今日は映画を観て来ました。マッド・デーモン主演の『グッド・シェパード』です。
眼鏡好き、スーツ好き、マッド・デーモン好きの私は予告編を見たときから、もしかして私のために作られた萌え映画かと注目していました(絶対に違う)。もう放映は終わってしまったかと思っていたのですが、まだ期間ギリギリでした。念のために言いますと、本当の内容はかなりシリアスな社会ものです(誰も間違えない)。
というわけで以下は私の言いたい放題、ネタバレ満載の感想です。
眼鏡好き、スーツ好き、マッド・デーモン好きの人はその全てが堪能できる映画ですが(もちろん私も十分楽しませていただきました)ストーリーはめちゃくちゃシリアスで笑いは全く無く、さらにはっきり言ってバッドエンドなので3時間の上映の後は多分テンションは下がると思います。
それでも全体としてはかなり面白い映画です。諜報という仕事の重要性のもつ残酷さやそれに関わる人たちの傲慢さや苦悩、アメリカという国と国民の関係そういったことをいろいろと考えさせられる作品でした。
映画の舞台はキューバ危機の頃、東西冷戦の緊張感が最も高まっていた時代のアメリカです。主人公のエドワードはCIAの高官で米軍のキューバ侵攻作戦が失敗したところから始まります。その後はエドワードの回想を中心とした彼の家族とKGB(なんだか懐かしい単語ですね)との情報戦を中心にストーリが回ります。
もともとエドワードは大学で詩を勉強するとても優秀な学生ですが、持ち前の観察眼と好奇心からどんどん裏の世界に近づいていくところは誰かさんを彷彿とさせます。
このエドワードという人は状況に流されるように人生を送っていきます。そして地位や権限が上がっていくにつれて諜報という仕事の汚さにもどんどん麻痺していくように手を染めていくのです。家庭においても常に流されるように女性と関係を持ち、結局は家族も守れません。そんな人生を送るうち最後には彼にとって大切なものが何かということも分からなくなっていきます。ラストシーンでCIAのオフィスを歩いていくエドワードの後姿は何だか痛々しかったです。
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