先日も書いたtwitterで「お題とキャラを指定して小説を書く」という企画のお題が「哀ちゃん」ということだったので、これは書かねばいつ書く!と参加してみました。
という事で以下は【キャラ】灰原哀 【お題】買い物 です。
その日、米花スーパーの青果売り場には縞模様が特徴的な球体が所狭しと並べられていた。哀が自分の頭ほどの大きさのそれに目を奪われていると、先に店内に入っていたコナンが買い物かごを手に戻ってきた。
「何やってんだ、オメー?」
“特売”の札とともに並べられたスイカの棚の前で立ち尽くしたところを、怪訝そうにコナンに尋ねられて哀は我に返ると目の前にある商品名を読みあげた。
「スイカ…?」
「……オメー、もしかしてスイカの実物を見るの初めてなのか!?」
哀の様子から推測したコナンに驚いたように声を上げられて、哀はコナンに不機嫌そうな視線を向けるとサッとコナンの手から買い物かごを奪い取ると店の奥へと足を向けた。
「おい、ちょっと灰原」
声をかけるも、全く目もくれずに進む哀をコナンが慌てて追いかける。
「なあ、待てって。オメーがあんまり驚いてるからオレもビックリしちまってよ。まさかオメー、本当にスイカ知らなかったのか?」
「…悪かったわね。そうよ。丸のままのスイカなんて見たのは初めてだったわ」
「え?」
「…スイカなんて買ったって一人じゃ食べきれないでしょ?それとも貴方、組織で一つのスイカをシェアするなんてあると思うの?」
「いや、それはねーと思うけどよ…」
いつもの様な突き放した口調ながら、哀の瞳の奥には何やら別の感情にコナンは一瞬口ごもる。
「でしょ?だから今までスイカの全体像を視認する機会は無かったってわけ」
話を切って再び店の奥に進もうとする哀の手をコナンが掴む。
「じゃあ、買って帰ろうぜ。スイカ」
「な、何言ってるの?私たちは今夜の夕食の材料を買いに来たんでしょ」
「ああ。今夜はオレも探偵団のアイツらも博士ん家に泊まるんだし、スイカ買っても食いきれるだろ?ほら行くぞ」
「それはそうでしょうけど…でもどうして?」
戸惑う哀の手を引いてスイカ売場まで戻りながら、コナンは静かな声で言った。
「なあ、灰原。組織にいたせいで普通の生活で知らないことがあったからって、別にそんなの良いじゃねーか」
「……」
「だからそんな事、負い目に思うな」
「……そんなこと」
「オレは宮野志保の過去も含めてオメーの、灰原哀の側に居たいと思ってるんだぜ」
「工藤君……」
「せっかく灰原哀として普通の小学生として暮らしてるんだから、これから博士やオレや探偵団のアイツらと一緒に知っていけば良いんだよ」
「……うん」
「オメーが今まで知れなかったことは、全部オレが教えてやるからさ」
その言葉に小さく頷いた哀の手をコナンは確かめるようにもう一度握りしめた。
きっと哀ちゃんの今の生活は組織時代との違いで戸惑う事も多いと思います。そこはコナン君がちゃんとフォローしていろんな体験をしながら大人になって欲しいと思います。
という事で以下は【キャラ】灰原哀 【お題】買い物 です。
その日、米花スーパーの青果売り場には縞模様が特徴的な球体が所狭しと並べられていた。哀が自分の頭ほどの大きさのそれに目を奪われていると、先に店内に入っていたコナンが買い物かごを手に戻ってきた。
「何やってんだ、オメー?」
“特売”の札とともに並べられたスイカの棚の前で立ち尽くしたところを、怪訝そうにコナンに尋ねられて哀は我に返ると目の前にある商品名を読みあげた。
「スイカ…?」
「……オメー、もしかしてスイカの実物を見るの初めてなのか!?」
哀の様子から推測したコナンに驚いたように声を上げられて、哀はコナンに不機嫌そうな視線を向けるとサッとコナンの手から買い物かごを奪い取ると店の奥へと足を向けた。
「おい、ちょっと灰原」
声をかけるも、全く目もくれずに進む哀をコナンが慌てて追いかける。
「なあ、待てって。オメーがあんまり驚いてるからオレもビックリしちまってよ。まさかオメー、本当にスイカ知らなかったのか?」
「…悪かったわね。そうよ。丸のままのスイカなんて見たのは初めてだったわ」
「え?」
「…スイカなんて買ったって一人じゃ食べきれないでしょ?それとも貴方、組織で一つのスイカをシェアするなんてあると思うの?」
「いや、それはねーと思うけどよ…」
いつもの様な突き放した口調ながら、哀の瞳の奥には何やら別の感情にコナンは一瞬口ごもる。
「でしょ?だから今までスイカの全体像を視認する機会は無かったってわけ」
話を切って再び店の奥に進もうとする哀の手をコナンが掴む。
「じゃあ、買って帰ろうぜ。スイカ」
「な、何言ってるの?私たちは今夜の夕食の材料を買いに来たんでしょ」
「ああ。今夜はオレも探偵団のアイツらも博士ん家に泊まるんだし、スイカ買っても食いきれるだろ?ほら行くぞ」
「それはそうでしょうけど…でもどうして?」
戸惑う哀の手を引いてスイカ売場まで戻りながら、コナンは静かな声で言った。
「なあ、灰原。組織にいたせいで普通の生活で知らないことがあったからって、別にそんなの良いじゃねーか」
「……」
「だからそんな事、負い目に思うな」
「……そんなこと」
「オレは宮野志保の過去も含めてオメーの、灰原哀の側に居たいと思ってるんだぜ」
「工藤君……」
「せっかく灰原哀として普通の小学生として暮らしてるんだから、これから博士やオレや探偵団のアイツらと一緒に知っていけば良いんだよ」
「……うん」
「オメーが今まで知れなかったことは、全部オレが教えてやるからさ」
その言葉に小さく頷いた哀の手をコナンは確かめるようにもう一度握りしめた。
きっと哀ちゃんの今の生活は組織時代との違いで戸惑う事も多いと思います。そこはコナン君がちゃんとフォローしていろんな体験をしながら大人になって欲しいと思います。
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