先日、21日(日)に声楽教室おさらい会をしました。
発表会ではなく『おさらい会』
『おさらい会』はレッスンの延長線上にあり
今勉強していること
これまでの勉強したことを発表する場
と、私は考えてます。
聴いている人がどんな方たちでも
人数が多くても少くても
会場が大きくても小さくても
人前で演奏する機会を持てることは
とても有意義なことですし、大切なことです。
ただ『本番をこなすことが1番の上達法』
とは、考えていません。
むしろ、たった何分かの曲を演奏するために
時間をかけて地道にコツコツと
面倒くさがらずに練習を積み重ねていく。
その過程で得られる事のほうが多い思います。
私がウィーン留学中に師事していた先生は
毎週月曜日の夜、門下生のために
『konzertstunde』と言う時間を
取って下さってました。
直訳すると『コンサートの時間』
決してコンサートをするのではありませんが
その時、勉強している曲を
門下の中で披露し聴きあいをするのです。
門下全員が、勉強中の曲を歌います。
試験が近い生徒は試験で歌う曲を、
オーディションが近い生徒はその練習を。
毎週、同じ曲を歌うわけにはいきませんから
どんどん勉強していかなければなりません。
自然とレパートリーも増えていきます。
先生が厳しいのはもちろんですが
どんなに仲良しの門下であっても友達も
厳しい耳で聴いてます。
まるで公開オーディションのようでした。
そんな中で前に出て歌うのはとても緊張しました。
自分が練習不足や準備不足だったとき
先生への申し訳なさと、後悔だけが残りました。
今、思い出してもツラくなります。
いろんな面でかなり鍛えられました。
また『konzertstunde』では、歌や音楽だけでなく
人前で演奏する際に必要なルールであったり
ステージマナーもお勉強させて頂きました。
今、私が演奏活動をしたり教える立場になって
改めて大切な事だと感じています。
日々の練習では、
目に見えるほどの大きな1歩を感じることは
難しいかもしれません。
が、何より地味にコツコツと努力し
正しい方向で積み重ねていけることが
何よりの上達の近道だと思います。
継続できる事、それも立派な才能のひとつです。
いつの間にか、大きな1歩に繋がると信じています。
私自身ももちろんですが生徒さんと一緒に
今後も更に『小さな1歩』を重ね
いつか『大きな1歩』となるように
精進して参りたいと思います。