足立監督の冷静な狂気が恐ろしい作品でした…



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