「京都 出会い旅⑫」<クリックで戻る>
京の造り酒屋と京町家文化を探求する大人の修学旅行
<キンシ正宗 堀野記念館>
京都の街中にあり、造り酒屋の歴史と町家文化を伝える貴重な建造物である。
堀野記念館の名は、創業者堀野家の本宅であったことから。
造り酒屋と、堀野家の旧本宅が同時に見学できる。
<H12 京都市の有形文化財に指定>
キンシ正宗の創業は、天命元年(1781)若狭出身の初代松屋久兵衛がこの地の
良質な水を生かして、造り酒屋を創業したことに始まる。
前置きはこれくらいにして、さあ 大人の修学旅行の始まりです。
10人程度の小グループ単位で、館内を案内してもらえます。
この日のガイドは、菊井さん。
自作の研究資料と案内原稿を携えていますが、全て頭にインプット!
お酒の素となるお米のサンプル。磨きの割合で、出来上がるお酒が全く異なる。
先ずは「天明蔵」の見学から。
蔵の中に入る前に見上げた館内の天井。 高~~い!歴史を感じさせる梁だ。
さて、蔵の中に入りましょう。
圧倒される樽や酒造りの道具類の数々。
貴重な酒蔵道具が残っていて、伝統的酒蔵の風景を見ることができる。
温厚な口調で、且つ熱心に解説される菊井さん。
蔵の周りは土壁でできていて、蔵の室温は常に16℃に保たれている。
当時はもっと広かったそうだ。現在は1/10くらいの大きさで保存されているとか。
↓ 蔵の中の展示品。
お酒が出来上がるまでに、こんな工程を経てこんな道具を使っていたんだなぁ~。
箪笥のように見える四角い箱は、プールのようになっている。
大豆から醤油を作るのと同じ原理。
もろみが出来上がる。
テレビ番組でもよく見かける杜氏が長い棒でゆっくりかき混ぜる
原酒の入っている細樽。
蔵を出て、中庭に出る。
京町家に京の名水あり。
名水「桃の井」
京の名水「染井の水」と同じ水脈のここの水は、
毎時3トンもの豊かな水量で年間を通じて水温16℃を保っている。
後で登場する町家麦酒の美味さの秘密は、堀野記念館中庭から滾々と湧き出る「桃の井の名水」にある。端麗な切れ味を持つ数々の名酒を生み出してきたのはこの名水に他ならない。
カモシカが毎日飲んでいる地元柿田川の湧水<日本の水100選のひとつ>も
年を通して水温が15℃だから、似ているね。
奥に見えているのは文庫蔵。
菊井さんが、手際よく試飲の準備をしてくれます。
たいやきさんと思わずカンパ~イ!
美味いんでないか~い! ルネッサンス~!
街中でこんな名水が湧き出ているとは! まろやかで柔らかい感じがした。
成分表の解説。伏見の水は硬水だが、「桃の井」の水は軟水だ。
たいやきさんの質問に 丁寧に答える菊井さん。
井の奥にある文庫蔵
耐火性に優れた蔵で、「蛤御門の変」の際にもキンシ正宗の酒を守り抜いた。
現在は、創業した場所を証す「亀屋町内絵図」などの古文書や
当時、記念館の向かいにあった白木屋呉服店(現;東急百貨店)の
紋入り瓦などが納められている。
間口の広さによって課税額が異なったので、相対的に町家の間口は狭く
奥に鰻の寝床のように細長いのが特徴だが、
絵図に見られる間口の広さから当時のその家の格式も読み取れる。
文庫蔵内の見学が終了すると 再び館内のスタート地点に戻り
レトロなポスターが飾られている前を抜け
帳場の案内から 本宅の見学が始まる。
帳場は見てのとおり狭い。一般客はここでの応対と相成る。
帳場の隅には入口のものよりもっとレトロなキンシ正宗のポスターが!
狭い急な階段を上がって2階へ・・・。(上がりきって見下ろした所)
大事なお客様は こちらへ。
↓ 二階十畳間
平書院造り
角の床柱を用いた畳床、平書院の筬欄間など、
端正な座敷構えはお客様をもてなす部屋。
大事なお客様だけが通された見事なお部屋。
こんな場所で商談成立と相成るわけで・・・・・。
菊井さんの説明に熱心に耳を傾けるたいやきさん。
いよいよ私もたいやきさんもお目当てにしていた「格子」のある部屋です。
京町家の顔である「格子」は、細い角材を縦横に隙間を空けて組んだもの。
開け方の加減で光や風を取り込むことができる。
外からは見えにくく、中から外の様子はよく見えるという機能性がある。
間口の狭く奥行きがある町家の構造から、生活しやすいようにいろいろな
工夫が施され究極のこのような形が出来上がっていったのだそうだ。
中庭を望む窓ガラスは、大正時代の貴重なもので、
斜めに見るとガラスが波打っています。
現在、このガラスを作る職人さんはもういないそうで、割ったらおしまいとのこと。
虫籠<むしこ>窓のある部屋!
町家の二階は天井が低く、斜めになっている。
現代のロフト風。その訳はこの後に出てきますよ。
通りに面している部屋の窓は、土で塗り込められており、
それが虫籠のように見えることから虫籠窓という。
土でできた窓枠は、燃えにくく、壁と一体化しているから、
壊したり、外したりできません。
外から部屋の中を窺い知ることはできませんが、
部屋の中から外の様子は全て丸見え。
ではVIPルームへ。。。。。
重要な商談相手、客人になればなるほど
帳場→ 奥座敷→ 二階座敷に通されます。
たいやきさん、菊井さんから離れず間近で説明を聴く真摯な態度がGood!
「鞘の間」
大事な客人は二階の本座敷では、舞妓さんの舞と食事で、もてなしを受ける。
いわば、座を楽しませる舞などが行える舞台として設えられていたわけだ。
襖や欄間に装飾がないのは、舞妓さんを引き立たせるために、
あえて殺風景にしたのだそうです。
千晴も記念に1枚!
隅っこの丁稚部屋には天窓もあった。
町家の構造上の工夫。 隣家の火災からの類焼を防ぐ。
町家の多くは二階が低く、現代のロフトのような造りになっている。
これは、隣家の火事の炎を、直接壁ではなく、
低い屋根を伝って上に逃がすためで理工学的にも理に適った造りになっている。
解説案内が全て終わったところで、寛ぎタイム。
他の数名の見学者は、さっさと「ある目的」のために1階へ降りてしまいましたが、
私たち3人はお話したり、写真を撮ったり。。。。。
ガイドの菊井さんと一緒に!
たいやきさんとも一緒に!
菊井さんに質問したり、京都検定の話を伺ったり、
言う事を聞かない性質の悪い修学旅行の中高生を案内する時の
苦労話を伺ったりと プラスαなひと時を過ごしたのでありました。
「堀野記念館」→→→→→1階に戻って、まだ続きがあるんです!!
「京町家と酒蔵研修!(堀野記念館 後半) 」 に続く <⑬>
町屋の風景に古い酒蔵。。まさに大人の修学旅行ですね。
いつもながらの詳細さに、勉強させて頂きました♪
レトロなポスターが好い感じ。。試飲が楽しみなんですよねぇ。
これ羨ましいなり・・・
マジで行きたいんですけど\(◎o◎)/!
カモシカさん京都に行く機会多いデスね
いいな~
私も、さっさと「ある目的」のために1階へ降りていってしまいそうです。
酒は水が命といわれるように、美味しい水のあるところに美味しいお酒がありますね。
伝統的な酒造で、建物は機能的な作りにもなっているのですね。
4日目のメインエベントお楽しみに!
>町屋の風景に古い酒蔵。。
とってもよい雰囲気でした。
触りしか紹介できませんが、京都の人の繊細さと伝統を守る心・・・。こんな角度からふれるのも!
>レトロなポスターが好い感じ。。
シャインさん好みだと思ってました。
試飲って、分かりました?(笑
食う寝るさんなら、そう来ると思ってました!
虫籠窓と大吟醸とどっちがいいですか?(笑
京都か奈良、毎年定番ですよ。以前の春にも食う寝るさんと被りましたね。
>伝統的な酒造で、建物は機能的な作りにもなっているのですね
よい研修となりました!
>美味しい水
お茶も、料理も。そして、山でも!
美味しいものと生命のポイントは水にありですね。
>私も、さっさと「ある目的」のために・・
つばささんもそっちグループの先陣ですね!