たそがれトンボ

京都福知山市三和町の丹波風景写真、歴史。福知山のイベントや時事。福知山市三和町でタオルを織る三和タオル製織

大原神社の周辺(町垣内と産屋)

2008-08-03 | 観光編、丹波、福知山
大原神社とは?

■大原神社と町垣内
大原の地は京都府福知山市三和町でも比較的山間にあり、
緑豊かなところです。

大原神社の境内から見下ろすと町垣内(まちがいち:小さな集落)があり、
その町垣内にそって小さな川が流れ、向かいに小さな産屋があります。


※破線内が産屋の利用があったとされる町垣内

この環境は形こそ変われど、根本的な所は変わっていません。
大原神社を訪れ、川沿いを歩きながら産屋に向かうと、
まるで日本の昔を歩いている気分になれます。

それは、昔の写真を眺めてみるとわかるのですが、
その当時を十分に想像出来る風景が
まだここには残っているからではないでしょうか。


※昭和23年頃の町垣内と現在の風景を元に、イラストに起こしたもの。



■大原の産屋とその場所

大原の産屋は、町垣内の川向かい、町外れにあります。
昔には、出産は穢れたものという血盆経の考えによる
影響だとされていましたが、最近ではまた違った
視点が有力な考えとされています。
(※これは次の投稿で説明)

産屋の造りは切妻屋根をそのまま被せたような形の
天地根元造(てんちこんげんづくり)と呼ばれる様式です。

大正末期までの屋根は藁をかぶせただけのような屋根
だったそうです。



※産屋の内部、中央の盛られた砂が「子安砂」。
奥の石詰みに、産後の後産(あとざん)を埋めました。

産屋が作られている場所は、
災害時にも安全とされているところにあり

昔、大水が来て田畑が流された時でも
産屋がある場所だけは水がつきませんでした。

水が退いたあと、流れついた流木で建てたのが
大原の産屋の始まりとも言われています。

それは昭和28年の大水害の時にも、
びくともしていなかったことから証明されています。
(これは写真にも残っている)

大原の産屋の利用は
大原区の中でも神社に近い町垣内のみで、
川向かいのどの家からも見え、
大原神社からもよく見える位置に産屋はあります。


※丘の上にある神社の境内から見た風景。