お久しぶりでございます。
さて本日は灰原三大記念日であります「宮野の日」でございます。
これは!この日だけはスルーできない!!ということで以下は宮野の日小話です。※ブランドSHIHOネタです。ご注意を。
ブランドSHIHOを始めてからフサエはこれまでよりも頻繁に阿笠邸に帰ってくるようになった。多忙なフサエだが「SHIHOの打合せ」や「SHIHOの仮縫い」などと様々な要件を口実にスケジュールをもぎ取れるようになったらしい。「思わぬ副産物だったわ」と笑うフサエとの時間を、阿笠は嬉しそうに、そして哀もくすぐったさを感じながらも大切に過ごしていた。
「日曜日の午後に帰るわ。新作ワンピースは自信作なの。楽しみにしてて」
昨晩、受信したフサエからのメールをもう一度読んでから、カレンダーに目をやる。今日は木曜日だから、あと三日。先ほどからもう数度目かの行動を繰り返す。
(そういえば昔もこうして何度もカレンダーを見返していたっけ)
と組織にいた頃を思い出す。こうしてカレンダーを穴を開くほど眺めては、明美と会う日を心待ちにしていた。
姉を亡くした時にもう二度と感じることがないと思っていた、家族と一緒に過ごす日を心待ちにする楽しみをこうして持つことができる喜びに哀の口には笑みが自分でも気づかないうちに浮かんでいた。
フサエが作ってくれるブランドSHIHOの洋服を身に着けるようになり、哀は明美のことや組織時代のことを夢にみることが増えた。といっても以前のように悪夢に魘されて飛び起きるものではない。ほとんどは研究室の窓から見えた空の青さだったり、明美とした何気ない会話だったり、こうしてカレンダーを眺めながら明美を待つ時間だったり、そんな当然あったはずの些細な日常の夢だった。冷や汗と共に恐怖を呼び起こしたかつての夢とは違い、それは仄かな苦みや痛みを伴いながらも、目覚めた時にどこか泣きたいような温かさを感じさせた。それは宮野志保として過ごしてきた時間もまた、今の自分にとって大切な意味を持っていることを教えてくれるものだった。
「私ね、哀にはあなたの中にある『志保』の部分を忘れないでいてほしいの。あなたは灰原哀として生きていくことを選んだけど、それは過去を捨てることじゃないと思うから」
「SHIHO」というブランド名にもの問いた気な哀に、柔らかく微笑んだフサエの言葉を思い出す。姉と生きてきた組織の中の時間がかけがえのないものだったことを、姉と同じ家族としての愛情が込められた服が哀にそれを教えてくれている幸せにを感じながら、哀は再びカレンダーに目をやった。
あと三日。
待ち遠しさに胸を弾ませながら、哀は「行ってきます、博士」と声をかけると学校へと駆け出した。
さて本日は灰原三大記念日であります「宮野の日」でございます。
これは!この日だけはスルーできない!!ということで以下は宮野の日小話です。※ブランドSHIHOネタです。ご注意を。
ブランドSHIHOを始めてからフサエはこれまでよりも頻繁に阿笠邸に帰ってくるようになった。多忙なフサエだが「SHIHOの打合せ」や「SHIHOの仮縫い」などと様々な要件を口実にスケジュールをもぎ取れるようになったらしい。「思わぬ副産物だったわ」と笑うフサエとの時間を、阿笠は嬉しそうに、そして哀もくすぐったさを感じながらも大切に過ごしていた。
「日曜日の午後に帰るわ。新作ワンピースは自信作なの。楽しみにしてて」
昨晩、受信したフサエからのメールをもう一度読んでから、カレンダーに目をやる。今日は木曜日だから、あと三日。先ほどからもう数度目かの行動を繰り返す。
(そういえば昔もこうして何度もカレンダーを見返していたっけ)
と組織にいた頃を思い出す。こうしてカレンダーを穴を開くほど眺めては、明美と会う日を心待ちにしていた。
姉を亡くした時にもう二度と感じることがないと思っていた、家族と一緒に過ごす日を心待ちにする楽しみをこうして持つことができる喜びに哀の口には笑みが自分でも気づかないうちに浮かんでいた。
フサエが作ってくれるブランドSHIHOの洋服を身に着けるようになり、哀は明美のことや組織時代のことを夢にみることが増えた。といっても以前のように悪夢に魘されて飛び起きるものではない。ほとんどは研究室の窓から見えた空の青さだったり、明美とした何気ない会話だったり、こうしてカレンダーを眺めながら明美を待つ時間だったり、そんな当然あったはずの些細な日常の夢だった。冷や汗と共に恐怖を呼び起こしたかつての夢とは違い、それは仄かな苦みや痛みを伴いながらも、目覚めた時にどこか泣きたいような温かさを感じさせた。それは宮野志保として過ごしてきた時間もまた、今の自分にとって大切な意味を持っていることを教えてくれるものだった。
「私ね、哀にはあなたの中にある『志保』の部分を忘れないでいてほしいの。あなたは灰原哀として生きていくことを選んだけど、それは過去を捨てることじゃないと思うから」
「SHIHO」というブランド名にもの問いた気な哀に、柔らかく微笑んだフサエの言葉を思い出す。姉と生きてきた組織の中の時間がかけがえのないものだったことを、姉と同じ家族としての愛情が込められた服が哀にそれを教えてくれている幸せにを感じながら、哀は再びカレンダーに目をやった。
あと三日。
待ち遠しさに胸を弾ませながら、哀は「行ってきます、博士」と声をかけると学校へと駆け出した。
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