☆映画の旅の途中☆

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『よみがえりの樹』(2016)@東京フィルメックス

2016年11月29日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『よみがえりの樹』(2016)

【作品詳細】
中国 / 2016 / 85分 / 監督:チャン・ハンイ(ZHANG Hanyi)

舞台は中国陜西省の山間の村。映画は、数年前に亡くなった女性シュウインの魂がその息子レイレイに憑依した、という設定から始まる。レイレイの姿を借りたシュウインは、レイレイの父、つまり自分の夫に対し、自分の願いを伝える。それは、結婚当時に植えた木を別の場所に移植してほしい、というものだった……。チャン・ハンイの監督デビュー作である本作は、一種の幽霊譚とも言うべき作品だ。映画の中では幾つかの不可思議な出来事が起こるが、そういった出来事が奇異なものではなく、ごく当たり前のように描かれている点が興味深い。ジャ・ジャンクーが若手監督作品をプロデュースする「添翼計画」の最新作。ベルリン映画祭フォーラム部門で上映。

【感想レビュー】@東京フィルメックス
11/23(水・祝)、この日に観たコンペティション部門の3本目。

最優秀作品賞に輝いた作品です。

亡くなった妻の魂が、息子の体を借りて、夫の前に現れる。思春期を迎え父親に反抗的な息子が、とたんに声は高くなり落ち着いた物腰の妻になる…!
息子役の男の子が、可愛らしい顔立ちなので、なんかものっすごく馴染んでました
それでまたその状況をナチュラルに受け入れる夫や両親達。

葉の落ちた木々が、枯れた山間の村の実情を無言のうちに語る。限界集落だ。ほとんどなす術もなく、ただただ村の運命を受け入れている。

家の前の木を別の場所に移したい、という願いを叶えるため、息子の体に降りてきた妻をトラックの荷台に乗せ、あっちへこっちへと夫が走らせる。
輪廻転生をシュールに描いた寓話であると同時に、夫婦の静かなロードムービーでもありました

所々、緩慢に感じる時間帯はあったけど、これまた所々、吹き出しそうになる所もありました。

高い木の上に登った山羊達の抵抗とか


Q&Aで、本作の舞台、黄土高原地帯は監督が子ども時代に過ごしていた故郷なのだと仰っていました。監督曰く、冬は娯楽もなく、何もすることがない土地、だそうで。

Q&Aを聞きながら、監督は、そのような土地で過ごしながら、いつ、どのようなタイミングで映画の勉強をしようと思ったのかしら、とふと思いました。






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