カンテレあんさんぶる

ル-ツⅠ

今やマイナ-な楽器から少しずつメジャ-になりつつあるカンテレについて少し説明をしたいと思います。ご存知の方も多いかと思いますが、カンテレは「森と湖の国」フインランドの民族楽器です。カンテレは、北欧のこの美しい国を代表する民族楽器で、その歴史は紀元前まで溯る事が出来ます。由来に付いては、楽器の本などでは不明、として扱われる事が多いようですが、ツイターなどバルト海沿岸の民族楽器と同族とみなす事も出来る様です。ただ、音色の点では、ツイターはギターに近く、カンテレはハープに近いようにおもいます。まあ、簡単にいえば日本のお琴の様なものです。カンテレは1つの木片から彫り出された胴体に5本の弦を張った素朴な形態のものは、世界三大民族叙事詩のひとつである(カレワラ)の中に登場して、古代神話や民話、伝承文学の朗誦の時などに用いられてきました。使われた木は、松、もみ、はんの木、などが多く、まれに白樺、からも作られていた様です。弦は馬の尾の毛をよりあわせたものでした。
その後は、1本の木からではなく、各部分を組み合わせて作られる様になり、木も各部分ごとに、例えば底板と側面は松、表面は白樺、というように種類の違うものが組み合わされる様にもなりました。弦も銅やスチール弦が使われる様になり、弦の数も5本からどんどん増えていきました。
そして1927年、36弦のメカニックカンテレと呼ばれる、レバー、ミュート機構の付いた画期的楽器が発明されました。このレバー発明により半音階が演奏できる様になり、民謡を演奏する楽器からコンサート会場で、古典音楽から現代音楽をも演奏出来る楽器へと一躍進歩してしまいました。現在では今から6年ほど前にエレクトリックカンテレが作られ、コンピュ-タと接続して色々な効果音やリズムを作り出し前衛的な音楽も演奏するようになりました。民族楽器としてはこの様に形や演奏スタイルを変えていくのは楽器としては非常に珍しいと思う。それ故に私にとって非常に魅力的で可能性を秘めた楽器だと確信しています。
 この楽器の音色の特徴は何といっても清澄な響きにあると思います。そして何とも形容しがたい余韻が残り、聴く人の心を魅了する不思議な楽器です。まだお聴きになっていない方がいましたら是非一度コンサ-トにお出かけください。きっと虜になるはずです。


(写真左が伝統的なカンテレ、右が今年エヴァさんが演奏したエレクトリックカンテレ)
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