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画家 西野健太郎のアトリエ日記

語り

2011年04月22日 | 新作、制作過程
新作が完成しました。
タイトルは「語り」です。

年輪に沿って削った木の中に作品を入れる<木の記憶>シリーズで、木が長年見てきた、代々変わらない動物たちのフクロウ親子の姿を表現しています。

AVIVAの記事も書きましたが、僕がフクロウを描くようになったのは、その生き方が好きになったからです。

フクロウの夫婦は一度子育てを共にすると一生夫婦でいます。

子供が小さい間は、お父さんフクロウが獲物を持ち帰って、お母さんフクロウがその獲物を受け取って子供に与えます。

子供が大きくなってより多くの獲物が必要になってくると、お母さんフクロウも狩りに出かけ、共稼ぎをするようになります。

まるで人間の子育てとそっくりですね。

また2羽、3羽の子供がいても、誰をひいきすることなく、みんなに獲物を分け与えます。

フクロウからすれば厳しい自然の中で本能でやっていることかもしれませんが、そんなフクロウの家族を見ていると相手を思いやる愛情を感じてしまいます。

自分自身、動物の生き方からハッと気付かされることがあります。

家族というテーマを通して、そんな “思いやり” を表現していきたいと思っています。


「語り」29.0×38.0cm、アクリル、キャンバス、シナの木(額)

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©Kentaro Nishino