坊っちゃん入るべからず・・・南四丁目発by Ken's Channel

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「北海道山日和」

第77回富士登山競争・・・山頂コース初挑戦 【後編】

2024-08-27 16:35:41 | マラソン大会
7:00
初めての富士登山競走山頂コースがスタートした。

今回の参加に対して十分な練習したかといえばそうではないが、やれること最低限しての挑戦だ。
というのは昨年から膝を痛めてしまっていて、治療およびリハビリをしながら練習をしてきたが、やはり十分とは言えないからだ。
しかしそれも踏まえての今回の挑戦である。

スタートしてからのロスタイムは1分もなかったと思う。
昨年の5合目はコースの勝手がわからないし、スタートブロックもHブロックだった(今回と同位置)ので
スタート直後から積極的に前に前に行った。そのせいでロードが終わる馬の背でかなりのエネルギーを使ってしまったと思う。
今年は山頂コース初挑戦。試走はしてないので吉田コースの5合目以降の詳細はわからない。
やはりYOUTUBEと昨年完走した友人からの情報だけである。そんなことから、頑張らないといけないのは重々承知ではあるが、
頑張りすぎないで5合目を通過することを第一としてスタートした。要はあまりガーミンを見ず、ペースを気にしない。
強いて言えば私はDブロックなので、少しでも前のブロックのランナー(C出来ればB)の中でレースを進めることである。
少なくとも前のブロックのランナーは、5合目の持ちタイムは私より良いからだ。
走りのイメージとしては、昨年は少し歩いてしまった馬の背直前の急坂を歩かないで行くことである。
やはり歩くのと少しでも走るという行為を続けるのとではかなりの差が出るからだ。

5km通過タイムも正確には覚えていないが、ガーミンで比較すると昨年より1分ちょっと遅かった。
7.2km地点の中の茶屋での比較もしてみると、ここで昨年より約2分弱遅くなっている。
昨年は6月にサロマを走り、その疲れと直前に少しハムを痛めたせいで頑張った割には結果が伴わなかったが、
今年は膝痛もあったが、富士山を最優先にしたこともあり、またペースを意識て調整したこともあり、
2分のビハインドがあってもメンタル的には余裕があったように思う。この時点ではだが。

中の茶屋で柄杓で水を頭からもらい先を急ぐ。この手前の給水所でもそうだが、スポーツドリンクと水
そして塩タブレットとレモンを必ず摂ることにした。脱水と足攣り対策だ。
中の茶屋を過ぎるとコースはグッと狭くなる。まだ舗装された道ではあるが、その舗装も結構ガタガタだ。
亀裂があったり、アスファルトが剥がれて穴になっているところもある。そして徐々に勾配もキツくなってくる。
今回も5合目挑戦のメンバーのために、前日に車で馬返しまで下見をしたが
、自分で目印にしていた地点から馬返しまでの距離が思った以上に遠く感じたが、
なんとか歩かずに10.8km地点の馬返しに到達した。
タイムは1時間6分44秒。

この時点で昨年より2分15秒の遅れとなった。きついことに変わりはないが、体力的にもメンタル的にもまだ昨年より余裕だ。
そしてここからコースは登山道に入る。
富士山の登山道は北海道のそれに比べると段違いに整備されている。通常の山道というよりも遊歩道といった感じだ。
馬返しからは神社の境内のような広い山道を行くが、その先から急に狭しくなる。
V字に侵食されたような登山道がかなり長く続くのだ。そしてここが渋滞が発生する最初のところといってもいいだろう。
このパートに入ってくるとコースは狭くすれ違いもちょっと大変というくらいになり狭く、追い越しは基本できない。
無理な追い越しをしようとするとV字の両サイドの斜面を無理やり行かねばならず体力も消耗するが、コースを壊してしまう。
そして数十メートルか毎に四角く木で囲われた一辺4-5m角の中に大きめの石が置かれたところがある。
これは「浸透桝」といって雨が流れて登山道を侵食しないように、ところどころこの枡で水を浸透させるものだ。
ここだけは他と比べて平らになっているし、広いのだが、追い越しポイントにならない。浸透桝に入れば段差だし、両脇をすり抜けるのがほとんどだが、それでは前に行けない。
結局このパートでは渋滞を繰り返しタイムロスにもなる。休憩と割り切るしかない。

3合目付近からは登山道も石段のようなところも現れる。基本広いので前のランナーを抜こうと思えば抜けるようなとこも多くなってくる。
トップ選手であれば走って登っているのだろうが、私レベルではそうは行かない、下りは一切ないが時折現れる平らなとこで少しでもタイムを縮めるべく走る程度だ。

コースも5合目近くになってくると溶岩が突き出たようなところも増えてくる。足元に注意ないと登山靴ではなのでうっかりぶつけると痛い思いをする。
少し広い石段が見えてきたら目の前の視界が開け、アスファルトの滝沢林道に合流する。
この道を道なりに約200mくらいだろうか、行くと再び登山道に入るが、ここも200mほどで再度滝沢林道に出る。
5合目コースはこの道路を横切って再度登山道に入り、100mしないでゴールの佐藤小屋だ。
山頂コースは佐藤小屋へは行かず、この滝沢林道に沿って下山コース方向へ250mほど走ったところで5合目関門を迎える。
5合目通過タイムは2時間8分59秒。

昨年よりも2分31秒遅いが、5合目に関しては計測地点が違うので参考にならない。滝沢林道へ出た時点で感覚的には
佐藤小屋通過タイム換算では昨年と同じか少し速いと感じていたので、今回の5合目関門タイムとしては、思ったよりも時間がかかっていると感じた。
なんといっても関門6分前だ。正直厳しい展開だがここからが本番である。とにかく前へ。コースは関門すぎてすぐに左へ折れ再度登山道へ。

5合目の給水所を過ぎて再度コースを折り返したところでヘルメットを受け取った。ここから先はヘルメットを装着しないと失格だ。
ヘルメットといってもよくある登山用のヘルメットというよりも、工事現場などで使うヘルメットの内側についているペラペラのものだ。
実際落石などにどのくらい効果があるかと言えば疑わしいが、ないよりは良いだろうし、万が一転んだ時も一定の効果はありそうだ。
私の場合はキャップの中に入れるのも面倒なので、上からそのまま被った。ちょっと窮屈だったが直す時間ももったいないのでそのままで。

6合目の前半はちょっとした低木の中を歩く。そう歩くのだ。なるべく速く。そして少しでも平だったら走る。走ろうとする。
その繰り返しが延々と続く。登山道は砂礫に変わって滑りやすい。登山道は広いのでペースを上げれば抜くことが出来るが、やはり歩きやすいとこは多くの登山者が歩くので路面が締まっているので若干歩きやすい。
そして登山道の勾配も徐々にキツくなってくる。黙々と歩くのである。

6合目後半から登山道は荒々しい溶岩の岩登りの様相を呈してくる。7合目はそのほとんどがその溶岩だ。急なところも多くなりロープや鎖場となっているとこもある。このレースは登山道を利用しているので
一般の登山者も多く登っている中で狭い登山道を登っていく。溶岩の岩場には少しでも前にと張り付くようにランナーが岩場に取り付く。
ここでも渋滞だ。道が狭いというだけではない、疲労で前に進めなくなっているランナーが道を塞いでいるかっこうだ。
しかし、速かろうが遅かろうがみんな必死だ。少しでも早く上へ。そんな思いで頑張っている同士に「遅いから退いてください」とは言えない。
だが前に行きたい気持ちはみんなある。そしたらみんなで頑張るしかない。
「気合い入れろぉ」
そんなカツがどこからか入る。すると周囲で、
「おー!」と呼応する。一瞬だがペースが上がる。
7合目の後半だったか、山小屋の手前の階段で渋滞になった。疲労なのか、足が攣ったのかなかなか進まない。
私もやってみた。
「気合い入れてけよ!」初挑戦で少し図々しいと思ったが。

岩場の7合目を通り過ぎると再度砂礫の登山道となる。6合目と少し違うのは大きめの溶岩石も多くなってくる。足元を取られる。
8合目が最後の給水となっており、ゴール手前の最終関門がある。ここで少し後悔したことがある。
8合目には7つの山小屋があるのだが、そのどこが関門なのかきちんと事前にチェクしていなかった。
8合目と言われる最初の山小屋は「太子館」(後から調べて書いている)だと思うのだが、8合目で最初の給水を受けた。ここが最後の給水と思って登っていくとまた次の山小屋(蓬莱館」でも給水があった。
この次の山小屋(白雲荘)で周囲のランナーにどこが8合目関門なのか聞いたら、ほとんどのランナーがあまりわかっていないのか、疲労で話すことが出来ないのか答えが返ってこなかったが、ある一人が「あと二つ上」と教えてくれた。
後でわかったが「富士山ホテル」だ。

その一つ上の山小屋を通過した後くらいで上から声が聞こえた。
「8合目関門閉鎖10分前です」

もう苦しいしかない未知の世界。昨年御殿場コースで山頂に行ってはいるが、この疲労した状態でもう目前に迫っている関門であっても10分で行けるかどうかの判断が出来ない。とにかくいくしかないのだ。

思ったより早く到達することができ、8合目関門通過は8分前。

しかしそこから見た山頂はまだ遥か先に見えた。距離にして約1km。山頂ゴール関門まで38分。普通の登山であれば余裕のタイムであるが、
高度の関係で空気が薄いのか疲労感は半端でなく、正直間に合わないと絶望感満載だ。
しかしいくしかない。ここまできて止める選択肢はない。

山頂方向を仰ぎ見ると九十九折りの登山道はランナーの列で山頂までつながっている。

ゴール関門14分前でも見える山頂はまだ上に思えた。
必死の思いで這ってでも、ゴールへ。
ほんとに這ってた(笑)
ゴール関門5分前に鳥居が見えた。先にゴールした友人が待っててくれた、応援をくれた、多くの人が声援をくれた。
間に合った。

ゴールタイム 4時間26分14秒

久々にゴールで感極まった。
友人ももらい泣き。
下山後、今回一緒に山頂トライしたけど残念ながらDNFになった2人も一緒に泣いて喜んでくれた。5合目コースの三人も無事走りきった。
応援に回ってくれた相方にはみんなのサポートに大感謝だ。一緒に参加した全てのランナー、大会関係者、ボランティアの方々そして素晴らしい舞台をセッティングしてくれた霊峰富士に感謝したい。
また来年も。きっと。

YOUTUBE動画も参考になれば幸いです。

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