ユニクロが、最大で正規社員の賃金を40%UPするなどなど、大企業を中心に賃上げの動きがでている。これ自体は歓迎すべきことだが…目に見えてこないところもある。
それは非正規社員の賃上げだ。派遣法の改悪などで非正規化を進めてきた自民党政権。いまでは働く人の約4割が非正規雇用となっている。ユニクロも非正規が多くを占めている。賃上げとなるのは実はごくごくわずかな人に限られているのが現状だ。
そしもうひとつが、下請けとなる中小企業に対して、大企業がコスト上昇分の値上げ要請に応じているか、どうか。適格な契約を結んでいるかどうか(いわゆる下請けいじめになっていないかどうか)。が大きい。中小企業自身に賃上げする気持ちがあってもここが行われていないと「ないものは、できない」のが現状だからだ。
先日、中小企業庁は、中小企業の値上げ要請に応えていない企業名を初めて公表した。
コスト上昇分に対する価格転嫁割合について、平均「4割未満」しか応じなかった大企業は42社。日本を代表するような企業ばかり。↓
最もひどかったのが、日本郵便…らしい…。評価は、値上げ要請に対して、価格「据え置き未満」という最悪な結果だ。日本郵便は、民営化して、なにか良いことなんてあったのだろうか?
大企業の内部留保(貯金)は、500兆円を超えた。10年前と比べると57.3%も増加している。売上高はというと9.9%しか上昇していないのに経常利益は77%も増えている。賃上げにまわったのは7%ほどしかない。これは賃上げを抑制し、大幅なコストカットをしてきた結果といえる。
安倍政権の下で大企業の法人税率を連続して引き下げてきた結果、増えたのは大企業役員の報酬(27.6%増)だけ。
非正規化と金持ち応援の自民党政治が、いまの脆弱な日本をつくってきたといえる。