Green;私の心の語らい

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「永遠の0」を読んだ

2013年02月20日 | 読書
この本の存在はかなり前から知っていたが、今頃になって読んだ。
太平洋戦争について書いた「あの戦争…」ものはたくさんある。
どれも若い人には、とっつきずらいと思う。
この本は若い人も読める。
 これは秀逸!

本のタイトルが「永遠の0」で、小説は主として「ゼロ式戦闘機」そして「特攻隊」について書かれている。
「特攻隊」を美談ではなく、いかに人の尊厳を無視した非道の作戦か。
ということを、会話で表現している。
特攻に行かされたのは、大半が若い学生。
作戦を立案した人たちは生き残った。
会話にすると説得力がある。
「永遠の0 感想」で検索すると、色々な人が書いている。
著者の言葉はこれ。
多くの人が真剣にこの本を読んでいることが分かる。

この本は太平洋戦争についての史実、そして戦略、戦術などの検証も冷静かつ正確に書いている。
日本はアメリカの物量だけに負けたのでなく、戦術でも負けていた…と。

私がこの本を読んで納得できたことは、いくつもある。

例えば小説の中で、取材する姉と弟の会話。
「私一つ気が付いたことがあるの」
「何?」
「海軍将官クラスの弱気なことよ。
自分が死ぬ心配が一切ない作戦は、強気というよりも無謀、命知らずの作戦を一杯とっているのね。
ところが自分が前線の指揮官になって、自分が死ぬ危険性があるときは、すごく弱気になる。
勝ち戦でも反撃を恐れて、すぐに退くのよ」
「真珠湾攻撃で、現場の指揮官は第三次攻撃隊を送りましょうと言っているのに、南雲長官は一目散に逃げかえっている。
珊瑚礁海戦、ソロモン海戦も。
ハルゼーが言っていたらしいけど、日本軍にもう一押しされたら、アメリカがやられていた戦いは相当あったようよ。
その極め付けが、レイテ海戦の栗田長官の反転よ。
反転しては戦いに勝てないわね」
これは海軍での出世に起因していると、この後に会話が続いている。
もう一つ。
取材に応じた元海軍中尉(小説の中)の発言。
「私はあの戦争を引き起こしたのは新聞社だと思っている。
日露戦争が終わって、ポーツマス講和会議が開かれたが、講和条件をめぐって、多くの新聞社が怒りを表明した。
そして日比谷公会堂が焼き討ちされ、小村寿太郎も国民的な非難を浴びた。
私はこの一連の事件が日本の分水嶺だと思っている」

Greenも同感。
 この本を読むと分かる。
<本からの抜粋>
ある新聞は、小村が帰国するときに、
「我が国民は断じて彼の帰朝を迎ふるなかれ、之を迎ふるには弔旗を以てせよ」
また、ある新聞は
「嗚呼、千古の大屈辱」
別の新聞は
「批准拒絶の一途あるのみ」
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