kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ローン・サバイバー

2014年04月16日 | ★★★☆☆
日時:4月4日
映画館:バルト11
パンフレット:A4版720円。増税の関係で20円なんて端数のあるパンフレットなんて初めて買った。

ディスカバリーチャンネルの「米軍:エリートへの道」という、米軍の専門部隊の選抜過程を追ったプログラムがなかなか面白い。(レンジャー、スナイパー、パラレスキュー、工兵など専門部隊が取り上げられるが、これらでさえデルタやシールズといった特殊部隊よりはまだ普通の部隊なのだから恐ろしい。)

このプログラムが面白いのは、その選抜過程というより、その選考過程を支える教育システムや公平さのシステマチックな組み立てられ方で、さすが何十万人の中からエリートを選ぶことに長けたアメリカ人らしさがよく分かる。(志願者はなぜか白人かヒスパニック系が多く、アフリカ系アメリカ人は驚くほど少ない。(と思う。))

広報番組ということもあるのだろうが、インタビュイーの志願兵の発言も「自分を高めるために参加しました。」「自分の限界に挑戦したいのです。」ととことんまで前向き。

映画のオープニングではそんな番組のダイジェスト版を見せてくれて、エリート中のエリートの物語であることが分かる。

現代のアフガニスタンでシールズの4名がタリバンの重要人物確保作戦に出動するが、予想外の展開からタリバンに追い詰められるお話。ストーリー展開は数年前の事実に基づいているだけあって、描写も正確なのだろう。ディテールも細かく、まさに先のドキュメンタリーの延長のよう。時代考証を無視した軍装がふんだんに出ていた戦争映画の頃とは隔世の感。

ところが困ったことに、これが映画として面白いかといえば、そこは疑問符。タイトルからして1人しか、1人だけ生き残るというオチが分かっているのだし、戦うのも4人なので演出的に幅が出ない。先にも述べたように特殊部隊の隊員は人間的には優れているので、いがみあうようなこともない。つまり生真面目に延々と銃撃戦が続くだけ。悪くいえば映画としてのケレン味に乏しい。

観ながらどうしても比較してしまったのが「ブラック・ホーク・ダウン」。最新兵器の米軍がよそ様の土地で袋叩きにあう同種の話だが、「ブラック・ホーク・ダウン」が作戦規模が大きく、ドラマに幅があるし、関与している人間が多いだけに、それぞれの思惑や英雄的行動が上手く出ていた。(まあ、監督の演出力の差も大きいのは間違いないのだが。)

それに事件と映画の時間的な差も要因だろう。本作は事件から日が浅いだけに、フィクションの入る余地がなさそうなのだ。

単調な銃撃戦はさておき、印象的なのは岩山、特にその岩山からの転落シーン。ワタシ自身、里山ハイキングが好きなので、それだけでワクワクする。特に広島市内ではこの映画のような岩稜が続く鎌倉寺山が大のお気に入り。あんなところから転がり落ちるのかと思うと観ているだけで、イタイ。普通死ぬやろと思わせるが、そこはシールズなので、かろうじて立ち上がり続ける。

そんな岩山をタリバンは執拗に追いかけてくるのだが、地元の山を知っていれば通りやすいルートも当然、熟知しているわな。

実際、アフガニスタンには行ったことがないのだが、景観に違和感をおぼえたら、ロケ地はニューメキシコ。やっぱり、植生が違うような気がするんだよな。

ところで、ここんとこ里山ハイキングに行けていないので、1日も早く行きたい。転がり落ちたりはしないけど。






題名:ローン・サバイバー
原題:Lone Survivor
監督:ピーター・バーグ
出演:マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ
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