7月11日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
礼儀作法は潤滑油
私は礼儀作法というものは、決して堅苦しいものでも、単なる形式でもないと思います。それはいわば、社会生活における“潤滑油”のようなものと言えるのではないでしょうか。
職場では、性格や年齢、ものの考え方など、いろいろな面で異なる人びとが相寄って仕事をしています。そのお互いの間をなめらかに動かす役割を果たすのが礼儀作法だと思うのです。
ですから、礼儀作法というものは、当然、心のこもったものでなければなりませんが、心に思っているだけでは潤滑油とはなり得ません。やはり形に表わし、相手に伝わりやすくし、心と形の両面があいまった適切な礼儀、作法であってこそ、はじめて生きてくると思うのです。
2013年7月11日天声人語(OCN朝日新聞デジタル)
天声人語
▼美談調や英雄視は、だれよりも本人が迷惑だろう。ただ、背負わされた責任とストレスはいかばかりだったかと思う。人間の創りだしたものが人間を呑(の)み込もうとする修羅場で陣頭指揮をとった。文字どおり「最後の砦(とりで)」だった
▼おととい亡くなった福島第一原発の事故発生時の所長、吉田昌郎(まさお)さんに重なる故人がいる。28年前の夏に墜落した日航ジャンボ機の機長、高浜雅己さんである。背景も状況も異なるが、ともに制御不能となってのたうつ巨体と必死に格闘を続けた
▼日航機は、垂直尾翼が壊れたという致命的な出来事を知り得ぬままだった。「これはだめかもわからんね」という機長の声をボイスレコーダーは拾っている。福島原発も内部の様子は分からない。「これで終わりか」と吉田さんは思った
▼そういえばジャンボも、あの事故まで安全神話に包まれていた。まことしやかな神話が崩壊するたびに、文明の墓場のような光景が繰り広げられる。技術者として人間として、吉田さんにはもっと色々語ってほしかった
▼本社命令に逆らって海水注入を続けなければ、結果はさらに悲惨だったかも知れない。「あの人だから団結できた」という現場の声も聞く。それでも福島の被害は、かくも甚大である
▼折しも訃報(ふほう)の前日、電力4社は原発10基の再稼働を申請した。しかし緊急時の作業者の被曝(ひばく)限度などは、具体的な検討が進んでもいない。ご冥福を祈りつつ思う。「身を挺(てい)しても」の気概頼みで原発を操ってはならない。
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