涸沢~北穂(東稜)・南稜
消えた夏休み
涸沢カール
今年も恒例の 『槍・穂高大縦走』! のはずであった。
夏休みは7月29日~8月3日をすんなり取ることができた。そこまではよかった。
28日までは晴天が続いた北アルプス。
しかし、29日からは太平洋高気圧の勢力が弱まり雨模様となる。
自宅待機の29~30日。天気予報や天気図とにらめっこで時間が過ぎてゆく。
この時点で槍ヶ岳~大キレットはパスとなった。1日からは間違いなく晴れるが、
31日は曇りベースの気圧配置である。
3,000mの稜線に出て晴れれば由としようという考えで、槍はカットで
穂高縦走にコースをシフトした。
北穂~涸沢岳~奥穂⇔前穂~ジャンダルム~天狗岳~間ノ岳~西穂と
後半だけのラウンドに登山計画書を書き換えての出発であった。
快晴の上高地から槍ヶ岳~大キレット及び槍穂縦走記録は、
前年以降の山行記録を参照されたい。
上高地~涸沢間も毎度のレポで見飽きていると思うので今回は割愛します。
強いて言うなら、今夏は本谷橋・Sガレを過ぎると涸沢カールまでは
残雪豊富な雪渓歩きとなることである。
今回の記事は、大好きな涸沢カールからの写真となります。
快晴の涸沢カールである!
涸沢槍
北穂方面
千晴も 『ワン・だふる~~!』 いつまでも眺めていたい景色です。
マーブルチョコをばら撒いたような涸沢のテント村
涸沢ヒュッテのテラスにて。
涸沢小屋から眺める前穂北尾根
<この日の午後、北尾根第Ⅱ峰で女性が滑落し、重傷を負いました。>
ハクサンイチゲ
稜線に出るまでは ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ハクサンフウロ、
コイワカガミなどの高山植物の花々が目を楽しませてくれる。
北穂南稜を登る。 涸沢小屋からしばらくは北穂沢の雪渓を少し登ることになる。
草つきの少し南アルプスっぽい斜面を急登すると
すぐにゴルジュです。ゴロゴロに堆積した岩の上を急登していく。
中央左の登山者が小さいです。
青空の下、中央が北穂です! ゴルジュの上方を直登しつつ右へ回り込みます。
おいおい、南稜は左だろ。 いいんです。後ほど正規のコースに戻りますから。
ある目的のために 山岳パトロール常駐隊にも確認した上でのこと。
来年の狙いは、ここ。 そう、北穂東稜です!!
『ゴジラの背』 ここの岩稜を歩きたい!
確保なしのフリーで 高度感たっぷりのコースを登攀するための下見。
この雪渓をまっすぐ登っていけば、北穂に行けそうですが、
危険なので絶対やめましょう。 稜線を行かないと落石!
というか、カチンコチンの雪なので 夏でも前爪有のアイゼン必携です。
常駐隊曰く、東稜へのトラバースの際も軽アイゼンは安全確保上奨められない
とのこと。
頑張って登っても、登山ルートではないので、岩壁に阻まれますね。 汗
君登らずや 北穂高♪ 日本一高所に建つ北穂小屋が見える。
東稜の下見が済んだら、即ゴルジェを左に戻り 正規の南稜コースに戻ります。
最初の鉄ハシゴを過ぎても コースは岩岩した中を進みますが、
まだハイマツの緑がアクセントにあります。
ジグザグを登りきると本格的な岩岩になりますが。。。
右後方を振り向けば、 常念~蝶が雲海の中に浮かぶ。
左手後方を見下ろせば、涸沢カールから天に向かって恐竜の背のように
競り上がる前穂北尾根。
前穂から右に続く稜線は、もちろん奥穂~白出コル~涸沢岳→→→北穂へ。
写真も山行記録もここまで。 夏休みは終わった。
北穂山頂から見る大キレット越しの槍ヶ岳は ないの?
そうです。 今回の山行はピークなしです。
本当に残念ですが、ここでカモシカの夏休みは終わりました。
あと2日、快晴の日が残ってるでしょって?
いえいえ、終わったんです。
概略はこうです。
もう少し登った所で、上から『ラクーー!』の声!
先行者からの落石を受けました!
頭の大きさほどの石でしたが、余裕でコースを見極め回避することができました。
(数年前、ジャンダルムの下りで受けた小さい石でもイレギュラーでキューンと
肩をかすめた方がよほど怖かった。)
落とされて、腹が立つというよりは、なんか嫌~~な感じが自分自身にした。
なんだか分からないけど、嫌な感じを全身で感じていた。
これを第六感というのだろう。 図星であった。
しばらく登った急な所で、浮石に乗ってしまったのかスリップしたのか
定かではないが、不意にバランスを崩す。
察しのいい方はお分かりですね。
こけました。 強かあっちこっちを岩にぶつけました。 少々、ケガをしました。
下界でケガをすることはよくありますが、山では初めてでした。
歩けますのでご心配なく。 (ザックとサングラスが身代わりとなりました。)
広義から言えば、小さな滑落?だったんでしょうね。 <危うし> 即、帰宅。
「消えた夏休み」となった次第です。
擦り傷は癒えましたが、両手甲・指の強張りや左大腿部や
右膝内側の痛みが残ります。
今頃になって首筋や背中の強張りが増したのがなんですが、
傷や打撲は、日に日に回復し、自身ひと安心しています。
山の神様に助けられた思いです。
8月終盤には、アルプスに出かけられるかな?
岩のホールドが取れるように手指の回復がポイントになりそうです。
恒例の槍穂完全縦走は もう日程的に無理なので
少しでも愛する穂高の稜線に居たいと思います。
中途半端な山行記録となりました。恰好悪いですが、
これも自身の記録として留めておこうと思います。
早く復帰できるに越したことはありませんが、焦らずにいきたいと考えます。
そんなに急ぐと山が逃げるよ
ゆっくり行こう ゆっくり行こう
あせらずに行こう あせらずに行こう
口笛吹いて 汗をぬぐえば
くすんだヒュッテの赤い屋根
見なれた道さ 道さ
急ぐこたないさ ないさ♪
そんな事が起こってしまいましたか。
大きな怪我ではないとのことで安心しましたが、危機一髪な感は否めませんね。
無理せず回復してまた山へってとこですかね~!
大きな怪我でなくて、良かったです(^^)
まさに大怪我に至ってもおかしくない紙一重の状況でした。
後ろ向きで崖側に回転しながら落ちました。
何でもない所ですが、そんなところに事故の罠が潜んでいます。食う寝るさんも気をつけて夏休み山行にお出かけください。
ご心配をおかけします。
お陰様で、ザックやサングラスは破損して使い物になりませんが、よくぞ頭を打たなかったという思いです。四肢の骨折が無かったことも奇跡です。
つばささんもお出かけの際は気をつけて。
>山では、第六感は大切ですね。
つくづくそう思いました。
結果的に重傷にならなかっただけで、一瞬の出来事でしたが、もうダメかと思いました。
じもら~さんも気をつけて山行をお楽しみくださいね。
カモシカも山でこける。
この際うしくの山ちゃんのところへ行ってそくりょうを学ぶ機会にしたらどうでしょう。
ようやく大好きな涸沢カールへのコメント、嬉しいですね。初めて訪れた時は、日本にもこんな所があったんだと大いに感動したものです。
こける~滑り落ちました。
ことわざ大辞典改変「カモシカも岩から落ちる」汗、汗。。。
あらら、お怪我ですか?どうやら大事には至らなかったようなのでなによりです。
私もそこら中怪我だらけ、『無理できなくなってきたなぁ~』って思ってます。
それではお大事に、そしてまたリベンジされることを期待してますよ
こちらにある‘さるすべりの丘’のピンクの花が繚乱。
北ア大天井岳へ登ったおっちゃんが作った園で熊も出るよ。
松代の尼厳山、奇妙山の反対側の保科だよ。
去年9月3日のさるすべりの丘
http://d.hatena.ne.jp/negisi6960/20090903/1251970215