広島県立美術館特別展「ひつじのショーン展」
会期:7月15日(土)~8月27日(日)
夏休みは絵本、サブカル、子供受け。
今年の県立美術館の夏は「ひつじのショーン」展。
ひっそりと「ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー」を観ていた頃とは隔世の感があるなあ。
美術館には朝一で行ったが、会場は早くも幼稚園児や小学生で賑わっている。そんな中、ウォレスとグルミットのテーマ曲を口ずさみ、しきりにウォレスの「チーズ」の振り付けをしてしまうヤバいオッサン。
展示の方は基本、デザイン画や絵コンテ類と実物の撮影セットとの組み合わせ。
撮影セットは畳半畳から一畳程度もあり、予想より大きい。逆にキャラクターの撮影用モデルは予想より小ぶり。
撮影用モデルの常として、見えるところは凝っていて、見えないところは継ぎ接ぎでもOK。映画セットを見ているようで楽しい。
絵コンテ類やスケッチはすでに完成されきっていて、創作のプロセスの醍醐味はあまり感じられない。あと図版類は展示場所が少々高いのが難。おこちゃまたちが見にくそう。
各キャラクターの撮影用モデルも多数展示されているが、当然のことながら、作り込みは細かくない。撮影用モデルの製作風景も上映されており、簡単に粘土をこねてあっという間に作っていく。いとも簡単げに作っているが、シンプルなデザインだけに、わずかなフォルムの違いで全然別のラインに見えてしまうから、そこに熟練の技が感じられる。
撮影過程も上映され、今も非常に手間暇がかかることが見て取れるが、とはいえデジタル時代。撮影した画面をすぐに確認し、取り直しもできる点は、アナログな確認と記憶に頼っていたレイ・ハリーハウゼン時代とは、やはり違う。
1日6秒間しか撮影できないこともあり、撮影は20のスタジオで同時進行。こうなるとプロダクション・マネージャーが相当、経験豊富で、しっかりしていないと、進行管理に大変なことは想像に難くない。
こうなると美術というより、商業製品。
後半にはウォレスとグルミットも登場。大好きな「ペンギンに気をつけろ」の列車チェイスが上映されているが、何度見ても笑えるし、驚嘆するなあ。(「ミッション・インポッシブル」の第1作は「ペンギンに気をつけろ」にインスパイアされたというのが、自説。)
おこちゃまだちで賑やかな美術館も別の趣があって楽しいし、この子たちが美術館や博物館になじんでくれたらと思う。
さて、本展覧会で残念だったこと2つ。
まず、併催イベントとして子供向けのワークショップがないこと。クレイアニメーションなのだから、ぜひともストップモーションアニメを実践できるワークショップをやってほしかった。
その2だが、アードマンのアニメを最初に広島に紹介したのは「広島アニメーションフェスティバル」だったと思う。さらに初期の「ウォレスとグルミット」シリーズは当時の広島ステーションシネマが上映し、人口に膾炙する一役を担ってきた。こういった活動があって今のショーン人気があると思うのだが、そういったことは一切触れられていない。パッケージ化された展覧会とは言え、その辺は広島として少しこだわって欲しかったな。
会期:7月15日(土)~8月27日(日)
夏休みは絵本、サブカル、子供受け。
今年の県立美術館の夏は「ひつじのショーン」展。
ひっそりと「ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー」を観ていた頃とは隔世の感があるなあ。
美術館には朝一で行ったが、会場は早くも幼稚園児や小学生で賑わっている。そんな中、ウォレスとグルミットのテーマ曲を口ずさみ、しきりにウォレスの「チーズ」の振り付けをしてしまうヤバいオッサン。
展示の方は基本、デザイン画や絵コンテ類と実物の撮影セットとの組み合わせ。
撮影セットは畳半畳から一畳程度もあり、予想より大きい。逆にキャラクターの撮影用モデルは予想より小ぶり。
撮影用モデルの常として、見えるところは凝っていて、見えないところは継ぎ接ぎでもOK。映画セットを見ているようで楽しい。
絵コンテ類やスケッチはすでに完成されきっていて、創作のプロセスの醍醐味はあまり感じられない。あと図版類は展示場所が少々高いのが難。おこちゃまたちが見にくそう。
各キャラクターの撮影用モデルも多数展示されているが、当然のことながら、作り込みは細かくない。撮影用モデルの製作風景も上映されており、簡単に粘土をこねてあっという間に作っていく。いとも簡単げに作っているが、シンプルなデザインだけに、わずかなフォルムの違いで全然別のラインに見えてしまうから、そこに熟練の技が感じられる。
撮影過程も上映され、今も非常に手間暇がかかることが見て取れるが、とはいえデジタル時代。撮影した画面をすぐに確認し、取り直しもできる点は、アナログな確認と記憶に頼っていたレイ・ハリーハウゼン時代とは、やはり違う。
1日6秒間しか撮影できないこともあり、撮影は20のスタジオで同時進行。こうなるとプロダクション・マネージャーが相当、経験豊富で、しっかりしていないと、進行管理に大変なことは想像に難くない。
こうなると美術というより、商業製品。
後半にはウォレスとグルミットも登場。大好きな「ペンギンに気をつけろ」の列車チェイスが上映されているが、何度見ても笑えるし、驚嘆するなあ。(「ミッション・インポッシブル」の第1作は「ペンギンに気をつけろ」にインスパイアされたというのが、自説。)
おこちゃまだちで賑やかな美術館も別の趣があって楽しいし、この子たちが美術館や博物館になじんでくれたらと思う。
さて、本展覧会で残念だったこと2つ。
まず、併催イベントとして子供向けのワークショップがないこと。クレイアニメーションなのだから、ぜひともストップモーションアニメを実践できるワークショップをやってほしかった。
その2だが、アードマンのアニメを最初に広島に紹介したのは「広島アニメーションフェスティバル」だったと思う。さらに初期の「ウォレスとグルミット」シリーズは当時の広島ステーションシネマが上映し、人口に膾炙する一役を担ってきた。こういった活動があって今のショーン人気があると思うのだが、そういったことは一切触れられていない。パッケージ化された展覧会とは言え、その辺は広島として少しこだわって欲しかったな。
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