■政府の農協改革、裏に米国の強力な圧力が発覚
Business Journal(2015.09.01)
https://biz-journal.jp/2015/09/post_11338.html
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JAバンクは、農協と信用農協、農林中央金庫で構成され、預金残高は90兆円を超え、みずほ銀行を超え国内2位である。
また、農協共済は資産52兆円、保有契約高289兆円で国内3位となっている。
これだけの規模でありながら組織形態は協同組合で、法人税も軽減税率が適用される。
また、株式会社でないため、株式保有による経営介入もできないし、買収もできない。
これに対して、民間企業との競争条件の同一性を要求しているのが、米国政府と米国金融、保険の多国籍企業である。
在日米国商工会議所は、米国政府の通商代表部(USTR)や米国商工会議所とも連携している、著名な米国多国籍企業で構成員される商工団体である。
意見書をまとめ、日本政府に対して絶えず圧力をかけている。
今回の農協改革にも、意見書で次のような見解を明らかにしている。
「J Aグループは、日本の農業を強化し、かつ日本の経済成長に資するかたちで組織改革を行うべき」
「JAグループの金融事業は、金融庁の規制を受けないことによって利益を得ている」
「JAグループの金融事業と、日本において事業を行っているほかの金融機関との間に規制面での平等な競争環境を確立し、JAグループの顧客が金融庁規制下にある会社の顧客と同じ水準の保護を受けるために、JAグループの金融事業を金融庁規制下にある金融機関と同等の規制下に置くよう要請する」
さらに、JA共済についても「日本政府は国際通商上の日本の責務に従い、共済を外資系保険会社と同等の規制下に置くべきである」との意見書を発表している。
この在日米商工会議所の意見書は、株式会社と同等の規制、すなわち農協の信用、共済事業を株式会社へ転換することを要求しているのであり、それにこたえようとしたのが、今回の農協法などの一部改正なのである。
・米韓FTAで韓国農協も株式会社化
農協の株式会社化は、すでに韓国で先行して実施されているが、それも米国政府の要求を受けてのものであった。
2007年6月に調印し、12年3月に発効した米韓FTA(自由貿易協定)で、米国政府は金融サービスにおいて金融機関の規制の同等性を要求し、韓国政府もそれを受け入れたのである。
これによって、農協の株式会社化への道筋ができたのである。
韓国政府は11年3月に新農協法を国会で成立させ、これにより韓国農協中央会の金融共済業務は分離され、持株会社の下で農協銀行、農協生命保険、農協損害保険にそれぞれ株式会社化されたのである。
さらに、経済部門も同様に株式会社化された。
この韓国農協の株式会社化は、日本の農協の株式会社化の先行事例になるのであろうが、日本の農協は、金融部門の預金量や共済の保有契約高も韓国農協をはるかに上回り、世界有数の規模を持っているだけに、その株式会社化の衝撃度は極めて大きい。
今、米国の穀物多国籍企業は、全農の株式会社化で全農の子会社である全農グレインを傘下に収めることを狙っているともいわれている。
全農グレインは、米国ルイジアナ州ニューオーリンズに世界最大の穀物船積み施設を保有しており、そこでは遺伝子組み換え(GM)作物を分別管理している。
GM小麦の導入を目指している米国にとって、GM作物を混入しないように管理している全農グレインは不愉快な存在でしかなく、全農をまずは株式会社化して、その後に全農グレインを買収するというシナリオは十分にあり得る。
いずれにせよ今後、農協、全農、経済連の株式会社化がどう進展するのか、注視していく必要がある。
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■政府の農協改革、裏に米国の強力な圧力が発覚
Business Journal(2015.09.01)
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