ニッポン映画【神様はバリにいる】を観ました。
先日【王妃の館】を酷評し自己嫌悪に陥ったばかりなので、ちょっとは褒めてあげたかったんです。
でも・・・ダメ・・・。
実話だそうですが、今って実話流行りだなぁ。
実話って言や、客が喜ぶとでも思ってんですかね。
ストーリーは、バリ島で暮らすニッポン人大富豪“アニキ”が、独自の人生哲学で主人公他、周囲の人々の人生や考え方を変えていく、というもの。
いちおうはコメディです。
が、クスリともしませんでした。
クロイワ・ショウとかいうヤツが書いた【出稼げば大富豪】とかいうエッセイが原作だそう。
何やら香ばしいマルチ臭が漂います。
まず、堤真一=“アニキ”が徹底的にダメ。
ゲスで品が無く、オラオラ大声を出す大阪人を演じておりましたが、コントレベルのお芝居。
このヒトって関西出身者なのに、大阪弁下手っぴですね。
藤原紀香みたい。
んで、この“アニキ”が語る哲学もかなり薄っぺらい。
ある程度の経験と知識があれば、誰にでも言えるセリフばかり。
全く心に響きません。
この哲学を高評価するレビューがありましたが、きっと小学生だったんでしょう。
怪しさの中に純真な少年の様な心・・・、みたいな安っぽいキャラクター造形も鼻につく。
てか、キャラクターがステレオタイプの域にすら達しておらず、崩壊しているだけでした。
尾野真千子もダメ。
基本的に僕はこの女優さんが好きなのですが、どうも演じるキャラクターが一緒なんですよね。
お芝居は上手だと思うけど、おんなじキャラクターから脱しきれていません。
変顔したり、ヨダレ垂らしたり頑張ってはいましたが。
インポライミは嫌いなタレントでしたが、今作ではそれ程拒否反応が出ませんでした。
きっと、あの髪型が嫌いなだけかも。
菜々緒はホント良いオンナ。
今すぐ脱いで頂きたい。
ただそれだけ。
それにしても、レビューは高評価ばかり。
ネット民によれば『ステマじゃねぇの?』との事。
確かに、こんな作品を高評価するなど、頭ん中にウジが湧いているとしか思えません。
シネコンの台頭により、ニッポンには映画がとにかく足りません。
数の増加は、良作を生む可能性もありますが、愚作を生む可能性はもっと高い。
製作者サイドになんの理念もなければ、まともな作品が生まれる訳などないのです。
このままでは米国映画は勿論、韓国映画にも足元にも及びません。
この世のニッポン映画関係者に猛省を促します。
『人間の真価は分数のようなものだ。分母は自己の評価、分子は他人による評価である。分母が大きくなるほど、結局、真価は小さくなる』レフ・トルストイ(ロシアの小説家/思想家・1828~1910)
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